サイゾーウーマンカルチャースポットいい人じゃダメ! 悪女研究家が語る、現代女性の生きる道とは カルチャー いい人じゃダメ! 悪女研究家が語る、現代女性の生きる道とは 2009/09/26 17:00 カルチャー 映画『イメルダ』のトークゲストとしてポレポレ東中野に現われたナオミちゃんベル。現在はWEB会社を経営しているが、全国初の防犯専従職として地方警察署に勤務後、夜の銀座に転職したという異色の経歴の持ち主。「捕まえて落とすという点ではどちらも同じ仕事なんです」と笑って語る。 ご存知ですか? この秋、注目のキーパーソンであるナオミちゃんベル。お笑い界のニューカマーじゃありません。悪女研究所の所長として、悪女の研究と普及活動に日夜勤しんでいるご婦人なんです。HPでも大人の色香をぷんぷんふりまいているナオミちゃんベル(以下、親しみを込めてナオミちゃん)がドキュメンタリー映画『イメルダ』を上映中のポレポレ東中野にトークゲストとして来場すると聞き、劇場にお邪魔しました。WEB製作会社の経営者でもあるナオミちゃんは、夜の銀座にお勤めの経験があり、バツ3の子持ちだとか。酸いも甘いも知り尽くした悪女研究所の所長として、”希代の悪女”イメルダ・マルコス元大統領夫人についてどんなトークをするのか興味津々です。 上映終了後に和服姿のナオミちゃんが登場すると、薄暗い映画館は一気に銀座の高級クラブのようなムーディーな雰囲気に早変わり。ブランデーグラスを片手で揺らしたくなってきました。まずはナオミちゃんによる悪女研究所についての説明からトークはスタート。 ナオミ 先日、NHKでは悪女研究所のことを悪女養成学校のように放送していましたが、違うんですよ~。働く女性たちが現在280人ほど集まって、歴史上、小説上、映画上などの様々な悪女についてマジメに研究しているんです。悪女=悪人ではないんです。私たちの定義による悪女とは、常識やモラルに囚われずに自分で物事を判断して、常に自分の欲しいものが明確であり、能動的に獲りに行く女性のことを指しているんです。そういう意味では、マルコス大統領の寵愛を受けただけでなく、自分でも権力を握ったイメルダ夫人はまさに悪女中の悪女ですね。 ナオミちゃんいわく、イメルダ夫人の二面性に魅力を感じるそうだ。 ドキュメンタリー映画『イメルダ』より、最近のイメルダ夫人(1929年生まれ)。これで80歳近くに見えますか?まだまだ現役の女って感じです。 (C)Cinediaz Inc.All Rights Reserved. ナオミ 歴史に必ずや名前を残すだろう悪女でありながら、一方では”フィリピンの母”として市民から親しまれていた一面もあったわけです。手放しで誉められるわけではありませんが、この映画を観たことでだんだんとイメルダ夫人のことが可愛く思えてきました。6000着のドレスや3000足の靴は集めすぎでしょうけど、欧米諸国に対してフィリピンの文化水準を高く見せたい、女性として美しくありたいという部分は素敵ですよね。 トーク終了後、せっかくなのでナオミちゃんとよりお近づきになりたいと、直接お話をお伺いしました。誘蛾灯に引き寄せられる羽虫になったような気分です。 --トークイベント、お疲れさまです。”ナオミちゃんベル”って、一度聞いたら忘れられない名前ですね。 ナオミ 本当はただのハンドルネームなんです。企業向けのセミナーの講師などをしているときは本名で通しているんですよ。今回みたいなイベントの場合は、まぁみなさんに覚えられやすく、親しみやすいからいいかなと思っています。ナオミは本名で、ちゃんは”聖子ちゃん”のちゃんから付けました。幾つになっても”ちゃん付け”されるなんて凄いですよね。 --次々に自分の野望を叶える”聖子ちゃん”は確かに現代の悪女ですね。そもそも悪女を研究しようと思ったきっかけは何なんですか? ナオミ 特別にきっかけがあったというわけではないんです。正直に申しますと、この秋に本を出す予定なんですが、名前が知られるとその分、中傷も多くなってきますよね。アイツは企業向けの講師みたいな固い仕事もしているくせに、私生活はどうなんだ、とか。元銀座のホステスで、バツ3だぞとか。どうせ叩かれるなら、その前に”悪女ブランド”を立てておこうと。悪女なら、中傷されてナンボなわけです(笑)。それに善と悪の定義なんて時代によって変わるもの。ならば、常識に囚われずに、もっと多様な生き方を女性がしてもいいんじゃないかと。それで、歴史上の悪女について研究をしているんです。2か月に1度、各界のオピニオンリーダーをゲストにお招きして勉強会も開いています。『美女ばかりです。デパートの化粧品売り場みたいな匂いのする勉強会です』と交渉して、ゲストのみなさんにはお車代だけで来ていただいているんですよ(笑)。 --悪女は美しさだけでなく、知性を磨くことにも積極的なんですね。11月に出版する著書は、悪女のハウツー本だとか。 ナオミ はい、『悪女の仕事術』というタイトルでダイヤモンド社から出版する予定になっています。働く女性にもっと活躍してもらえるよう、いろいろな裏技を紹介しています。女性の中には”いい人に思われたい”という免罪符を持つことで、能力を発揮できない人がすごく多いと思うんです。本には具体的に『男性に恥をかかせないで職場でキレる方法』などに触れています。 --え、気になります。どういう風にキレるんですか? ナオミ あまり”いい人”と思われていると、余計な仕事を押し付けられたりしますよね。そういう仕事ばかりしていると、自分のための時間やエネルギーがキープできません。そこで、『あいつは面倒なヤツだ』と思わせることが必要です。男性社員から理不尽なことを頼まれたら、『ふざけんな!!』と怒鳴って、ファイルを机にパァーンと叩き付けましょう。その後、『……って言われちゃいますよぉ』とニコッと笑うんです。男性は怒鳴られた瞬間、ドキッとしますが、メンツは潰されずに済むわけです(笑)。 な、なるほどねぇ……。終始ニコニコと語るナオミちゃんだけど、イメルダ夫人と同様に敵に回すと怖そー。男性ライターとして、悪女についての予防知識を得るいいきっかけになりました。知的で美しい女性が増えるのは、男性としても大歓迎。今後とも、よろしくお願いします! (長野辰次) ■『イメルダ』 1965~1986年のフィリピンにおいて”希代の悪女”ぶりを発揮したイメルダ・マルコス元大統領夫人の波乱に富んだ半生を追い掛けたドキュメンタリー。3,000足もの靴をコレクションしていたことで有名だが、残されていた靴は履き古されており、ただの浪費家ではなく欧米や中国、中東との外交をはじめ大変な行動力を発揮していたことが伺える。 監督/ラモーナ・ディアス 配給/ユナイテッド エンタテインメント 10月2日(金)までポレポレ東中野で上映中。9月26日(土)より大阪シネ・ヌーヴォ、10月より名古屋シネマスコーレほかで上映。 公式HP 最終更新:2011/03/13 21:57 次の記事 サンミュージックの尻拭い役カンニング竹山、どこへ行く? >