サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「自我」よりも「彼好み」を優先する「CLASSY.」読者、その心に潜む闇とは? カルチャー [女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」8月号 「自我」よりも「彼好み」を優先する「CLASSY.」読者、その心に潜む闇とは? 2011/07/02 17:00 女性誌速攻レビューCLASSY. 「CLASSY.」8月号(光文社) 先月号のレビューでご案内した通り、今月号の「CLASSY.」は「夏よ、恋(はあと)」特集です。そして、メインの企画は「男女6人夏物語」。はいはいっと。レビューでその辺りを触れるとこちらが大けがしそうなので、無視して「CLASSY.」読者が結婚相手として狙う男に注目してみましょう。毎号どこを読んでも「結婚したい」という怨念が聞こえてくる「CLASSY.」。奇しくも今月号は「夏よ、恋」企画だけに、いつもよりも多くの男性(もしくは理想の男性像)が登場しているので、さっそく調査したいと思います。 <トピック> ◎こんなコなら本命彼女として真剣に考えます! ◎思わず彼女にしたくなるはず! 彼好みに染まるワードローブ研究 ◎厳選 彼氏ができるワンピース ■基本、男の方がOL要素持ってるからね~ 今月号では独身男性が理想の女について語る座談会が2本あります。まず1本目は「こんなコなら本命彼女として真剣に考えます!」という上から目線のテーマ。集まった面々は、IT関連、コンサルティング会社、保険会社、総合商社にお勤めの4人。肝心のトーク内容は下記の通りです。 「オシャレかどうかより、清楚かどうかのほうが断然大事かな」 「女のコも、20代後半くらいになってくると、中身が外見にでるから、服装を見ただけで、大体どんなコか予想はつくからね」 「小物に白を利かせてるのが好み。夏らしいカゴバッグとかもいいね」 「前髪が長めでサイドに流した、ハーフアップが可愛いですよね」 そして2本目は「『はつらつ美人』と『はかなげ美人』のつくり方」というメーク企画で、どちらがいいのかを話してます。参加者はまたしても保険会社、広告代理店、金融関係、マスコミ関係、医師2人。そしてこちらも実のある話をしてますよっ! 「はつらつ美人のコって情報が全部顔に出ている感じがして、お腹いっぱい」 「追いかけたくなる女のコは、はかなげ美人だよね!」 「はかなげ美人の女のコと一緒にいると疲れちゃいそう」 いや~、「CLASSY.」読者が付き合いたい男性って、完全に「中身OL」じゃないですか。これは同属ゆえに分かり合える関係になるのか、はたまた同属嫌悪か。たまには”Channel2″あたりで、「オナホ、気持ち良すぎwワロタwwwwww」みたいな所に貼りついている人も、結婚相手として見てみてはいかがでしょうか。OL男子にうんざりするぐらい言われてた「カゴバッグを持てよ」「髪の毛、巻いた方がよくない?」なんてことは一言も触れずに、「オシャレゴリラ」「安価」「全力」などの意味を丁寧に教えてくれますよ。こういう人と付き合えば、女性誌がいうところの「新しい自分」に出会えるかも☆ ■「結婚に悩む自分」が愛しいんでしょ? 広告代理店勤務や医師など、好みの男性をサブリミナル効果で読者に刷り込ませたうえで、アプローチ法もしっかり伝授するのが「CLASSY.」。でも「アプローチ」というより、「媚び」と言った方が正確かも。というのもその企画が「思わず彼女にしたくなるはず! 彼好みに染まるワードローブ研究」、そして「彼に褒められるマッサージメソッド」。いや、上野千鶴子先生のツバやら、田嶋陽子先生のシャンソンやら、いろんな被害を受けそうなタイトルです。 「彼のために頑張る」と、一生懸命さをアピールする「CLASSY.」読者ですが、それはすなわち「彼と結婚したい自分のために頑張る」ということ。一瞬頭をよぎる、「これは男性に対する媚び?」という疑問も、「自分のため」と置き換えれば、「本当の自分」とか「自我」とか難しいことを見なくて済むのです。今の時代、結婚するにはいろんな自意識を乗り越えなければなりません。これ以上、真面目に結婚について考えると身動きが取れなくなるので、「CLASSY.」読者の置き換えは簡単に責めることはできないのです。 ■そんなにワンピースを着る機会ってないぞ? 今月もきました、「CLASSY.」のワンピース布教。「結婚できる服」特集の際もワンピースを取り上げ、前述の男性座談会でも「ワンピースがいいな」という発言が出るなど、推しに推されまくってます。さらに今月は「厳選 彼氏ができるワンピース」という企画まで。『もしドラ』という映画がコケてるのに、センター張ってるあの子ばりに推されてます。キャー!! しかしその肝心のワンピース企画、色ごとにアイテムが紹介されているのですが、黒のページなんて目も当てられない。胸元と裾が花柄のレースになっているワンピースなんて、99%の確率で喪服にしか見えません! これで「彼氏ができる」って言われても、ねぇ……? 今月もひたすら「結婚」「彼氏」「男ウケ」という要素で埋め尽くされている「CLASSY.」。一言言わせていただければ、女ってただ男のこと考えてれば平和ってわけじゃないの。同性の目もあるの。今月号の着まわしコーデで、「やば~い! 女子会に2時間も遅刻! 子持ちのコがいるからって5時半スタートは早すぎでしょっ!」っていう設定があります。でもその2時間では「子持ちのコ」に、「あいつ男の前だと遅刻しないのに、女だけだからって気ぃ抜き過ぎ! ああやって男の前だけ態度違うから結婚できねぇんだよ!」って言われてると思いますので、気を付けてね♪ (小島かほり) 「CLASSY.」 田嶋先生のシャンソン、マジですげえよ? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「CLASSY.」の「結婚できる服」特集、最初の1ページで本を閉じたくなるワケ ・「CLASSY.」の「痩せて見える服」特集で待っていた、後出しジャンケンとは? ・「好きな犬種は? かき氷は?」、この質問で「CanCam」は男の何を知りたい? 最終更新:2011/07/02 17:00 次の記事 登場人物と設定のどこにも共感ポイントがない、奇跡の『禁断』シリーズ >