サイゾーウーマン芸能テレビテレビツッコミ道場東野幸治はいじりの神ではない!? 芸能 [TVツッコミ道場] いじりの神どころか救いの神! 東野幸治の的確でムダのない言葉と立ち位置 2013/06/01 15:00 TVツッコミ道場東野幸治今田耕司小籔千豊もはや神ダネ 『あらびき団リバイバル公演初回限定BOX』/よしもとアール・アンド・シー 今回ツッコませていただくのは、東野幸治のテレビでの活躍ぶり。東野といえば、「白い悪魔(人の不幸を良く笑う色白)」「人の血が通っていない」などと言われていたように、冷たく乾いた笑いの印象を持っていた人が、かつては多かったのではないかと思う。 だが、近年は『あらびき団』(TBS系)のMCを務めるなど、数多の若手芸人を世に紹介し、ブレークのきっかけを作っている。実力は疑う余地なく、好感度だって低くはないと思う。にもかかわらず不思議なのは、テレビでの仕事が、それほど多くないことだ。なぜなのか。それをあらためて考えさせられたのは、4月17日より放送されているバラエティ番組『もはや神ダネ』(フジテレビ系、5月22日放送分)だ。 この番組、「『いじりの神』東野幸治と『フォローの神』小籔千豊が全国の街や学校に出没!」を謳い文句としているが、実際には小籔の方が素人をやたらといじっている。この日も、高校のダンス部にやってきた彼らに窓から手を振る高校生に対し、「こんにちは」と挨拶した小籔が、こんな暴言を吐く。 「こっちが『こんにちは』ってゆうたのに、『こんにちは』ってゆえへんの、後であの子会うたら『カーン』しときますわ」 これ、関西であれば、相手もそれなりの返しをするだろうし、視聴者も笑って見るのだろうが、全国区では小籔の顔の怖さとツッコミのキツさに、引いてしまう人の方が多い気がする。すると、東野はすかさずこう返す。 「あれが東京風やねん。なんも問題ないわ」 単に怖い人になりそうだった小籔のツッコミを、ちゃんと笑いに変える一言である。 その後も、小籔が女子高生たちに「同時にしゃべるのやめて」「俺らが回すから」などと説教を始めると、すかさず東野がツッコむ。 「なんでみんな叱られてんの?」 妙な空気が、この一言によって救われ、女子高生たちも小籔を指さして「(小籔を)帰らせていい~」と嫌うという、安心のオチになった。さらにスタジオトーク部分でも、東野は憎たらしく小首を傾げてみて、フォローを忘れない。 「ごめんなさいね、ダンス部のみんな。小籔がうるさいから。つまんなくなっちゃったね(ハート)」 この前フリがあってこそ、小籔の口やかましく長い説教がオイシくなり、「嫌われ」ポジションが生きてくる。そこからはうるさく喋れば喋るほど、オイシい展開になるのだ。 東野は、自分自身がガンガン笑いをぶちこんでいくタイプではなく、周りを輝かせてくれる、バレーボールの「セッター」のようなタイプの芸人だと思う。誰かが多少スベッても、妙な空気になっても、東野がいてくれれば、笑いになる。 今最も売れっ子の有吉弘行に引けをとらない、「番組に1人いれば、どうとでもしてくれる」実力者だと思うのに、なぜ露出があまり多くないのか。1つは、中堅ゆえのギャランティの問題もあるのだろうし、もう1つは、新喜劇やローカル局の番組をやり続けるなど、仕事内容をある程度選んでいそうなこともあるのだろう。 昔は今田耕司とよくセット売りされていた東野。だが、その芸風は大きくかけ離れていて、いろいろユルくテキトーに流せる今田に対し、東野のコメントには「無難」とか「ユルい」ものがまったくない。一つひとつが的確で、ムダがなく、「場をつなぐ」ためだけの意味のない言葉を発することもない。実力的にはもっとさまざまなレギュラー番組を持っていても良いはずなのに、テレビの露出がそれほど多くないこと自体も、そう考えると、案外意味のあることなのかも。 (田幸和歌子) 最終更新:2013/06/01 15:00 Amazon 『あらびき団 リバイバル公演 初回限定BOX 』 ムダばかりの場つなぎトークの芸人、涙目 関連記事 “冷血人間”東野幸治が、「歌舞伎界に転身しない?」の仰天オファーに乗り気!?東野だけじゃない! 凶暴な嫁に頭の上がらない芸人たちCOWCOW・多田が子どもにブチ切れ!? 大人気「あたりまえ体操」の弊害さらば青春の光、吉本移籍の布石? 「東京にある吉本の劇場で本格復帰」のうわさ志村けんの誕生日会に愛人大集結!? それでも“復讐”されない理由 次の記事 セレブ保育園のお受験指導を公開! >