サイゾーウーマンカルチャー大人のぺいじイッちゃってる習慣さえ許してしまう……巨根過ぎる男とのビターメモリーズ カルチャー [連載] ドルショック竹下の「ヤリきれない話」 イッちゃってる習慣さえ許してしまう……巨根過ぎる男とのビターメモリーズ 2011/01/17 21:00 ヤリきれない話 (C) ドルショック竹下 女は弱いのではなく、強くしぶといからこそ世間において不利な役回りを甘受しているのではないか……年を追うごとにそのような思いが募りますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。 **** 英雄色を好む、という言葉があるように、上昇志向の強い男ほど性豪であるとか、セックスへの執着が強いと言われる。東大院生だった4歳上の彼もご多聞に漏れず、絶倫だった。彼のことは仮に「駒場君」と呼ぶことにしよう。 まだSNSやブログなんてものがない頃。大学の友人が作った個人サイトの掲示板に、駒場君はよく書き込みをしていた。聞けば彼は友人の高校時代の先輩で、東大の院に通うエリートとか。ウィットに富んだ文章に興味を持った私は、友人に内緒でガンガンアプローチをかけ、交際するまでに至った。 記念すべき初セックスの際、衝撃の事実が発覚する。駒場君はありえない巨根の持ち主だったのだ。平常時ですでに「勃起してるのか?」というくらいのサイズ。MAX時になれば、長さにして20cm以上はあろうかというセクシー・トマホーク。180cm超の長身の彼からするとちょうどいいバランスなのかもしれないが、はじめのうちは挿入するのも軽く困難を伴うシロモノである。だが、女のアソコなど所詮は産む器械。赤ん坊が出てくるくらいなのだから、慣れればトマホークだろうがスカットミサイルだろうがすんなり入るようになるのである(私が特別ガバガバってのは無しね!)。さしたる時間も要さず巨根、加えて一晩3~4回戦は当たり前の絶倫に馴染んだ私は、この「高学歴・高身長・高チン長」の3高を兼ね備えた駒場君に、のめり込んでいくこととなる。 交際して1カ月ほど経ったある夜。いつものように激しいメイク・ラヴを終えてマッタリしていると、ベッド脇に立った彼が「こんなの見つけたんだ」と話しかけてきた。手には黒いリボルバー型のモデルガンが携えられている。 「へえ、本物みたいだね」 と、一応の興味を示す私。しかし、どこで入手したのかも言わないうちに、彼は突然そのモデルガンの銃口をこちらに向けてきたのだ。 「え? え? 弾、入ってないでしょ? 撃たないでよ」 偽物のBB弾でも至近距離で、しかも裸のところを撃たれたら結構なダメージだ。冗談だとは思うが、念のため注意する私。だが彼は相変わらず真剣な面持ちで銃を構えたままである。 「ちょ、マジで。危ないよ。やめてよ」 本気で嫌がる私に、さらに銃口を近付ける彼。引き金が引かれ、弾倉がゆっくりと回転するのが見えた。 パァン! けたたましい銃声。部屋に立ち込める硝煙の臭い。火薬のみで、弾は入っていなかったようだ。それでも私は、今までにない緊張感と恐怖にさらされ、半泣きである。駒場君はといえば、どこかスッキリしたような表情で銃をデスクの引き出しに仕舞い、普段の彼に戻っていた。 その夜から、セックスをするたびにモデルガンを発砲されるようになった。殺し屋のような形相で銃を構える彼。半泣きでおびえる私。あまりの怖がりように優越感が湧くのか、狂ったように笑いながら撃たれたこともある。普通の神経ならそんな男、即別れて当然だろうが、そんな奇行もついつい許容してしまうほど、巨根とは強烈な快楽をもたらすものだった。夜毎何度も繰り返される、性器が破壊されるかのような律動。子宮口でイク中派の私にとって、これ以上の心地よい刺激は他になかった。幾多の女性がDVや借金、浮気など問題を抱えた男と別れられないのも、およそこういうことだろう。イッてしまえば大概のことを忘れられる――この頑丈設計が、女の不幸の始まりなのだ。 しかし、そんなちょっぴり不幸な駒場君との恋愛も、交際開始より4カ月目にしてあっけなく幕切れとなった。何の前触れもなく、突然「ごめん、もう会えない」というメールが来て音信不通となったのである。最初のうちこそ何度もメール、電話攻撃を仕掛けたり、マンションの部屋まで行ってみたりと接触を試みたが、ついに会えずじまいで諦めざるを得なくなった。 やがて新しい男が出来、すっかり彼のことなどどうでもよくなってしまったが、それでもいまだに何故あんなに銃を撃ってきたのか、その理由を考えることがある。ひとつだけ思い当たるのは、ある時彼に「俺って、有名人で言うと誰に似てると思う?」と質問され、 「こけし……いや、佐野史郎」 と真面目な顔で答えたこと。プライドの高い「3高」にとっては、付き合っている彼女からのこの一言が、何よりも耐えがたかったのではないだろうか。褒め言葉のつもりだったが、我ながらデリカシーに欠ける返答だったかもと、少し、後悔している。 ドルショック竹下(どるしょっく・たけした) 体験漫画家。『エロス番外地』(「漫画実話ナックルズ」/ミリオン出版)、『おとなり裁判ショー!!』(「ご近所スキャンダル」/竹書房)好評連載中。近著に「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)。 「Sweet Memories ’93」 “極小”だとスウィートメモリーズになります 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・女に生まれたからには、一度は味わいたい……童貞食いの思わぬ末路 ・『WALL-E』を横目に●●する、という不道徳に燃えたのは一瞬だけだった…… ・“心のコスプレ”を害され、高級ホテルでセックスマシーンと化した夜 最終更新:2011/01/17 21:45 次の記事 「裏切り者への最後の言葉」赤西仁が発したメッセージに戸惑うファン >