サイゾーウーマンコラム【五月女ケイコ】三國連太郎映画レビュー コラム 五月女ケイ子の映画批評「イケメンの鼻の穴」 【3穴目】 三國連太郎がついにあの世へ…… 三角布を額に光らせ最終章を迎える 2009/12/28 17:00 五月女ケイ子の映画批評「イケメンの鼻の穴」三國連太郎 注目の映画に出演しているイケメンを、鼻の穴までズズイと観察。スクリーン越しに伝わる、彼らの隠したい恥部を五月女ケイ子がのぞいちゃいます! 【今月の映画】釣りバカ日誌20 ファイナル 『釣りバカ日誌』がついにファイナルを迎えました。いぶし銀のイケメン三國連太郎が、出演してます。それにしても、『釣りバカ』。テレビでみてましたが、ちゃんと映画として見たのは初めてです。ちゃんと見ると、さすが国民の映画だけあって、喜劇の古典といった感じで、ホッとするものです。ただ、ファイナルにしては社会派。三國さん演じる大会社の会長スーさんは、会社の不振をうけて、給料をもらわないと宣言。めちゃくちゃかっこいい会長です。 おなじみの「合体」など元気いっぱいの浜ちゃんとは対照的に、三國さんはかなり枯れ切っていました。もはやイケメンの面影はなく、おじいさんでした。天候が悪かったらしく、ぬかるみが危険なのを配慮したのか、三國さんの釣りシーンはわずか3分ほど。釣りあげられるのか心配になるお姿に、泣けてきました。それに比べて、吹石一恵の恋人役、塚本高史の若々しさといったら。あまりにツルッとしてて、顔というよりテーブルかと思ったくらいです。昔の三國さんは、そりゃあ恐ろしいくらいギトギトしてました。テーブルはテーブルでも中華屋のテーブルだった。 そんな三國さんの今回の一番の見所のシーンは、三途の川。横尾調カラーの三途の川シーンは、ミュージカル調で、『釣りバカ』からはかなり浮いていました。三角布をかぶって、死者の列に並ぶ三國さんはちょっと衝撃的です。キムタクや塚本高史も、50年後、三國さんのように三角布をかぶるのでしょうか。イケメンの生き方について考えさせられました。 三國さんにとって『釣りバカ』は「現代社会へのアンチテーゼ」だそうです。「バカな映画ばかりでてないで、こっちにも出てくださいよ」と言われ大激怒したという三國さん。三國さんの『釣りバカ』への愛はハンパじゃありません。その愛でもって、三角布をかぶるイケメン三國さんを私はかっこいいと思うのです。 ■”鼻の穴”診断結果 ———-『釣りバカ日誌20 ファイナル』はこんな映画———- 一流企業の会長スーさん(三國連太郎)が業績悪化により給料全額返還を実行。そんなスーさんのためにヒラ社員のハマちゃん(西田敏行)が奮起し大活躍。ご褒美の釣り休暇で、スーさんとともに北海道へと釣り旅行へ出掛ける。 出演:西田敏行、浅田美代子、吹石一恵、塚本高史、松坂慶子、三國連太郎 監督:朝原雄三 製作・配給:松竹株式会社 12月26日(土)全国お正月ロードショー 公式HP 五月女ケイ子(そおとめ・けいこ) 脱力とインパクトが共存する、一度見たら忘れられないイラストと独特の観察眼によるコラムが人気の異才イラストレーター/脱力劇画家。書籍に『乙女のテレビ時間』(メディアファクトリー)、『五月女ケイ子のレッツ!!古事記』(講談社)ほか多数。テレビ出演、CDジャケット、演劇とジャンルの垣根を超えた活動を展開中。 keikosootome.com ・バックナンバー 【1穴目】浅野忠信『ヴィヨンの妻』 【2穴目】ブラットピット『イングロリアス・バスターズ』 最終更新:2019/05/17 20:28 次の記事 肌の”男性化”に嘆く女の救世主、豆乳がアツイ! >