カルチャー
[女性誌速攻レビュー] 「DRESS」6月号

バブルはまだ続いてる! シェアハウスに週末部活、休まない「DRESS」な女たち

2013/05/24 16:00

 さらに続くページでは「大人のシェアハウス実況中継」という企画が掲載されており、首都圏にはどんな素敵なシェアハウスがあるのか、そこではどんな素敵な生活が待っているのかを紹介しています。

部活といいシェアハウスといい、DRESSな女たちは、集団行動を楽しむ資質が必要そうです。それにしても、平日は仕事して、帰ったらシェアハウスでルームメイトと交流、休日は部活、その上ファッションチェック50項目を確認と、マジで休む暇もないです! DRESSな女たちは、バブルの時代を今も生きる、終わりなき充実ライフを満喫する種族なのでしょう。昔と体力全然違うけどネ!

■アラフォーにドンピシャりな佐野元春の登場

 佐野元春のライブに行くと、アラフォー、アラフィフたちが「青春真っ盛り」といったふうに、「Rock n’ Roll Night」を拳を振り上げてシャウトしています。元春は彼らの(というか筆者たち世代の)神様的存在なのです。

 その元春が「恋愛相談に乗る」という斬新な連載「街空ハ高ク晴レテ」を見ていきましょう。創刊号では「なぜ自分にこんな依頼が?」と正直な感想を述べていて、それもまた元春らしく、素朴で好感が持てました。

 しかし読んでみると、なんというかその、「付き合ってる人と結婚したいけど、自分から言い出すと逃げられそうで言えない」とか「子持ちでも再婚できるでしょうか」といった、割と平板な質問に対し、元春は「自分の魅力を信じてください」といったこれまたものすごく平板な回答をしています。「なるほど! そういう考え方もあったよね!」という発見がないのです。

 アラフォー女たちの多くが持つ悩み事をピックアップ(もしくは捏造)しているんだろうけど、あまりに山場がないんです! 要は「ポジティブに捉えましょう」って一言でくくれちゃう質問と回答。うーん、これは流石に元春の企画ハメ殺しでは?

 創刊号に比べると、アラフォー頑張ってますの押し付けも弱まり、少し落ち着いてきた感じの「DRESS」。しかし、特集で「『モテ』を一度捨ててみよう」と、おしゃれの基準を他人に頼るのはやめようと言っているのに、「40歳からの機械式時計入門」のキャッチコピーが「男性からも一目置かれます」だなんて、バリバリ他人の目を気にしてるじゃないですか!

 また、全体的に40代らしい知的なページが少ない印象ですが、初っ端の「DRESSな女たちへ」という編集長執筆のコラムの中で、「meone」という、聞いたことのない単語が出てきました。何だろうと思って調べてみても、辞書に出てきません。「流石DRESSな女たちはむつかしい単語を知っていなければいけないんだな~」と思っていてよく見てみると、「Love Someone」というフレーズの「someone」という単語の途中で改行されていただけでした。単語の途中で改行する場合は、「so-meone」というふうに、「‐」を入れてくださいね! しばらく考えてしまいましたよ……。

 アラフォーアピールが少しなりを潜めた「DRESS」、そのせいか、なんとなくイメージがボンヤリとしてしまったわけですが、次号はいったいどんな展開になるのか、楽しみに待つことにしましょう。
(増井涼子)

最終更新:2014/01/09 18:18
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