女をアブナい信者顔にさせるピーリング、その元凶を見破り、今こそレッツポロポロ!!
この原因は、さかのぼること10以上前の話になる。当時、私より5才上、35歳の女友達がピーリング使用者だった。「ピーリングした後は化粧水の染み込みが全然違うよ!」と力説する彼女の顔は、アブナい何かを狂信している信者のような表情で、とても怖かった。30代に振りかかってくる肌トラブルの凶悪さと、それに抗うことの困難さは、女にこんな表情をさせてしまうのかと、30代になりたてだった私は背筋を凍らせたものだった。
そして同じ頃、別の女友達の家に遊びにいった時、たまたま遊びに来ていた女子と出会った。私は彼女を見て「私と同じくらい……30歳くらいかな」と思ったのだが、実年齢を聞いてビックリ、なんと20歳だったのだ。決して老け顔のブスとかではない。ギャル感のある茶髪女子だったのだが、肌質が例の35歳の女とソックリだった。キレイなんだけど「手間と金がかかってる感」がムンムンの肌。若者だけが持ち得る「素材の瑞々しさ」がまったく感じられない肌なのだ。思わず化粧品について尋ねてみると「ピーリングすると全然違うよ!」と、35歳と同じ表情で、同じことを言うではないか。私の中で「ピーリング=妙な貫禄がつく」という図式ができあがってしまったのだった。
そして月日は流れて今、私はこの連載の担当であるJ子と出会った。「ピーリング命」の26歳である。J子がピーリング愛用者だと聞いた時、私はビックリしてしまった。私の固定観念であった「妙な貫禄がある肌」が当てはまらなかったからだ。「落ち込んだ時は林真理子の本を読むと闘志が湧くんです☆」と、年齢の割に渋いこじらせ方をしたりしているが、本人が醸し出す空気はフレッシュなのだ。過去の2人とJ子の違いは何なのだろう……と考えてみる。すると、その人を思い出した時の表情の違いだと気がついた。35歳女は「元いじめられっ子のシングルマザー」で、どこかしら影のある表情だったし、20歳は浪人生で不満げな顔をした女子だった。「ピーリングをすると、人生をリセットできたような気になれるんですよ☆」と語るJ子からは、中身の質はどうあれ、喜びに満ちたヴァイブスを感じる。「元凶は表情筋だったのか……」私の中でピーリングに対する偏見が、溶解していったのだった。
ふきとり化粧水もためらいなく使えるようになり、私もピーリングを使用してみたくなった。J子のオススメだという「DETクリア ブライト&ピール ピーリングジェリー」をドラッグストアにて1,000円程度で購入。商品に貼られたキラキラな宣伝シールには「すぐにポロポロ」と書かれているが、なかなかに新鮮な日本語だ。早速洗顔をして使用してみると、おおお、まさに「すぐにポロポロ」! 液体を肌に伸ばしているそばから、ポロポロと垢が出てくるような感じ。「こすりすぎに注意」との表記があるが、こんな簡単にポロポロされては、怖くてこすれないってば。入念に洗い流し、肌に触れてみる。わああああ、すげーツルツル☆ やばい、一発でJ子の気持ちがわかってしまった。今まで、自分の肌で実感することができなかった「むきたてたまご肌」って、こういう状態のことなんだ……超快感☆ 過去の2人を反面教師にして、その後の御パックタイムのBGMには、希望に満ちあふれた松田聖子の「チェリーブラッサム」を選んでみた。一皮むけた「新しい私」は笑顔でありますように!
「濡れた手でも使える」つまりは、入浴時にも使用できるのが楽チンな、このピーリングジェリー。特に刺激があるわけでもなく、瞬時に効果がわかるのがうれしすぎる。「リセット感」はかなり高いので、腐りきった日々に区切りをつける効果もあるだろう。肌がツルツルだという状態は、女に自信と高揚感を与えてくれる。デートや合コンなど「今日はいっちょ、いい女になってみるか☆」って日にも心強いサポートをしてくれるはずなので、試してみてはいかがでしょうか。私はその日、肌をさわりまくりだったよ☆
大久保ニュー(おおくぼ・にゅー)
1970年東京都出身。漫画家。ゲイの男の子たちの恋愛や友情、女の赤裸々な本音を描いた作品を発表。著書に『坊や良い子だキスさせて1』(テラ出版)、『東京の男の子』(魚喃キリコ、安彦麻理絵共著/太田出版)などがある。
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