バレンタイン目前!

世界的パティシエ・辻口博啓が「アンチスイーツ女子」脱却の方法を伝授!

2013/02/09 19:00
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辻口博啓さん、よろしくお願いします!!

 2月14日のバレンタインデーが目前となった今日この頃。街にはハート柄のグッズや限定チョコが溢れ、スイーツ女子らの「かわいぃ~」という連呼がどこからともなく聞こえてきます。

 そんなハッピー・ムードの一方で、スイーツ脳を揶揄した「スイーツ(笑)」というネットスラングの影響もあり、「バレンタイン前にソワソワするなんて、自分が使ってる美容液の写真をFacebookに載せるような女だけだわ。あーやだやだ」と斜に構える「アンチスイーツ女子」が多くいるのも事実。彼女たちは、面倒な自意識が邪魔して、「私が男にチョコあげるなんて柄じゃない」などと、勝手に決め付けてしまっているのです。

 しかし、「スイーツ(笑)」のイメージにがんじがらめとなり、バレンタインに乗っからないのはもったいない! というわけで、サイ女読者の「スイーツ恐怖症」脱却をはかるべく、世界的パティシエでショコラティエの辻口博啓氏にアドバイスをいただきました。

――スイーツを始めとする、いわゆる「かわいいもの」にすぐ食いつく女性を嘲笑する「アンチスイーツ女子」は、バレンタインに苦手意識を持っているようなのですが……。

辻口博啓氏(以下、辻口) スイーツを「かわいくて気恥ずかしいもの」とか、「たかがお菓子」と思うのは、正しい知識を持ち合わせていないからです。お菓子を取り巻く歴史や、そこから発生する飲み物とスイーツのマリアージュを解き明かし、お菓子の深さやストーリーを勉強してもらえれば、「アンチスイーツ女子」の問題は全部解決します!

――スイーツ女子を「浅はかなセンス」などと非難する前に、まずはスイーツを「勉強」として捉えてみるべき……ということですね。しかし正直、勉強の仕方がわかりません……。


辻口 僕が代表理事を務める日本スイーツ協会では、「スイーツ検定」というものを行っています。講義と検定を受けていただき、合格者には「スイーツコンシェルジュ」の資格を与えています。これまでに、丸の内で働くOLさんを始め、さまざまな職種から350名のスイーツコンシェルジュが生まれています。

――さすが丸の内OL、ひと味違いますね! ちなみに「アンチスイーツ女子」が、バレンタインに気恥ずかしさなくチョコを渡せる方法はありますか?

辻口 ただかわいいチョコや、キャラクター的なチョコなんかを渡すよりも、その人の感性が見えるようなものがいいですよね。例えば2人の空間に、ワインやシャンパンといったお酒とチョコレートをさりげなく組み合わせて、デキる女を表現してみたり。そんなもっと上のレベルのスイーツ女子になってもらいたいですね。

――なるほど。スイーツ女子に抵抗感があるのだったら、さら高みを目指そうという作戦ですね。では、そんなアンチスイーツ女子に、おすすめのチョコを教えてください。

辻口 バレンタインを斜に見てしまう方には、ロバート・メイプルソープ(NY生まれの写真家。1989年没)と僕がコラボしたショコラをおすすめしたいですね。『ロバート・メイプルソープ flowers写真展』(西武池袋本店で開催中)のバレンタイン企画で作ったものですが、メイプルソープの作品や生き様を反映し、そこに文化を感じさせるようなショコラになっています。なので、男性に渡す時も、メイプルソープの世界観なんかをちょっとレクチャーしつつお渡しすると、いつもと一味違うハイレベルなバレンタインを演出できるのではないかなと思います。


――すいません! ロバート・メイプルソープさんをまったく知らないので、まず写真展に行って勉強します。それにしても、辻口さんは今回のコラボもそうですが、これまでに異なる分野とのコラボが多いですよね。

辻口 そうですね。今までもオペラや、バッグ、ベアブリックなどとコラボして、いろんな世界観の中でスイーツを創造しています。

――スイーツって、想像以上に奥深いものなんですね。何だか私も「スイーツ女子」と呼ばれたくなってきました!

辻口 「アンチスイーツ女子」の子たちも、きっとある意味スイーツ女子だと思うんですよ。やっぱり気になるから、そうやってアンチになっちゃうわけで。先ほどご紹介した「スイーツ検定」のほかにも、モンサンクレール(辻口氏がオーナーを務める東京・自由が丘のパティスリー)の斜め前では、みんなでお菓子作りを楽しめる「SUPER SWEETS SCHOOL」という教室もやっています。「アンチスイーツ女子」の皆さんも、スイーツの世界を是非、もっと理解して、楽しんでみてくださいね。
(取材・文=林タモツ)

辻口博啓(つじぐち・ひろのぶ)
クープ・ド・モンドをはじめ世界大会に日本代表として出場し、数々の優勝経験を持つ。モンサンクレール(東京・自由が丘)をはじめ、コンセプトの異なる12ブランドを展開。“スイーツで人々に笑顔を”をモットーに、各店舗の製造・運営の他、企業とのコラボレーションやプロデュース、講演や著書出版など積極的に活動。また、食育や教育などにも強い関心を持ち、スイーツ文化の更なる発展と向上に力を注いでいる。
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ロバート・メイプルソープ flowers写真展
■会期:開催中~2月14日(木)
■会場:西武池袋本館 別館2階=西武ギャラリー
■入場料:一般・大学生500円(高校生以下無料)
※西武の「クラブ・オン」「ミレニアム」カード会員は、カードの提示で入場無料。

◎辻口博啓氏が、ロバート・メイプルソープの感性を表現した、
オリジナルショコラ(限定パッケージ入り)は、7階(南)=催事場「チョコレートパラダイス」にて販売。
価格:2,401円〈300個限定〉

最終更新:2013/02/09 19:00
『辻口博啓のたのしいスイーツ』
金髪がまぶしい!