カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」7月号

想像してください、「CLASSY.」女子が結婚のために踵を削り、指毛を抜く姿を!

2013/06/07 16:00
「CLASSY.」2013年7月号(光文社)

 「CLASSY.」(光文社)今月の特集は「オシャレの悩みはオシャレの賢人が何とかしてくれる!」です。「代わり映えしない自分を変えるヒントが満載」と自己批判のようなキャッチが躍っています。中身を見てみますと、辺見えみりがレクチャーする「こうすれば“甘くてもオシャレ”は実現できる」という企画が! 辺見さんは「大人可愛い」の師匠として、ピンクやレース、花柄をどう着こなすべきかアドバイスしていますが、これが辺見さんの存在そのものを象徴しているかのようなページ。「おしゃれ」というより「おしゃれ感」「おしゃれっぽい」と申しましょうか。読者へのアドバイスにも「大人っぽい」「今っぽく」「上級者っぽく」、極め付きは「フランス女優っぽく」……ぽくぽく言い過ぎて和尚さんがお経あげそう! そのぽくぽく感覚は辺見さんが監修するブランドの謎コンセプト(モダンなPARISに住みながら、生まれ育ったLAの高い空と青い海を想う、29歳の女性)と寸分も違わず、辺見えみりのブレなさに感服した次第です。

<トピックス>
◎オシャレの悩みはオシャレの賢人がなんとかしてくれる!
◎男のコは見てます!夏モテは足元次第
◎福山雅治と愛について

■生まれながらに可愛い子なんて5万人に1人だぞ!

 実際の「CLASSY.」女子は、辺見えみりのようにLAの空とかパリの風とかふんわり腹の足しにならんものばかり考えているわけではありません。この世知辛いご時世に、己の身一つで結婚という難関に挑み行く「CLASSY.」女子の姿は、まさに現代の侍。今号の「CLASSY.」には、そんな侍たちを思わず抱きしめたくなるような企画が盛りだくさんです。

 この時期定番ネタである「梅雨どきの正しい洗濯術」も、主婦雑誌でやっていればフツーのお役立ちページですが、こと「CLASSY.」だと一味も二味も違った趣。想像してください。白パンツの泥はねや部屋干しのくさい、汗染みなどを、あの技この技で解決する巻髪の侍を。歯ブラシに粉石けんつけてゴシゴシする侍、こなれTが単なるヨレTにならないようにハンガー2本にバスタオルをぐるぐる巻きつける侍、パンツのリブが伸びないようにヘアゴムで縛る侍……ハイターを入れたタライに、黄ばんでしまった去年の白アイテムを入れて「セイッセイッ」とゴム手で押し洗いする姿など、正視する自信がございません。

 こういった若い女子たちの努力を冷笑する輩には「オマエはナンボのもんじゃい!!」と怒鳴りつけたくなります。「男のコは見てます!夏モテは足元次第」というフットケアページをご覧ください。「乾燥して粉をふいたスネや黒ずんだヒザ…生脚でも肌が荒れているとがっかりする」「ゴツいブーサンやウェッジソールを見るとなんかイラっとする!ぜんぜん可愛くありません。女の子はやっぱりピンヒール!」など男性諸氏のダメ出しがこれでもかと列挙された扉のインパクトたるや。「CLASSY.」女子は、こういう世界で生きているんです。ひび割れたお餅みたいな踵をやすりで磨き、スネやヒザにスクラブを揉みこんで、“メンズ受け”のペディキュアを施す。ちなみに「夏っぽくて爽やかなミントグリーン」あたりが“メンズ受け”ペディキュアだけど、「ストーンを盛るのは親指のみ」だそう。男子いわく「派手色のゴテ盛りペディキュアはギャルっぽいし不潔な印象」(33歳・放送局勤務)ですって、もう親指に指毛なんか生えてたら死刑ですよ。

 「CLASSY.」女子、それは巻髪にピンヒールの侍。刀を研ぐように己を磨き、武士は食わねど高楊枝ならぬ“「CLASSY.」女子は痛ぇけどピンヒール”の精神で敵に挑むのです。何の努力もしないで“オレの理想の可愛い女の子”ができあがると思ったら大間違いなんです!!

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