カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「DRESS」5月号

アラフォー独身女性雑誌「DRESS」、「40代だけど……」アピールの息苦しさ

2013/04/25 16:00

■INDEPENDENTってお金のことだけなの?

 散々、勝ち組アラフォーの人生談を読まされた後に始まるのが、「さあ、DRESSから始めよう」という大特集。そのpart1「7days DRESS」は、グラビア+ポエムの構成になっています。「心の声に気がついて。もう回り道は終わり。ふたり、今夜は帰るのやめにしない?」とか独白されても、何かの参考にできるわけでもなく、なんだか恥ずかしいだけ。バリキャリ勝ち組アラフォーは、突然やってくるポエムにもサラリと対応できるんでしょうか。

 その後も、「1枚で満足出来るDRESSあります」「さあ、どうやってDRESSを選ぼうか?」などなど、シチュエーションを細かく設定して、大量のDRESS(=ワンピース)紹介。

 さてここで、キャッチコピーに使われているINDEPENDENT(独立した、依存しない)の言葉が引っかかってきます。これらのページって、要は女性誌が繰り返し繰り返しやって来たようなカテゴライズ系の提案や解説。果たしてそれを鵜呑みにして、掲載DRESSを買ってしまうような人は、INDEPENDENTなの? そもそもドレスって言ってるけどワンピースじゃん!

 若いうちなら、タレントに憧れ、なりたい自分を夢想し、迷ってやたら人に相談して、恋愛やファッション、コスメといった教科別の参考書をたくさん抱えるのもいいと思います。だけどそんな同じようなことを20年もただ続けていていいのだろうかという疑問が浮かびます。「DRESS」のやたら派手な誌面を見ていると、他人の言葉に惑わされたり、人の目を気にして意にそぐわないことをすることは、年を経た人間として美しいことなのかしらと思ってしまいます。

 つまり、「INDEPENDENT」ってのは、自分自身の足で立ち、考え方、ものの使い方を自分で考えて実践する人のことで、それを雛形として雑誌から提案されたら、もうそれは当初の「自立した女性」に向けた情報ではなくて、「とりあえず形だけ自立した女性になりたい人」向けになっているのでは。資本主義に乗っかって物事をカテゴライズして提案することは、人に右ならえをしろと提案することでもあり、それは自分でものを考えて、自分の世界を確立することと相反することなのではないでしょうか。「DRESS」はその矛盾を、まったく埋め切れていないように思います。

■後半戦から始まる広告記事の嵐!

 後半になると、「お家ケアで『艶美人』になろう!!」「『私に勇気をくれる』世界で一つのジュエリー」「噂のモヒートで『運気を上げる』ホームパーティ!!」「私たちはSUQQUに溺れて綺麗になる」などなど、あからさまな広告記事ページがどっかんどっかんやってきます。もういい加減長く仕事をしている、それこそINDEPENDENTなキャリアウーマンたちには、どういうページ作りがタイアップだったり記事広告だったりするか、すぐにわかってしまうのでは? INDEPENDENTな女性に向けての広告作りをもっと研究した方がいいかもしれません。

 それにしても、「恋する『DRESS』な女たち」にも休日はホームパーティをする人がちらほらいたし、記事広告でもホームパーティーの勧めがあったりと、「DRESS」なアラフォーシングルは、よほどホームパーティが大好きな模様。6畳一間に住んでるアラフォーにはあまり縁のないお話ですが、おそらく来月あたりには、「ホームパーティで着るDRESS」を特集するはず!

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