多岐川裕美の娘と仁科亜季子の息子が電撃離婚! 母同士の代理戦争勃発
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第136回(7/26~31発売号より)
昨日、新宿で行われた「木嶋佳苗」イベントに、北原みのり氏と漫画家の内田春菊氏ともに出演した。死刑判決から3カ月あまり経つが、カナエの存在はまだまだ強烈に人々に残っているのか。女が早熟ゆえ少女期から“女”として男たちから見られるとはどういうことか、東電OLと木嶋、90年代とは女にとってどんな時代だったのか、などなど、テーマは“女性”を中心に展開した。カナエの控訴審も控え、次なるカナエにも注目したい。
1位「スクープ!多岐川裕美VS仁科亜季子 娘と息子もう離婚!であ然の激突」(「女性セブン」8月9日号)
2位「五輪の主役たち独占秘話7 金色の涙! 澤穂希、北島康介、入江陵介、福見友子ほか」(「女性自身」8月14日号)
3位「英国キャサリン妃『マジでムカつく…』本人に言っちゃった!! カミラ夫人と嫁姑バトル」(「女性自身」8月14日号)
堂々の「セブン」スクープだった。2世タレント夫婦のわずか1年半でのスピード離婚劇! そう、多岐川裕美の娘と仁科亜季子の息子たちのことだ。
とはいえスクープはスクープなんだけれど、本人たちのことを世間はあまり知らない。ほとんど売れてないし、興味もない。しかし今回の離婚報道が大きな話題になるのは、もちろん親たちの存在ゆえだ。そんなものはガッテン承知の「セブン」は、離婚する当事者よりも親たちにスポットを当てた。当然である。タイトルからして当事者であるはずの子どもたちの名前はほんの小さく記載され、ドデカイのは親たちの名前。表紙にも親たちの写真がデカデカと掲載されている。子どもたちが少々気の毒になるくらいだ。
多岐川華子と仁科克基のバックボーンは華麗だ。特に克基は母親だけでなく父親は松方弘樹、祖父母には俳優の近衛十四郎、水川八重子、歌舞伎の岩井半四郎。すごい。でも本人がすごくなければ意味はない。いや、意味がないどころか、バカボンを生み出す危険性大である。
2人は多忙な母親、複雑な家庭環境で育った。しかも多いに甘やかされて。母親自身も、双方がバカ親。そんな環境下で育った2人が結婚したのだ。誰が見てもうまくいくはずはない。妻側の母・多岐川裕美もそう思い、結婚に反対したらしいが、バカ娘、息子のわがままには勝てなかったようだ。しかし、そんな2世同士の夫婦は、結婚早々大きな壁にぶちあたった。夫の克基はあまり仕事をせず、何十万円もするつり道具を収集している。一方、妻の華子は、それを裕美に告げ口。裕美から克基に激怒の電話が入ることもあったんだとか。バカ娘にしてバカ親。さらに家事が苦手で、料理は夫がしていたらしい。
そして今年7月に、華子は家を飛び出した。と、普通ならここで終わるはずだが、そうはいかない。2人のバックには強力な“母ちゃん”が存在するからだ。この事態に双方の母親がしゃしゃり出て、4人で離婚の話し合いをしたが、どうやら泥沼化してしまったらしい。「華子に男がいる、悪いのは男をつくった華子だから、慰謝料をもらいなさい!」という仁科亜季子。多岐川裕美も「女癖が悪いのは克基。慰謝料をもらうのはこっち!」とばかりに大激突となっているという。熟年女優の激突バトル――。怖い。なんとも見事な展開である。これを上手に料理して離婚スクープをした「セブン」の論調は、芸能記事としても、なかなかのものだ。
しかも双方の母親は芸能界に顔が広い。2人ががっぷり組んで大バトルを繰り広げたら、誰がどっちの味方をするのか、とっても興味深いものがある。なにしろ親の関係で結婚披露宴には300人以上の芸能人、著名人が集まったのだから――。芸能界真っ二つ! とはならないかもしれないが、芸能レポーターの皆さんには「どちらに味方する?」と、出席者全員のコメントを是非取って欲しいものだ。
