「幼児にスマホはNG」なんて正論は求めていない! ラブママの子育て相談
実は、この相談集の前のページでは、長時間飽きずに遊べる「オススメスマホアプリ」を紹介していたり、日菜あこ自身も絵本アプリの企画などをしているんです。デジタルネイティブのラブママ世代にとってスマホは生活家電。テレビなどと同じく、是か非かの前に、すでに子育てにおいても不可欠なものとなっているのでしょう。幼児のスマホ問題は、それ以上深くツッコまれることなくページは過ぎていきました……。もうひとつ、「3歳になる長男が、いまだに赤ちゃん返りしています」という相談の回答。
「(略)心配しないで、赤ちゃん返りは必ず治ります。ただ長く続いてママが辛いなら、保健センターや保健師さん、かかりつけの小児科に相談、ひとりで抱えず助けを求めて」(小児科クリニック医院長)
「(略)少しでも時間があるときはスキンシップ。うちも背中を撫でてあげるだけで、ケンカが減ったりしたんよ」(日菜あこ)
専門家の答えは正しいけれども冷たく聞こえます。「保健センターや保健師さん、かかりつけの小児科に相談しろ」って、現に誌上でこうして相談しているのに、なんの回答にもなっていません。これじゃ、たらい回しだ。困っているママ、孤立しているママは救われないですよね。それよりも日菜あこの言葉のほうが、読者に寄り添っているように感じられます。ラブママモデルも同じ悩みがあったんだな、自分なりに工夫して乗り切ったんだな、と思うだけで少しホッとできるはず。
「新しい環境のお悩みクチコミ処方箋」のページでは、「周りは歳の離れたママばかり」「すでにあるママ友の輪ってなかなか入りにくい」「SNSで繋がれても、本当に深い悩みはなかなか相談できない」など、孤立しがちなギャルママの悩みをすくいとり、読者の体験談が掲載されています。子育てに限らず“悩みごと”って、必ずしも正解を求めているわけではないですよね。そこの機微を「I LOVE mama」は理解しているように思います。現実の女性心理から乖離して読者が置いてけぼりになっている雑誌も少なくない中、ちゃんと読者と肩を並べている雑誌、それが「I LOVE mama」なのです。
(亀井百合子)