メディア戦略を覚えたビッグダディ、もう素人ではなくなった「盛岡編」の行方
4月12日、遂に村上春樹の最新刊が出版された。それから数日後、新宿の紀伊國屋書店は凄かった。店頭ワゴンに積み上げられた村上本。店員が「村上春樹本、再入荷しました! 入荷は限れています。お早目にお買い求めください!」と道行く人々に訴える。そんなに煽らなくても――。見ると本は沢山積み上げられていた。
こんな騒動を巻き起こしている村上春樹。版元の文藝春秋も煽りに煽った。何も情報を出さない、情報枯渇作戦で。なにせ同じ版元の「週刊文春」でさえ、「新作小説の謎」という特集を組み、内容は一切明らかにされていない、とタイトルからその内容を評論家などに“推理”させ「発売が楽しみ」などと煽る煽る。しかし、こんな現象に違和感を抱いている。だって前作の『1Q84』(新潮社)を知り合い(いつもは読書などしていないはず)の家の本棚で多く見かけたが、案の定ほとんど誰も読んでいないから。単行本、累計770万部って、ちゃんと読んでいる人はどのくらいいるの? と大きな疑問だったから。筆者も『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』(ともに講談社)あたりで食傷気味になった。ファンや高く評価する人ももちろんいるとは思うが、万人向きの作品ではない。売れているから、ブームになっているからと買って本棚の肥やしになっているに違いない、と。
そんな違和感に明確に名言してくれたのが、「セブン」記事だ。村上現象を取り上げた上で、書評家でもある永江朗のコメントを掲載している。
「彼の小説はそんなに多くの人が読めるものではないはずです。普段まったく小説を読まないような人が読んで、楽しめるかどうか」
おっしゃるとおり。さらにセブンは『1Q84』を買った100人にアンケートを行い、そのうちの35人が途中で挫折したという結果を出したのだ。村上春樹礼讃一色の中、何とも大胆でまっとうな企画である。まあ、村上春樹は小学館にはおそらく、いや絶対に書かないだろうからね。
芸能人とその親との確執、関係がうまくいっていないケースは以外に多い。吉永小百合は結婚に反対する両親と訣別し、杉本彩は金銭問題などで母親と妹夫妻と絶縁し、長年音信普通だった(その後和解)。安達祐実も母・有里との関係悪化が伝えられ、再婚を期に父を事務所取締役から解任した岩崎宏美はそんなステージパパに訴えられた。話題の中島知子も両親との不仲が取り沙汰されている――(社会的、経済的に成功した“娘”と、それを支えてきたステージパパ・ママというケースが多いことは興味深い)。