来年に生かしたい!

「粘膜焼いたのに鼻水止まらず」「バカ高いノニで効果なし」2013花粉症対策大反省会

2013/04/17 21:00
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花粉症患者にとっての恐怖画像……!
(Photo By tsuda from Flickr)

 2013年、猛威を振るっているスギ・ヒノキ科花粉。花粉飛散量は、全国で昨シーズンの7割 増という話も聞こえる中、今年晴れて花粉症デビューを飾ってしまった人も多いのではないでしょうか。

 現在、日本人の4人のうち1人が花粉症といわれており、その症状はクシャミ・鼻水・鼻づまり にとどまらず、人によっては目の痒み・充血・喉の不快感や痛み・皮膚へのダメージなどさまざま。不快感極まりないものばかりなので、花粉症の市販薬や病院で処方された薬だけでは気が済まず、藁にもすがる思いで民間療法や最新の治療法にトライ人もいるようですが、思ったような効果が得られず、「失敗したかも……」と嘆いている声がちらほら聞こえてきます。そんな「花粉症対策失敗談」に大和高田市立病院の清益功浩先生からコメントをいただきました。

■「免疫力アップ」のノニジュースに、実験結果なし?

「私の症状は主に鼻。そして、肌までかゆく荒れてしまいます。花粉症の期間、薬を飲み続けることに抵抗があると感じていた時、『花粉症に効く』というネット広告につられて、ノニジュースを知りました。ノニジュースはアカネ科の植物で古くから民間薬、赤色染料として利用されてきたノニの果実から作られたジュース。説明には『ノニの主成分・プロゼロニンは体内でゼロニンに変化し、いろいろな物質で汚染された細胞を修復して免疫力を高めてくれます。また、ノニは抗ヒスタミン剤や炎症抑制剤としても効果的です』とあり、早速注文。1本500ml3,000円という高価で、最初はドブの味のようにまずく後悔したんですが、1日30~60mlを我慢して1カ月ほど飲み続けると、あの味は妙に癖になりました。肝心の花粉症の症状は、このジュースを飲んでから、肌荒れはなくなったみたい。でも、鼻の方は相変わらずずるずる。でも、飲まずにいるよりは多少マシなってるのでしょうか?」

【清益先生】そもそもノニは医学的にアレルギーに効果があるという実験結果は現時点ではありません。また、免疫力を高めてくれるというゼロニンの存在も否定されているようです。花粉症の民間療法としては、個人差が大きく、お薦めできる治療法ではないかと……。「肌荒れが軽減された」というのは、果実に含まれるビタミンCなどの効果ではないかと推測されます。


ノニジュースのように、口にするもので花粉症を軽減しようと思うのならば、乳酸菌L-92フィカリス菌は、8週間の服用実験で統計上「効果がある」とされています。乳酸菌L-92はカルピス社の「アレルケア」、フェカリス菌は伊藤園の「朝のYoo」という飲み物などに、含まれていますよ。

■アロマで鼻の症状緩和も、匂いが……

「とにかく鼻が詰まりがひどいです。アロマをやっている友人から『ユーカリ、ローズマリー、ミントなどのオイルがいいよ。アロマにほかの成分がまじっているとよくないので、100%ピュアのものにね』と聞いて、ミントを購入。マスクに一滴垂らしすと、確かに喉と鼻がすっとする感じがする気も……。ただ、ほかのものは匂いがちょっと合わずに断念しましたが、そこは我慢すべきだったのでしょうか」

【清益先生】ミントのオイルを使っているとのことですが、その主成分であるメントールは、医薬品にも使用されており、冷感を感じる神経を刺激したり、鎮静作用などで自律神経を整える作用から症状緩和の効果が出ているのではないかと推測されます。

しかし、アロマは基本的に植物油。蒸発させて使用するわけですが、アロマの種類によっては、粘膜刺激で花粉症の悪化、ぜんそく発作の誘発がありえます。さらに、匂いには好き嫌いがあるため、自分にとって「不快だ」と感じるアロマを使うと、自律神経の不調でアレルギー症状が悪化する可能性も……。なんにせよ、体質に合えば効くけれど、体質に合わなければ逆に悪化することもあるというのを忘れずに!


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