『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』著者インタビュー(前編)

「セックス」と「プレイ」は別物! 産婦人科医が行き過ぎたセックス特集に警告

2010/06/12 17:00
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『女医が教える本当に気持ちのいいセッ
クス』(ブックマン社)

 セックスでイケない女性はいない。イケないとすれば、男性の愛撫が間違っているせい……『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)を開くと、こんなドキッとするフレーズが目に飛び込んでくる。著者は、産婦人科医であり、性科学会の会員でもある宋美玄(ソン・ミヒョン)先生。日々、女性の身体やセックスの悩みと向き合い、世界の専門家たちと医療や文化など、さまざまな角度からセックスを科学する、まさにセックスのスペシャリストだ。

ソン・ミヒョン先生(以下、ミ):”イク”って、実は肉体の”反射”なんですよ。極端な言い方をすれば「鼻の穴にこよりを差し込んでくすぐると、くしゃみが出る」のと同じ。正しい刺激を与えれば、誰だってイケます。とはいえ、女性のセックスは基本的に受け身だから、男性が思い通りに動いてくれなければ、もうオーガズムは望めなくなりますね。

――そもそもオーガズムって、セックスに必要なんでしょうか?

 オーガズムがあるセックスをしている女性と、ないセックスをしている女性とでは、前者の方がパートナーと良好な関係を持続できているという調査結果があります。また、オーガズムがないセックスばかり繰り返していると、骨盤痛という病気につながることもあるんです。最近の性科学会では、身体ではなく、気持ちの満足感=サティスファクションを重視しようとする動きもありますが、オーガズムは女性の心身の健康に不可欠のもの。恥ずかしがることなく、追究してほしいですね。

――でも男性の愛撫がまったく的外れでも、なかなか言えない女性って少なくないのでは?

 大半の女性はそうでしょうね。「そこ、気持ちよくない」と言えないカノジョと、そのカノジョの気持ちなどお構いなく、張り切って間違った愛撫を続けるするカレシ……。こんな現象を作り出している原因に、男性目線で作られたセックス指南本や、AVがあります。女性の身体の構造や快感の仕組みをまったく理解していないから、間違ったテクニックのオンパレード! 有名な”ア●ムタッチ”は「背中は中指1本で秒速3cmで愛撫する」なんて、女性からすれば笑っちゃいますよね。AVでも女性が男性に馬乗りになって、スクワットするように腰を上下させる騎乗位をよく見ますが、あれ、疲れるだけでしょ。快感なんてないし、次の日絶対、筋肉痛になりますって! あんなものを鵜呑みにしている男性が、女性をイカせられるわけありませんよ。


――女性の本音は、女性に聞くのが一番! 最近ではセックス特集を組む女性誌も多いですよね。

 う~ん、でも中には行き過ぎた内容のものも……。アブノーマルなプレイを積極的に楽しむのが、奔放でステキな女性というふうに描かれていますが、それって何かズレてる。野外セックスなんて、ヘタすれば犯罪。人に見られるスリルで興奮するよりも、”捕まっちゃうかも”っていう不安のほうが大きいと、女性の身体は絶対に感じません。アナルセックスや緊縛のような過激なプレイも、専門知識がないまま行うとケガや事故につながることを忘れないでほしい!

――”セックス”と”プレイ”が、ごっちゃになっていますね。

 基本的なセックスで満足できていないのに、プレイなんてもってのほか! 信頼できるパートナーと愛し合うからこそ心身の快感が得られる、という基本中の基本が抜け落ちていますね。
(後編へつづく)


『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』

“イク”って反射なんだ!

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最終更新:2010/06/14 11:50