サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「婦人公論」に坂上忍が降臨 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」12月22日・1月7日合併特大号 「婦人公論」貯金特集に登場、競艇で3億円負けた男・坂上忍の名言 2012/12/19 16:00 女性誌速攻レビュー婦人公論 「婦人公論」12月22日・1月7日合併特大号/中央公論新社 今号の「婦人公論」(中央公論新社)は、年末年始の合併号、盛りだくさんの内容です。特集内には荻原博子×倉田真由美の対談、インタビューには麻木久仁子、小林幸子、酒井法子、寄稿文に岩井志麻子の「佳苗、美代子、美由紀……。毒婦と化した女たちの“共通点”」と、話題の女性が大集合しています。 特別付録は、「2013 瀬戸内寂聴 12カ月 金言シール」。瀬戸内寂聴の福々しい笑顔(篠山紀信撮影)とともにメッセージが12カ月分書かれています。「3月 100点満点の人間なんてもしいたら気持ち悪い( ̄▽ ̄) ニヤ」「11月 たまには自分にもご褒美の贅沢をあげよう( ̄▽ ̄) ニヤ」といった具合です(顔文字は筆者が加筆)。用途について、「手帳やカレンダーなど、目につくところに貼れば、見るたびにほっとしたり、力が湧いてきたり――」と書いてありましたが、小さいのに迫力がありすぎて、目につくところに貼る勇気がないので、ベッドの裏にでも貼ろうと思います。おふだかよ!? <トピック> ◎特集 大増税に負けない! 「貯まる家庭」になる ◎ルポルタージュ・時代を創る女たち 浜野佐知 ピンク映画の反逆児 ◎噂のウラをとってきました!! 熟女AVブーム到来! 私の出演料はいくら!? ■これでも“名子役”と呼ばれていたらしいですよ まず、みなさんにお伝えしたいことは、“「婦人公論」は油断して読んではいけない”ということです。先ほど「話題の女性が大集合」と書きましたが、実は、それ以外にとんでもない爆弾が特集内に仕掛けられていました。特集のテーマは「大増税に負けない! 『貯まる家庭』になる」。どうすれば貯金できるか、節税できるか、細かいノウハウが書かれています。読んでいると、自分の計画性のなさにがっかりし、心底情けなく、真っ暗闇の未来が怖くて叫び出したくなります。本当に本当に自分がかわいそうになる特集です。そのつらさに耐えてじっくり読んでください。そして、読んでいくと……坂上忍のインタビュー「大晦日恒例、僕の身清め大勝負」という記事に辿り着きます。 坂上は、毎年大晦日に東京・平和島の競艇場へ行くそうです。そして、その年の有り金全部を賭けにつぎ込んでいるんだとか。有り金全部! です。勝ったら翌年は仕事をせず南の島で遊び暮らし、負けたら働く。過去20数年で勝ったのは3回ほどで、トータル約1億円強。負けは、なんと3億円にのぼるのだそうです!! 「競艇場の雰囲気って醜いんですよ。でも、そこが大好きなんだなあ。僕も含めて、来ている人たちがホントに醜い」 「大晦日になるとそのヤバさは最高潮になります。なんといっても集まってくる面々が、鬼気迫っていてすごい。ほかのギャンブルよりも、生活かけてやってる人の割合が高いんですよ。なぜか、頭に鏡餅をのっけてるオッサンもいたりして(笑)。きっとみんな、最悪な、ツイてない1年を送ってきたんだな。でも今日、ここで勝つことができれば、すべてひっくり返せる。そんなイベント、ほかにあります? 最低最悪を一気に最高にしてやる、と血迷っている人たちが集結しているので、場内は異様な熱気です。その心の醜さといったらハンパじゃないですよ」 「もっと醜く、もっと浅ましくなりたい。徹底的に浅ましい人を見ると、素直に負けた、と思う」 あまりにスリリングなインタビューだったので引用が長くなってしまいましたが、これはぜひとも全文を読んでいただきたいです。できれば特集の最初から読んで、自堕落な自分を省みて、落とすところまで落としてから、ここに辿り着いていただきたい。落ちたところは水たまりなのに、底なし沼だと思いこみ大騒ぎした自分のちっこさ、浅はかさがわかることでしょう。人間は、深くて暗くて哀しくて、そしておもしろい。「もっと醜く、もっと浅ましくなりたい」。こんな言葉、常人には言えません。個人的に今年イチの名言です。このインタビューを貯金特集のトリに掲載した「婦人公論」、危険すぎます! なめたらあかん。 ■AVは生きている証し!? 22歳でピンク映画の監督としてデビューし、42年間でピンク映画400本弱、一般映画4本を撮影した女性監督の草分け、浜野佐知のルポが掲載されています。男性中心の業界で、「“女の目線”で女にしか撮れない映画を作ってやろうと」走り続けた女性。男性監督にはない特徴として、女性の股間のアップ、“パンフェラ”というパンツの上からするフェラチオ、口内発射された精液をキスして男性に口移しにする“ザーメン返し”があるそうです。 別のページには、サイゾーウーマンでもおなじみ神林広恵さんの連載「噂のウラをとってきました!!」で、熟女AVブームが取り上げられています。38歳で子宮がんのため全摘出手術を受け、「もっと恋愛がしたい、セックスがしたい!」という衝動を悟り、緊縛のモデルやAV出演を経て、現在はAVプロダクションを経営している女性。「私にとってAVは、妊婦さんがマタニティヌードを撮るのと同じ感覚。生きているその瞬間を映像で残しておきたかったんです」と語る30代後半の人妻。2人ともお金以外の目的でアダルト業界で働いている女性です。 浜野佐知も熟女AV女優もセックスを扱うという共通点はあれど、それぞれの背景や抱く思いは異なります。だから、こうして並べてしまうのは短絡的かもしれませんが、しかし、端から見て無謀に見え、理解されにくい世界に生きていることは事実です。そこに自分を賭けるとは、どういう心境なんだろうと、記事を読みながら想像してみるのですが、想像したところで実際はよくわかりません。わからないからおもしろい。「婦人公論」を読むと、かっこつけたりキレイごとを並べたりしない、醜い姿も欲望もむきだしにして、裸一貫で生きる人々の一端が垣間みられます。自分に装い疲れたら、「婦人公論」を読んでみてください。 (亀井百合子) 最終更新:2012/12/20 17:41 Amazon 『婦人公論』 寂聴シールを貼ると肩の痛みもなくなるかも(嘘) 関連記事 「あの苦労も私には必要だった」と思うために、「婦人公論」がしつこく断捨離特集自分探しより墓探しをしろ!? 「婦人公論」が説く“理想の最期”とは「枯れてもいい、美魔女はしんどい」林真理子が「婦人公論」で意外な持論を展開「生涯現役」の弊害・四十二病で溢れ返っている、「婦人公論」の40代特集櫻井翔まで! 「死」を語り「幽霊」を語る「婦人公論」よ、どこへ行く 次の記事 J・ビーバーの殺害・去勢未遂事件 >