"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第141回】

松雪泰子、破談の原因は不肖の弟!? 金と家族に翻弄される芸能人

2012/09/04 21:00
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「女性セブン」9月13日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第141回(8/30~9/4発売号より)

 最近、芸能人、著名人が自ら「いじめられた」経験を語る企画がやけに多い。いじめられ、それを克服した経験を語ることで、いじめられている子どもたちが少しでも勇気づけられ、救われればというものだ。でもちょっとおかしくない? 誰も彼もが「いじめられた」と語る一方、「いじめた」という加害経験を語る者は皆無である。ンな訳ないだろ! 加害者側がその経験を語り、反省し、その心情を語る方こそが、いじめ問題の本質を浮かび上がらせると思うのだが。

1位「松雪泰子 恋人との“再婚家計簿”破綻させた別の男」(「女性セブン」9月13日号)
2位「及川光博『相棒』降板で狂った 檀れい 愛の巣を出て、実家へ!」(「女性セブン」9月13日号)
3位「園山真希絵『イジめないでください…』“疲れちゃった…”女ひとりのその先」(「週刊女性」9月18日号)


 今週の1位と2位に共通するのは、芸能人の“お金”と“家族”である。まずは松雪泰子39歳のケースだ。2004年にギタリストと離婚し、現在シングルマザーの松雪だが、10年に「セブン」がスクープしたのが、10歳年下のヒップホップアーティスト・KG(KG‐K9shot)との熱愛だった。この10歳年下男、名前からして訳がわからないが、それは置いておく。2人の交際は順調に続き、今年の春、KGは松雪にプロポーズした。だが答えはノー。その理由は、“家族”だった。シングルマザーゆえ、愛息を思ってのこと、というならなら事情はわかる。しかし原因は息子ではなく、“弟たち”というからちょっとびっくりである。

 松雪には、37歳の高村晃平と33歳の松雪陽という2人の弟がいるらしい。2人ともタレント活動をしているというが、名前を聞いてもわからない。大した活躍はしていないのだろう。だから2人とも、収入が不安定。さらに陽は妻子持ちで(子どもも複数らしい)、松雪は弟2人に加え、その家族を経済的に支え、丸ごと世話をしているというのだ。よって、タイトルに思わせぶりに記されている「別の男」とは「弟たち」のこととなる。


 そんな家庭の事情に加え、KGという、これまた大した収入がないであろう男と結婚すれば、家計が破綻することは明白だ。

 いやー、大変だ。クールな家族や家庭崩壊が多い現代にあって、30を過ぎた家庭持ちの弟の面倒までみているという松雪。そもそも「芸能界で成功した姉を追って自らも芸能活動」というパターンはよくあるが、成功例はほんの一握り。そんな不甲斐ない弟たちを、自らの幸せより優先させる松雪はある意味すごい。と、同時に、またまた次長課長・河本準一の「生活保護問題」を思い出してしまった。兄弟が不遇で貧しかったら、自分だけ裕福に、幸せになってはいけないのだろうか? もちろん松雪本人が弟たちの面倒をみたいというなら、それは立派だが、そこまで面倒をみなくても、自分の幸せを優先させても誰も責めはしないと思う。しかも弟たちは働きざかりで、障害があるわけでもない。芸能界で食えないなら、別の職業を考えられる年齢でもある。甘やかしすぎると自立できない。不肖の弟を持ってしまった、家族愛溢れる松雪。現代の美空ひばりか。

 もう1つが、檀れいのケースだ。昨年ミッチーこと及川光博と電撃結婚した檀だが、王子さま&お姫様カップルに加えての別居婚。世間の多くが「長くは続かない」と揶揄したのは記憶に新しい。そんな世間の期待通り、結婚1年にして、2人に離婚話が浮上しているというのだ。その大きな原因も“お金”と“家族”だという。

 檀の家庭環境は複雑だった。これまでも散々メディアに書かれたから省略するが、複雑だったからこそ、檀は母親を守るべく頑張った。そして、及川と結婚。檀は早く子どもをと願い、さらに、現在一人暮らしをしている母親の老後も、一緒に考えて欲しかった。しかし――。及川にはそこまでの甲斐性がなかったらしい。

 結婚当初、及川はドラマ『相棒』(テレビ朝日系)で1話300万円というギャラがあった。立派な額である。しかし綻びの端緒は、その直後に起こった。及川の不倫疑惑が「自身」で報じられたのだ。この不倫疑惑は、夫婦間の問題以上の、ある一大事を引き起こした。『相棒』の“ボス”である愛妻家・水谷豊がこれに激怒し、及川のドラマ降板につながってしまったと目されているのだ。1話300万円のギャラはなくなった。仕事の減った及川の収入は、檀の半分以下に。これでは子どもどころではない。檀は仕事を増やす。さらに檀は、母親について及川に相談するも納得がいく返事はない。よって檀は、不甲斐ない夫ではなく、実家で母親と生活する決意をした――というのが、今回「セブン」に書かれている離婚騒動の概要だ。


 ここでも家族の扶養、夫の収入といった問題が大きく横たわる。松雪、檀双方とも、男より稼ぎと甲斐性があった。そのための危機。奇しくも「セブン」が放った「2大危機スクープ」だが、今回のケースは、決して芸能界特有の問題ではない。家族(扶養)と金銭の問題は、高齢化社会と不況が進めば、一層深刻な社会問題となるだろう。稼いでいる有名芸能人でさえ、これだけ色々問題が生じているのだから、世間の一般家庭は――。生活保護問題と同様、松雪と檀のケースは、ドロ沼の不況が続く日本全体の行く末、家族、社会の問題を暗示している。

 二股騒動で一躍脚光を浴びた料理研究家・園山真希絵が、突如「割烹園山」を閉店することを発表した。閉店時期は来年2月。遠い。だから芸能マスコミは、「経営悪化で駆け込み需要狙い」「またまた売名、お騒がせ」とバッシングに余念がない。園山はいくら叩いても芸能界的にはOKだし、ツッコミたくなるキャラでもある。でもって「週女」は、園山を直撃しているが、やっぱり変わっていなかった。

「昔から私、ホントに静かな人。なんか、いっぱい勘違いされていますけど」

 自分を「静かな人」という物言い、園山節は健在である。思えば、園山は短期間に多くの話題を提供してくれた。世間から多いに嫌われてもくれた。こうしたキャラは、メディア的に美味しい。そんな園山は、閉店によってメディアから消えていってしまうのか? それはもったいないと思う。“上昇”園山のことだから、来年2月の閉店の際、トンデモ発言をぶちかましてくれるかも。今はそれを、ちょっと期待している。

最終更新:2012/09/04 21:49
『川の流れのように/愛燦燦』
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