サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「MORE」の結婚企画はネガキャン? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「MORE」6月号 「元カノvs妻」は男の理想論! 「MORE」の結婚企画はもはやネガキャン? 2012/05/04 17:00 女性誌速攻レビューMORE 「MORE」6月号(集英社) 「MORE」今月の表紙は宮崎あおいです。元夫・高岡蒼佑からの執拗なTwitter攻撃を受けている宮崎ですが、その純なイメージにお変わりはない様子。ただ、このところの宮崎さんの“ピュアがえり”というか、「ピュアでいなければ感」にはすさまじいものが。今号の表紙も、パッツン前髪に無造作眉毛、チークだけがぼわんと浮きあがっていました。ノーメイク感出し過ぎるとかえって老女化しちゃうわ……。 <トピックス> ◎貼込別冊 嵐~時代をまとう~ ◎SKJ(スーパーキラキラ女子)名鑑 VOL.1永田杏奈さん ◎「妻」vs「元カノ」真実のボーダーライン ■女性誌のステマ、ここにあり 嵐の特集に全精力を傾けてしまったのか、今月号はおとなしめの企画が多い印象です。そんな中で異彩を放っていた新連載「SKJ(スーパーキラキラ女子)名鑑」を見てみましょう。タイトルからして悪い予感しかしません! 「芸能人やモデルより身近だけど、みんなの憧れの的。そんな“輝いている女子”をピックアップ」するというこの企画。第1回のゲストは永田杏奈。あれ? 永田杏奈ってタレントじゃなかったっけ? と思ったら、現在は芸能事務所を退社していたのですね。「ヘアアクセブランドを自ら立ち上げ、デザイナーとして活躍」しているそうです。 正直、タレントとしての永田はまったく印象が残っていないのですが、そんな過去の呪縛を振りきらんとばかりに、ものすごくステレオタイプな努力をされているようです。起きぬけに美容ドリンク、じっくり入浴たっぷりマッサージ、週1~2回は出勤前のヨガなどの「朝美活」、「女のコだけでおしゃれなレストランに行ったり、ホームパーティーをしたり」する週イチ女子会、可愛いエプロンで料理もがんばり(もちろん塩麹in)、スカイプで英会話も勉強中。女の人が好きそうなものを片っ端から並べてる感が強すぎて、なんだか切ない気持になりました。 それにしても、タレント活動中はあまり女性受けしなかった方々が、子どもを産んだり、または実業に転換されたりすることで急に「ママの(女子の)カリスマ」みたいに持ち上げられるこの不思議現象は何なのでしょうか。裏を返せば、芸能人として大きな成功を収めていた人じゃないからこそ、「自分もこんな風になれるかも」と幸せな勘違いが出来るということ? 「成せば成る」と書かれた色紙とニッコリ微笑む永田さん、そして「どんな夢でも行動を起こせば絶対にかなう!」というキャッチ。「SKJ名鑑」にはこの雑誌を覆う罪な無責任さが如実に表れていました。第2回はどこぞのブランドのプレスか、はたまた話題のノマドさんか。 ■「妻昇格へのヒミツ」という言葉の気持ち悪さ 女性誌のステマを検証したところで、続きましてはみんな大好き「MORE」読みものページ。今月は「『妻』vs『元カノ』真実のボーダーライン」です。先月号の「真実のモテヘアアレンジ」と同じく、既婚男性たちのリアル証言から「男性が“妻”にしたいと思った女性は何が違ったのか。“元カノ”との差はどこにあったのか」を探る男心リサーチ企画。 25歳、27歳、29歳という3人の既婚男性が徹底比較しているのですが、ここでも“サバサバ女信仰”が。「元カノは、優しいぶん繊細で落ち込みやすかった。それに対して、サバサバして明るい妻は“仕事で疲れて帰った時、元気にしてくれるのはこの人だな”と感じさせてくれました」。しかしこんなご意見も。「留学先で出会ったサバサバ系女子」に「(自分のことを)話のオチに使われたり。男を立ててくれないことが、まだ若くて未熟な僕には許せませんでした」。ちなみにこの男性は「社交的で人見知りしない、スレンダー美人。派手な見た目とは裏腹に、男性を立てる一面」もある女性と結婚したそうです。それはよかったですこと。 男性たちの話を総合しますと「サバサバしていながらも」「傷つきやすい僕の気持ちを理解し、立ててくれて」「アクティブで前向きな」「かといって前にも出過ぎず」「しっかり後ろで支えてくれる精神的にたのもしい」女性と結婚したいのだと。「失敗したと思いたくない」という気持ちから妻を盛り目に語ってしまうという心理もありましょうが、元カノに対する「だからオマエは結婚してもらえなかったんだよ!」というアンチテーゼがハンパないです。 次ページの「○○なのはどっち? 妻・元カノ徹底仕分け」ではそれがさらに色濃く表れています。恋愛関係、性格、ビジュアル、生活能力などのジャンルから両者を比較していますが、「料理をよく振る舞ってくれたのは?」「知人・友人から顔をほめられることが多かったのは?」などの質問では「妻」と答える人が6~7割なのに対し、「時間にルーズだったのは?」「しっかりメイクだったのは?」という質問には真逆の答え。気持ちが悪かったのは「mixiやFacebookの友達が多かったのは?」「男友達が多かったのは?」という質問に6~7割の男性が「元カノ」と答えていたこと。交友関係の広い女は結婚に向かないということらしいです。 最終的に男性陣の器の小ささが浮き彫りになっていたこの企画。結婚したい女たちに対して「妻のオムライスは絶品。遠距離恋愛中に思い出して恋しくなった」というように、ひとつでも得意料理があると強力。とはいえ「腕前よりも気持ちが大切」。自信がなくても、相手のためにがんばる姿勢を見せて!」とか、本気で言っているのでしょうか「MORE」。ここまでくるともはや結婚に対するネガキャンとしか思えません。こうして現実の男性にゲンナリし、ますます嵐に理想を重ねてしまう。MORE娘たちの悪循環はこれからも続きそうです。 (西澤千央) 「MORE」 今一番、男性陣に聞きたいのは宮崎あおいの不倫について! 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「婚活できたらマジョリティでいられた」歪んだ自己顕示欲を持つ「MORE」娘 ・料理・掃除・貯蓄の「妻としての即戦力」が必要? 「MORE」の結婚特集が怖い ・「振り返るのは、バックミラーを見るときだけ」木村拓哉のインタビューに悶絶 最終更新:2012/05/04 17:04 次の記事 セレブの間では昭和の子育て法が人気? >