[女性誌速攻レビュー] 「CanCam」7月号

「Can流」=非モテファッション! イケメンがスカートやミルキー配色を全否定

2011/05/25 16:00
cancam201107.jpg
「CanCam」(小学館)2011年7月号

 山田優が持っていた、「CanCam」カバーガール最年少記録16歳8カ月を抜き、16歳6カ月で表紙を飾った土屋巴瑞季が2度目の表紙登場です。2010年10月号の時と比べて、ぐっと大人っぽくなった巴瑞季。「巴瑞季の秘密」という特集が5ページも組まれており、「CanCam」の若きエースとして編集部の期待がうかがえます。いまいちパッとしないモデル陣になっている現状の「CanCam」、そろそろ第二のエビちゃん誕生に遭遇したいものです。それでは今月の特集を見ていきましょう。

<トピック>
◎あの人のリアル生活、実況中継
◎色アリ? 色ナシ? みんなの通勤「何色、着てます!?」大調査!
◎特別付録 イケメンだらけ81人!「男というものは」BOOK

■生々しいリアルは見たくないよ!

 今月の大特集は「あの人のリアル生活、実況中継」です。読者の投稿写真のコラージュで始まるこの特集、最近買ったものから通勤服、デート服、雨の日スタイルなどなど、モデルから読者まで、なんと総勢288人も登場します。そんな大人数がお気に入りのアイテムやスタイルを紹介する中、のっけから生活感たっぷりのモノを紹介した人がいます。それは誰かと言いますと……「CanCamモデルズ屈指のおしゃれ番長」舞川あいくです。

 「この春、CanCamモデルズがプライベートで買ったものの中から、お気に入りのアイテムを厳選してお届け!」で、他のモデルやスタイリスト、ヘアメイクが洋服やファッション小物、メイク小物を紹介している中、あいくが選んだモノは「ランドリースタンド」。オシャレインテリアショップ「BALS TOKYO」で購入したこのアイテム、確かに機能美に優れています。でも、読者が見たいあいくの厳選アイテムは「室内洗濯物干しスタンド」じゃないよ! ご丁寧にタオルや洋服を干している状態の写真も掲載されていて、これがまた、生々しい生活感が漂い、居たたまれない気分に。モデル全員が夢のような生活をしているとは思っていませんが、もう少し夢を与えるアイテムを紹介してもらいたいものです。

■ルールあっての女子会


 「CanCam」が女子会の黒い部分に手を出しました。その名も「『女子会』が『微妙…』に変わるとき」です。「楽しいはずの『女子会』。しかし! その陰にはドス黒い女の情念がうずまいていた…!?」ですって。「CanCam」読者のブラックな部分が見られるチャンス!と思って読んでみると、「彼氏を連れてくる人がいる」「会費がかさみすぎて、女子会ビンボーに…」「女子会を始めてから10kg以上デブに!!」なんてほほ笑ましいものばかり。それもそのはず、「CanCam」読者100人アンケートによると、女子会を不要と思っている割合はたったの3割。半数以上の読者は支持し、開催頻度は平均で月2、多い人は週3ペースだそう。週3って2日に1回ですよ。そりゃデブになったり、貧乏にもなるのは当たり前です。

 結局、「CanCam」読者の女子会は、”ドス黒い”ではなく、なんやかんやで”ピンク色”なんですね~と思っていると、みなさん、ハッピーな女子会にするためにきちんと努力していらっしゃいました。その名も「私のHAPPY『女子会』ルール」。一例をご紹介すると、

「友達の性格を把握して、『このコは人見知りするから』とか『このコは大人数が好き』とか、個性に合わせてセッティング」
「お店選びは重要、価格帯やみんなが帰りやすい場所など、メールで相談して絶対に不満に思う人がいないよう気をつけます」

 もう、合コンをセッティングする男子のよう! ご苦労さまです。だからその反動で、男とデートするときに、「アレしてほしい~」「これ食べたい~」「あそこ行きたい~」ってわがまま言っちゃうんでしょうか。

■男はみんな「Can流」が嫌い?


 特別付録「イケメンだらけ81人!『男というものは』BOOK」も要チェックです。「男の真実に迫る」らしいこの付録は、本誌の「隣のカップル事情」「何着てデートに行っている!?」と併せて読むとより楽しめます。

 これ、本誌と読み比べると、男女の考え方の違いがよーく分かるんです。中でも、如実に男女の価値観の差が出ていたのがファッション。付録では「男のコが本当に好きな女のコの服大研究」と題して、イケメン64人に徹底調査をし、代表して4人のイケメンが、女の子に着てほしい服を全身コーディネート。その対談で彼らが語っていた言葉が印象的でした。

「女のコのトレンドものってそこまで男には響いてないんだよね」
「男の多くはベーシックが好きな生き物」
「流行やブランドって気になるから、すぐ取り入れてしまいたくなるもの。でもそれって同性からチェック入ったりほめられたりはするけど、異性視点になると大人っぽいシンプルなものが人気だという(笑)」

 「花柄ワンピース」→「好きじゃない」、「カラーニット」→「色が派手」、「ミルキー配色」→「甘すぎます」、「ビッグニット×ミニ」→「だらしなくない?」と、今まで「Can流」と提案してきたスタイルを全否定!! で、どんなスタイルが好きかというと、「白シャツ×ロールアップデニム×ななめがけ」。3人がそれぞれスタイリングをしたのですが、パンツ、パンツ、キュロットと、スカート派は1人もいません。アクセサリーも最小限で、色もシンプルというか地味めがお好みのようです。男にモテたきゃ「CanCam」を読むなってことでしょうか?

 ほかにも、今月の「CanCam」はカラー特集もしていて、読者100人アンケートの調査結果を発表したり、カラーコーディネートの法則を紹介したりと頑張っていましたが、この付録のおかげで一気に不要な特集になってしまいました。本気で男からモテたければ、「CanCam」を作るよりも、この手の付録を作り続けた方が、真の「モテ」に近づけるのではないでしょうか。そして、次号のテーマは「上品」と「爽やか」。今回の特別付録で学んだ男性ウケのいい「モテ」服の紹介を期待して、来月を待ちましょう。
(エメラルド真希)

『CanCam (キャンキャン) 2011年 07月号』

明日から何着たらいいのよ?

amazon_associate_logo.jpg

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
編集部ごり押しでもまったく浸透しない、「Can流」という言葉の意味を考える
西山茉希が去った後、「CanCam」がカリスマに仕立てたいのはこの人!
異変! 腰かけOLのバイブル「CanCam」が”働くこと”を勧めているぞ

最終更新:2011/05/25 16:00