サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「ダンナのため」はウソだった! 美魔女の恐ろしき”計算”が「美ST」で露に カルチャー [女性誌速攻レビュー]「美ST」3月号 「ダンナのため」はウソだった! 美魔女の恐ろしき”計算”が「美ST」で露に 2012/01/23 16:00 女性誌速攻レビュー美ST 「美ST」2012年3月号(光文社) 「美ST」3月号は、いきなり巻頭の企画にびっくりです。「だから、ダンナに”年に一度の”感謝状。」と題して、4人の美魔女がダンナ同伴で登場。ふだん家事育児を手伝ってくれたり、記念日にマメにカードを贈ってくれたりするという夫へ感謝の言葉をつづっています。モデルの前田ゆかがいきなり「着物デートが、ずっと私の夢だったばい」と方言萌えをカマせば、おっぱい美魔女は「門限は0時って決められて、それを過ぎると反省文を書かされて……」と恨み節をブレンド、主婦は「(ダンナの話を)今は聞いてるふりして聞いてないときもあるの」とサラッと告白。感謝状と言いながら、毒気あるコメントでワケがわかりません。その上、どう見ても”引っぱり出された”感のあるダンナとのわざとらしい幸せショットを見せられて、読者はいったいなにを楽しめばいいのかと(楽しみましたけど!)。だいたいタイトルからして謎です。なぜ「年に一度の」感謝状なの? もっと頻繁に感謝してあげたらええやん。読者のポカン顔はそっちのけで、久々に突っ走ってる感のある「美ST」、さっそく中身を見てみましょう。 <トピック> ◎だから、ダンナに”年に一度の”感謝状 ◎特集「もう、美容医療はスキンケア!」 ◎「レジェンド美魔女」頂上決戦! ■ウルサーマ42万円は誰のため? ……中のページに行く前に、しつこいようですが前述の「だから、ダンナに”年に一度の”感謝状。」を見返します。タイトル下にこんな文章がありました。「あなたがキレイになるのを、いちばん喜んでくれるのは誰ですか? ひょっとして、あんまり近くにいすぎて、その大切さに気づかないときもあるかもしれません。でもやっぱり、いちばん応援してくれるのは、ほかでもない家族、もっと言うなら素敵なダンナさんじゃないでしょうか」。ここで筆者は再確認しました。美魔女がなぜ美を追求するのか。それは、決してダンナのためではないのだと。「ダンナ様のためにいつまでもきれいでいたい」という常套句がありますが(実際この企画で前田ゆかも言っていますが)、誰もそんなこと思っちゃいないのだと。ダンナの大切さなんか気づきもしない。年に一度、カタチだけ感謝しとけばいい。それが本音なのであります。 これを前提に、特集「もう、美容医療はスキンケア!」を見ます。タイトル横に次のように書かれていました。 「ちょっと前まではプチ整形って呼ばれていました。夫や男友達は『そんなことする必要ないよ』って今でも言うかもしれません。それでもやっぱり気になるし、試してみたい気持ちは抑えられません」 そうなのです! たとえダンナが「そんな必要ないよ」とやさしい言葉をかけてくれたとしても、そんなこたぁ関係ない。「アナタのためにもっときれいでいたいの」とかなんとか甘い声を出し、一生懸命寄せて上げた胸の中で「黙ってカネ出さんかい、ゴルァ」と牙をむいているわけです。プチ整形って最低でも数万円、上は数十万円のものもありますよ。そのカネを、美魔女は自己顕示欲のためだけに使うのです。これが美魔女の正体なのです。たいへんだ、この人たちは、本当の魔女だ!! 読者100人のアンケートによると、なんと7割以上が美容医療経験者とのことでした。「どこまでなら友人に話せる?」という質問には、52人が「何でも話せる」となり、「話せない」は4人に止まっていました。「美ST」読者に限っていえば、美容医療はすでに身近な存在であり、友人との情報交換も活発に行われているようです。ってことはこの特集を組む意味はなんだろうと一瞬思っちゃったのですが、初心者には聞き慣れない用語や費用などがやさしく丁寧に解説してあり、美容と縁のない筆者は興味深く読みました。おもしろかったです。ただ……たるみレーザーやボトックス、ヒアルロン酸などを読者らが体験してBefore・Afterの写真を公開してくれているのですが、ぶっちゃけ効果がよく分からなかったのが残念。ま、実際そんなもんなんですね。”プチ”整形はやはり自己満足の世界なのかもしれません。個人的には、体験者のひとりである大西結花のプロフィールが、「’68年生まれ。風間三姉妹の長女としてブレイク」となっていたことがツボでした。この無駄のない一文で大西結花のすべてが蘇る、ああ同世代。 ■容赦なし! 美魔女の下剋上 今号は魔女の見どころある企画がたくさん。「『レジェンド美魔女』頂上決戦!」では、「18歳に見える43歳」としてネットでも話題の水谷雅子&2代目美魔女グランプリの山田佳子が、アンチエイジングのカリスマ君島十和子に戦いを挑むという仕掛け。十和子さんのバーキンダブル持ち、肩だけゴスロリ風のドレス(ティッシュカバーにも見える)にもおどろきですが、山田さんの名言率の高さにも感心しました。 「年齢不詳の30代、40代の女性なら誰でも自分は美魔女だと思っているのでは?」 「年相応って言葉がこれからは死語になるんじゃないかしら」 「素直さが、十和子さんの直球型の美しさの秘密」 「バブル世代を経験してきた私たちは日本の絶頂期を知っている、こんな世の中だからこそ美魔女バブルパワーで盛り上げないと」 と、すっかり女王・十和子さんを食い殺していました。佳子さん、今後大化けしそうな予感がします。今号は、ほかに40代の貝殻ヌードを「やんわりお断りに」なったという武田久美子43歳の迫力あるヒップとそばかす顔のグラビアや、寝ぼけまなこがキメ顔と勘違いしている松雪泰子、三浦りさ子の「どや、どや、どや」という表情が堪能できる付録「40代メークの新常識レッスン 神技スペシャルDVD」など見どころたっぷり。この1、2号はイマイチな印象だった「美ST」でしたが、みごと盛り返したように感じます。「美ST」はフツウの美容誌じゃダメなんです。美魔女の腹黒さが渦を巻いてないと。次号も期待したいと思います! (亀井百合子) 「美ST」 「もう十和子をヅカに入れてあげて!」という服でした。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・しょうもない実験のために海外9カ所を飛び回る! バブリー企画で攻める「美ST」 ・「美魔女」ビジネスの絶頂で、誌面の衰えを感じる「美ST」1月号 ・川島なお美(50歳)が「美ST」でおしり丸出しのセミヌードを公開 最終更新:2012/01/23 16:00 次の記事 オレは番組に不適切? あの人気番組から.. >