爆発的ヒットの裏側を検証

もはや指名買い! お土産の域を越えた地方の実力派コスメが熱い!

2013/03/23 19:00

 日本の化粧品に飽き、目新しいものを求める女性たちの間で韓国コスメが大変なブームとなったのは記憶に新しい。しかし、日本と薬事法が異なる海外のコスメということもあり、配合成分が日本人の肌に合わなかったり、メーカーの情報が本当に正しい情報なのか確認しにくい、肌に何かあったときに問い合わせがしづらいというリスクが伴うことは、あまり知られていない。値段が安い、成分がおもしろい、パッケージがかわいい、はやっているからという理由で飛びつく女性が多いのが現状だ。
 
 日本にもまだまだ一般的には知られていない、個性的で優秀な商品がある。それが地方発の「ご当地コスメ」だ。それらは地元の特産品やアイデアで商品を開発しており、その良さを一度知ってしまうと「取り寄せてでも使いたい」と思ってしまう、まさに“はまるコスメ”。今回は、震災から2年がたった今、「きれいになって東北を応援しよう」という思いから、東北地方で頑張って化粧品開発をしているメーカーを紹介していきたい。開発秘話を取材すると、ドキュメンタリー番組ができてしまうのではないか、というほどの苦労と挫折があり、その末に生み出された商品には熱い思い入れを感じることができる。これをきっかけに、1人でも多くの女性が日本のコスメの良さを再発見し、自分に合った安心して使えるコスメと出会っていただけたらと思っている。

■青森県 菜の花トラスト 「フロル デ コルサ」シリーズ

(左)「フロル デ コルサ クレンジングオイル」 150ml 3,150円
(右)「フロル デ コルサ アロママッサージオイル」 200ml 4,200円

 青森県の横浜町の特産である「菜の花」を広く知ってもらうことで地元の産業を盛り上げ、文化を後世に継承していきたい、との思いから結成された「NPO法人 菜の花トラスト」。スペイン語で菜の花を意味する「フロル デ コルサ」シリーズには、全品に菜の花からとれた「御なたね油」が配合されている。「御なたね油」は厳選された菜種のみを丁寧に天日干しにし、菜種の組成成分が変化しないように“コールドプレス製法”を採用してじっくりと時間をかけて自然ろ過した、「一番搾りの油」のみを贅沢に使用した希少性の高いオイルだ。惜しまぬ手間とこだわりから生まれたこの油は、「これまでの菜種油のイメージを変えた逸品」と評価され、「平成21年度優良ふるさと食品中央コンクール」で農水大臣賞を受賞している。

 「御なたね油」はそのままパンにつけたりドレッシングに使用するなど、食用として販売されていたが、お客様から「80代ですが、顔に使っていたらお肌がきれいになりました」「顔につけたら潤いとツヤが出ました」など美肌への効果が多く寄せられたことがきっかけとなり、「御なたね油」を配合したコスメシリーズが誕生した。「御なたね油」と今話題の保湿成分「青森県産鮭の軟骨抽出成分・プロテオグリカン」を配合した同シリーズの商品は、浸透力の高いオイルが素早く肌になじみ、潤い実感を体感させてくれる。

・「フロル デ コルサ クレンジングオイル」 150ml 3,150円
メイクや毛穴の汚れをすっきり落としながらも肌の潤いはしっかりキープする、美容クレンジング。目に入ってもしみない、目に優しい処方。メイクを落とした後の肌の柔らかさには驚く。

・「フロル デ コルサ アロママッサージオイル」 200ml 4,200円
「御なたね油」を約70%と贅沢に配合。下北半島に自生する「ハマナス」をイメージした優しい香りで、リラックスしながらケアできる。のびが良いテクスチャーで、体はもちろん、顔にも髪にもツメにも使える万能オイル。


■宮城県 ふるさと地鶏の会 「レシチーナ」シリーズ

resitina-ze.jpg
(左)「レシチーナ ローション」100ml 3,675円
(右)「レシチーナ ジェルクリーム」30ml 5,250円

 もともとはエサ、水、飼育環境にこだわった自社農場でとれた生卵や卵黄から作る、昔ながらの健康食品「卵黄油」の販売が主な業務だった「ふるさと地鶏の会」。鶏たちが元気なため、飼育にあたり抗生物質等を使わず、安心・安全・元気な卵を原料にした「卵黄油」は宮城県内外を問わず、人気の商品となった。ある時、お得意様から「昔は卵を使って髪を洗ったものよ」と言われたのをきっかけに、卵黄油の成分や歴史を調べると、古くは洗髪だけでなく、傷ややけどの薬としても用いられてきたことがわかった。さらに、成分を調べると卵黄油に配合されている「レシチン」には、水と油を結び付ける天然の乳化剤の効果があり、蒸発しやすい水溶性の美容成分もレシチンと混じり合って乳化されることにより肌に素早くなじみ、潤いを逃さないことも判明した。これにより、卵黄油の効果を生かした化粧品の開発が始まったのだ。

