サイゾーウーマンカルチャー大人のぺいじアラフィフ女が陥った、セックスという名の悦びと底なし沼地獄 カルチャー [連載]ドルショック竹下の「ヤリきれない話」 アラフィフ女が陥った、セックスという名の悦びと底なし沼地獄 2011/07/17 17:00 ヤリきれない話 (C) ドルショック竹下 彼女との出会いは一枚のアンケートハガキ。私が執筆していた某官能レディースコミック誌に、編集者も驚く性豪エピソードをしたためてきたのが彼女、ツヤコさん(仮名・当時49歳)だった。編集者とともに彼女の地元まで取材に赴くと、待ち合わせ場所に立っていたのはとてもアラフィフとは思えない、若々しい容姿の女性。小柄でほどよい肉付きの体型に、ショートヘアとパンツスタイルがよく似合っている。肌のハリもツヤも30代と言って通用するみずみずしさ。そして何よりも、そのエネルギッシュな生活に私たちは圧倒されたのだった。 事業が上手くいかず働かなくなった夫に愛想を尽かし、四半世紀に及ぶ結婚生活にピリオドを打ったのがツヤコさん47歳の時。長らく専業主婦だった彼女は、大学生の子ども二人を抱え世間の荒波に投げ出された。 だが偶々参加した同窓会で、初恋の相手に再会してから運命は変わる。妻子持ちの彼とあれよあれよと恋に落ち、身体の関係にまで進んだ時、彼女は人生で初めてセックスの悦びを知ったという――。 それからというもの三日と空けずホテルで車で、はたまたバスの待合所から畑の真ん中……とあらゆる所で彼の肉体を貪るようになった。さらに初恋の彼だけでは飽き足らず出会い系に手を染め、早朝・日中・夜と三つのパートを掛け持ちしながら合間に出会った相手とセックスをしたり、時には深夜バスで地方遠征に出かけるほど気合いの入ったセクサーへと変貌を遂げたのである。 そんな性豪・ツヤコさんに新たな狩り場を提供すべく、私と編集者は彼女を新宿のハプニングバーへ案内することにした。まるで荒ぶる野獣を街へ放つかのような、トラブルメーキングなワクワク感からニヤケ笑いが止まらない。一方彼女は人生初の夜の新宿に、少々緊張している様子。選んだ店は、当時の新宿でもポピュラーかつカジュアルだったハプバー。そう、前回書いた伝説のM男と出会ったのもこの店である。 IDチェックを済ませ、丸テーブルの席についてドリンクを頼むと、飲み会帰りとおぼしき30代サラリーマンの二人組が話しかけてきた。よれたスーツに、センター分けの髪。特徴らしい特徴はといえばたるんだ脇腹くらいの彼らに、私は微塵の興味も覚えなかった。15分ほど編集者との雑談に花を咲かせ、ふと視線を上げると、異変が起こっていた。リーマン二人組のうち恰幅のいい方に、ツヤコさん(自称ポチャ専)が寄り添っている。早くも今宵の餌をロックオンしたようである。彼女の年齢を言い当てようとしているのか、男の「さんじゅう……に、くらい?」という浮かれ声がむなしく響く。 と、ここで奥のプレイルームから艶かしい喘ぎ声が聞こえてきた。どこぞのカップルが激しいプレイをしているという。プレイルームを覗けるマジックミラーがあるとのことで見に行ってみると、ガラスを隔てた向こう側で、カップルが交わっている。だが女の方がガウンを身に着けており、肝心なところが見えない。ハプバーとは個人個人が愉しむところなので別に構わないのだが、こういう中途半端な輩には少なからずガッカリさせられる。ヤルなら隠すな、隠すならヤルな。舌打ちしながらマジックミラーの間を出ると……いない。一緒にカップルのプレイを見ていたはずのツヤコさんがいないのだ。彼女とイチャついていたリーマンの片方も、姿が見えない。いつの間にかふたりは、他のプレイルームへとしけこんでいたのだ。 「やられた……!」 性豪による狩りの決定的瞬間を見逃した私と編集者は、意気消沈してコーラをすすっていた。「ナショナルジオグラフィック」の撮影クルーたちは、いつもこんな思いをしているのだろうか。どす黒いオーラを放つあまり、そこそこ若いはずの私たちに声をかけてくる男性はもはや一人もいなかった。 小一時間して、肌のハリ感が20%ほどアップしたツヤコさんが帰ってきた。この短時間に、なんと3回戦までいったと声を弾ませる。一方、餌食となったリーマンはやつれ切って顔は土気色。一気に10歳ほど老けてしまったように見えた。「精気を吸い取られた」とはまさにこのような状態を指すのだろう。彼女がどんな妙技を繰り出したのかは分からないが、30代を3回も勃たせるとはかなりの手練。また、最後まで彼女を32歳だと信じて疑わないリーマンの姿に、生殺与奪、弱き者はことごとく奪われる……そんな自然の掟を痛感せざるを得なかった。 ――数カ月後、私のPCにツヤコさんからメールが届いた。女性の料金が無料~1,000円と格安なのが気に入ったのだろう、彼女はあれから地元のハプバーに通い始め、すっかり常連なのだそう。 「こないだは8人の男のお客さんと次々ヤッちゃって、なんと9P初体験ですぅ~☆(^^)v」 9人とヤッたら10P初体験。10人とヤッたら11P初体験……そうか、五十路になっても初体験は無限にあるのだ。人の欲望の底のなさに、私は泣きたいような安堵したような気持ちになり、そっとメールのウインドウを閉じた。 今も彼女は、どこかのハプバーで捕食を続けているのだろうか。 ドルショック竹下(どるしょっく・たけした) 体験漫画家。『エロス番外地』(「漫画実話ナックルズ」/ミリオン出版)、『おとなり裁判ショー!!』(「ご近所スキャンダル」/竹書房)好評連載中。近著に「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)。 『女性の品格』 己の性欲と向き合うのも品格ッス。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・夢の第3夫人に!? アラブ富豪とのケモノ的な一戦! ・女に生まれたからには、一度は味わいたい……童貞食いの思わぬ末路 ・グッバイ、私のプライバシー……フェティッシュイベントで露わになった●● 最終更新:2011/07/17 17:00 次の記事 今年の夏の強い味方! 「クイッククール」を3人にプレゼント >