「幼児にスマホはNG」なんて正論は求めていない! ラブママの子育て相談
先月号あたりから、頭の中に「『I LOVE mama』(インフォレスト)こそママ界最強説」が浮上していて、「I LOVE mama」を読むと僻みスイッチが入ってしまうようになりましたので、僻み全開でレビューしたいと思います。……なんてことを書いてる時点ですでに「I LOVE mama」に負けています。「I LOVE mama」は僻みとは無縁なんです。
たとえば「STORY」(光文社)だと、「私立校ママはこんなバッグを持っている」「幼稚園では浮かないように」といつも周りのママと比較して戦々恐々としている感がありますが、「I LOVE mama」にはそれがない。メイクやファッションのお手本となる読者モデルが登場するにはしますが、それは単純にカワイイから。「私立校ママ」といった複合要素(美しさ+経済力+知性+気品+協調性+都会性+子どもの優秀さ+羨望される+嫉妬される+それらをうまくかわす+α)を表す肩書でモヤモヤと読者を威圧したり焦らせたりしません。今月の表紙には「『ママ、かわいいね』って言われたいし、ママ友よりもかわいくいたい!」というコピーが書かれていますが、カラッとストレートで気持ちがいいくらいです。
<トピック>
◎最新 春のお出掛け ファッション速報!!
◎全国美ママたちのご自慢ROOMを見せてください
◎お悩みママの子育て相談連絡帳
■ママの賢母レベルが高すぎる
「最新 春のお出掛け ファッション速報!!」というページでは、全国の美ママ64人が登場しています。私服チェックコーナーなので当然みなさんおしゃれに気合が入っていますが、それだけじゃないのが美ママ。なぜか「お弁当check!!」という欄があり、持参したお弁当のスナップまで掲載しています。これが揃いも揃ってキャラ弁なんです。0歳児ママでさえ、離乳食でキャラ弁! 「すり潰して食べられる食材を使って飾り付け!」「柔らかく茹でた人参はハート形に」って、どうせ食べるときはグチャグチャになるし、赤ん坊もワケわかってねーし! というツッコミはなしで、ただただ美ママの無駄な凝り具合を楽しむページになっています。キャラ弁もガーリーヘアメイクも15センチのハイヒールも最新ファッションも、すべて「カワイイ」という形容詞であっさり片付けて、「見えないところでの努力」には一切触れない。というかおそらく無自覚なところがまたすごい!
「全国美ママたちのご自慢ROOMを見せてください」というページでは、タイトル通り、美ママが部屋を公開しています。これがまた広い部屋の紹介が多い。シンママで子どもと2人暮らし82.8平米とか、4人家族で118平米とか、4人家族新築持ち家93平米とか……。確かに場所は地方ですし、インテリアは100均を駆使しているんですが、じゃ、なんで地方がダメなのか、100均のインテリアでなにがダメなのか、そこにニトリとセリアとドンキがあるならば、都会でなくてもいいのではないか、と東京で肩を縮めながら暮らしている筆者の価値観を狂わせます。レベルが高い。「I LOVE mama」の幸せレベルが高すぎて、ついていけません。美ママ、まじ最強っす。
■求めているのは、正解じゃない!
今月は「ちびコの“困った”切り抜け実例集」「お悩みママの子育て相談連絡帳」「新しい環境のお悩みクチコミ処方箋」と、トラブル解決系の企画が3本も入っていました。「お悩みママの子育て相談連絡帳」では、専門家(小児科クリニック医院長)と、ラブママモデルの日菜あこが答えています。日菜あこは、28歳にして8歳・6歳・3歳の子を育てており、メンタルケアスペシャリストの資格を持ち、「~と」「~けん」という博多弁が特徴。
気になったのは、「お悩みママの子育て相談連絡帳」内の「バスや電車での移動中、大騒ぎするんです! スマホのアプリやお菓子で機嫌を取っていますが、ごまかしなしで静かにさせる方法は?」という相談。小児科クリニック医院長の答えは次の通り。
「バスや電車は公共の場。騒がせないためにおもちゃや絵本、お菓子であやすのは仕方ありません。ただ幼児にスマホはNG! ここ最近の研究で、幼児をスマホやパソコンといった電子メディアと長時間接触させると、脳の働きに影響が出るといった危険が解明されているんですよ」
一方、日菜あこの答えは、
「ちびコはママの変化を敏感に感じ取るけん。『また騒ぎ出したらどうしよう…』と不安な顔をしていると、それだけでグズりやすくなると。だから『泣き出したら降りればいいや!』くらいの気持ちで! それでも騒ぐときは、おもちゃであやしていいと思うよ!」