 しかし、卵黄油は卵黄を炒り、焦がして抽出するもの。真っ黒い色と焦げたニオイではとても化粧品には使えず、苦戦した。多くの紆余曲折の末にたどり着いたのが、独自の「低温圧搾法」。卵黄を低温で温めながらじっくりと圧力をかけていくと、琥珀色に輝くしずくが、じんわりポトポトと落ちてくる。この手間暇をかけて搾り出された「生しぼり卵黄油」は、直火にかけないことで通常の卵黄油と比べてなんと10倍ものレシチンを含んでいることがわかった。レシチンはもともと、私たちの体を構成する細胞の中に存在し、細胞膜を通じて物質を取り入れたり老廃物を排出したりと、細胞の新陳代謝には欠かせない働きをしている。そんなレシチンの効果を最大限味わえるレシチーナシリーズは、「最近肌に元気がないな」と感じる方に、ぜひともオススメしたい。


・「レシチーナ ローション」100ml 3,675円
10日に1個程度しか産卵されず、ビタミンEを豊富に含む希少な烏骨鶏の「生絞り卵黄油」を配合。さらにプラセンタ、コラーゲン、ヒアルロン酸、CoQ10を配合。しっとりとみずみずしいお肌に。

・「レシチーナ ジェルクリーム」30ml 5,250円
烏骨鶏卵黄約1個分の「生しぼり卵黄油」を贅沢に高濃度配合。少量でスッとなじみ、潤いと栄養を肌にぎゅっと閉じ込める。ローションとの併用がオススメ。

■岩手県 ネクストドア「極匠」シリーズ

gokujyo.jpg
(左)「極匠 スカルプエッセンス」 60ml 6,800円
(中)「極匠 ヘアトリートメント」 200ml 4,500円
(右)「極匠 スカルプシャンプー」300ml 3,200円

 経営する理容店に来店するお客様から、頭皮の悩みや抜け毛の相談を多く受けるうちに「毛髪はなぜ抜けるのか」という根本的な疑問を持ち、その悩みを解消することはできないかと研究を重ね生まれたのが「極匠(ごくじょう)」シリーズ。長年理容業界に携わってきた結果、頭皮は髪を育てる畑であり、髪だけでなく頭皮にまで気を配ることが、健康でイキイキとしたツヤのある髪を保つ秘訣だと実感していた。しかし、市場に出回っている商品にはシリコンや香料などが入っているものが多く、なかなか理想通りのものがなかったため、髪の健康にとって重要な「頭皮の汚れや老廃物を落とす」「髪の潤いを補う」「頭皮に必要な栄養を与え、健康に導く」という3つを確実に実現できる商品アイテムを独自に開発した。

 開発した商品は口コミで徐々に広がっていき、2013年2月に2万9,110のサイトの中から「ネットショップ大賞2012 岩手県の銘店 金賞」を受賞。ノンシリコンブームが起こる前から、「シャンプーは頭皮の汚れを落とすもの。余計なものは入れない」という一徹な思いを貫き商品開発し、地道にファンを増やしていった結果の受賞といえる。抜け毛の気になる方は、チェックしてみてはいかがだろうか。

・「極匠 スカルプシャンプー」300ml 3,200円
頭皮の汚れや毛穴の汚れをしっかり落とす。シャンプーにとって必要のない成分は一切省いた、こだわりの処方。抜け毛が気になる方に愛用者が多い、人気のシャンプー。

・「極匠 ヘアトリートメント」 200ml 4,500円
頭皮や毛穴をふさぐコーティング剤を一切使用していない、ノンシリコントリートメント。頭皮や髪に良いと立証されている成分のみを厳選して配合。

・「極匠 スカルプエッセンス」 60ml 6,800円
頭皮に本来備わっている自然治癒力を活性化するために必要とされる、60種類以上の天然由来成分を配合。頭皮を正常な状態へと導き、健康な髪が育つ環境を整える。

恩田雅世(おんだ・まさよ)
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事も執筆している。
■公式ホームページ「オンダメディア」

最終更新:2019/05/22 20:28
FLOR de COLZA フロルデコルサ・クレンジングオイル
amazonだけど気持ちは青森だから!