[女性誌速攻レビュー]「I LOVE mama」8月号

ママ友の間で浮きたくない!! 「I LOVE mama」がまさかの「VERY」化

2013/06/26 21:00

 この企画を見て、ふと思い出したのは、プリンセス プリンセスの「Diamonds」でした。ラブママはご存知ないと思いますが、1989年の名曲です。「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」という歌詞。まさにその通り。ファッションとその人となりは関係ない。しかし、ちびコが絡むと複雑です。派手=自分に時間をかけてる=育児がおろそかになってると世間は考えるからです。確かにそういうママもいるかもしれないけど、いないかもしれない。派手だけど一生懸命働いている女性もいれば、一生懸命勉強している女性もいます。そして、一生懸命育児をしているママもいるのです。おしゃれくらい好きなようにさせてやってください。このまま「I LOVE mama」がどんどん保守化して、「VERY」になって、世の中のママがみんな「VERY」ママになってもいいんですか。ファッションはカメレオンの擬態じゃない。すなわち、周囲に同化するためにあるわけじゃないんすよ。周りがドン引きしても、ヒソヒソ言われても、好きな服を着てほしい。ラブママ、がんばれ!

若いからこそ深刻なアンチエイジング

 美容企画「『ママに見えない!!』と言わせる美容テク&メイク術」を見てみましょう。タイトル横には「ちびコを生んでから言われるようになった、『疲れてない?』『老けたね』『顔、むくんでるよ?』…もう言わせません!!」と書かれています。若いラブママといえども経産婦。未婚未出産の同級生たちと会った時、「育児で疲れている」と思われたくないんでしょうね。「ママに見えないね!」と言われたいんでしょうね。中年女のアンチエイジングより切実なものを感じます。

 年上ママには落ち着いている清楚なママに見えるように、同級生にはママに見えないように、そして姑や世間からは「若いからダメなママね」と言われないように。……全国のラブママが求めているもの、求められているものは相当難易度が高いものです。そんなことパーフェクトにできるかっての! みなさん、そもそも「ママらしさ」とは何なんでしょうか。「ママ」が「女」と地続きではなく、何かを飛び越えてなるものとして捉えられているから、よくも悪くもこういう面倒なことが求められる気がしてなりません。
(亀井百合子)

最終更新:2013/06/26 21:00
「I Love mama」
若い方が「子育てと女の両立」のプレッシャーを受けやすいからね