芸能界バカ2世のトホホな騒動だが、しかし世界は広い。最近離婚したトム・クルーズの娘スリちゃんを思い出した。大金持ちのスターを両親に持ち、甘やかされ放題。6歳にしてブランドずくめで1億5,000万円以上の衣装を所有するというスリちゃん。いっぱしの有名人気取りのスリちゃんだが、あのふてぶてしい表情を見ていると、将来どうなるか大変楽しみだ。日本の2世タレントなど足元にも及ばない、とんでもないモンスターセレブに成長すること間違いなしだと思うから。
世の中、ロンドン五輪一色だ。テレビでも1日中、五輪、五輪、五輪。メダル、メダル、メダル報道ばかり。もちろん女性週刊誌も全誌五輪特集を組んでいて「自身」では注目選手の立派な感動エピソードを掲載した。五輪の季節にはいつもあるやつね。女子サッカーの澤穂希はメンバーに人生訓を伝え、パワーを注入する。水泳の北島康介は急死したライバルへ記録を誓う。その他交友のある芸能人からの激励手紙、女手ひとつで育ててくれた母、恋人の存在、幼少期の英才教育など“感動エピソード”が満載である。まあ、読者のニーズもあるんだろうな。
でも、五輪一色のマスコミ報道には大きな落とし穴がある。だって、開会式など五輪報道が大々的になった7月29日から30日には、日本国内でもっと大切なことが起こっていたのだから。そう、29日には、官邸周辺の脱原発大規模デモ、そして山口県知事選も行われたのだ。
日を追うにつれ参加者が増える反原発デモ。当初よりは、少しは報じる媒体も増えたが、それでもマスコミ全体から見れば、これをきちんと報じているとは思えない。報道するにしても警察とのトラブルなども、まるでデモ参会者に否があるような報道。あるタカ派新聞やコメンテーターは「デモ参会者は市民ではなく活動家」と事実無根の決め付けをする始末だ。私自身、代々木デモで警察の「デモ隊分断」作戦を目の前で見てあ然としたし、29日の官邸デモでは、友人の50代女性が警察にいちゃもんをつけられトラブル寸前に!
さらに山口県知事選は、「岩国基地へのオスプレイ搬入」そして「上関町の新たな原発建設の是非」など、現在日本の2大問題が問われる注目すべき選挙だったにも関わらず、マスコミはほぼスルー。落選はしたが、橋下大阪市長の元ブレーンで反原発・飯田哲也の善戦も、ほとんど報じられていない。その前には、セシウムより何倍も危険な「ストロンチウム90」が、東北地方だけではなく、東京、神奈川、埼玉など各地で検出された。そんな中、福島県楢葉町の警戒区域が解除される運びとなったのだが、これもどれだけの人に伝わっているのか。メディア報道は今、五輪に埋め尽くされているのだ。
国民をスポーツ漬けにして、都合の悪い問題から目を逸らさせている。そんなことまで考えてしまう。メディアと電通と政府による国民バカ化計画か!? 愛国教育!? 能天気に五輪報道に浮かれ、メダルに一喜一憂していると騙される!
皇室報道の「自身」がおもろい皇室ネタを取り上げている。とはいっても日本ではなくイギリスの王室だ。ウイリアム王子と結婚したキャサリン妃は国民的人気者。そして、婚約時代から姑のカミラとの確執が噂されていた。カミラ夫人は不倫略奪の女である。それも世界的人気者だったダイアナ妃を不幸のドン底に落とした張本人。「本当の姑はダイアナ妃」。キャサリン妃がそう思っても不思議ではない。そんなカミラ夫人だが、王族順位はキャサリン妃より上。そのため人気のキャサリン妃に対抗心を燃やし、「心のこもった挨拶をしない」と激怒した。対するキャサリンは「ムカつく!」と応酬――。嫁姑問題は世界共通、いや王室でも起こっていた!
しかし、翻って日本ではどうか。もし同じ事実があったとして、「自身」はこんなに楽しそうに報じられるのだろうか――。