まるで「恐ろしい逸材たちの宴......」

辛酸なめ子が”世界に通用する美女”ミス・ユニバース選考会に潜入!

2009/05/14 20:00
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肉食系女子が大集合といった感じがますます恐い

 5月11日、「ミス・ユニバース」の日本代表最終選考会が東京国際フォーラムで開催されたました。20人のファイナリストから、知花くららや森理世、美馬寛子に続く「世界に通用する外見・内面を兼ね備えた美女」を選出する美の祭典です。選ばれた1人は、8月にバハマで開かれる「2009ミス・ユニバース世界大会」に日本代表として出場できます。

 オープニングはステージの上にレッドカーペットが敷かれ、パパラッチ役のメンズ群がる中、ドレス姿のファイナリストたちが華やかに登場。パパラッチをあしらう所作も審査されているのでしょうか。自信に満ちた表情やオーバーなリアクションは、ハリウッドセレブにひけを取りません。ファイナリストたちは皆背が高くスモーキーなアイメイクで、威圧的な美女という同じジャンルでくくられ、一見して判別がつきにくいので審査が難しそうです。

 約20分押しで始まったコンテストですが、プログラムはスピーディに進行。ドレスから瞬時に水着に着替えた美女たちが、パフォーマンスを繰り広げます。最初に登場した14人はレトロなドットの水着でダンスをしたり、グラビア風セクシーポーズをとったり。

 続いて出た6人は黒い下着姿で、妖しい赤いライトに照らされて、口パクで女囚のドラマを演じます。前半と後半で演技の時間や内容に差があるような……。イネス・リグロン(ナショナル・ディレクター)の押すファイナリストは、チャンスが多めに与えられているのかもしれません。審査が進むにつれ、同じように見えていた美女たちから、だんだん際立ったオーラの持ち主が浮き上がってきました。

 次は20人から13人に減り、キャミにショートパンツ姿でメンズダンサー6人とダンスパフォーマンス。マリリン・モンローの曲に合わせ「恋する気持ちを表現」とのことですが、群がってくるメンズを追い払うという女尊男卑なパフォーマンスで、プライドの高さを感じさせました。手で押しのけるのはまだ可愛い方で、男性の頭を小突いたり、尻相撲で突き飛ばしたり、胸ぐらを掴んだり、エルボーしたり、やりたい放題です。



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日本代表に選ばれた宮坂さん

 さきほどの水着審査でも、夫を殺した女囚役のファイナリストたちが「あいつに天罰が下っただけ」と物騒なことを歌っていたし、このコンテストには、おとなしく男性に従順な日本女性を因習から解放するという、イネスの隠れた意図があるのかもしれません。

 選考は淡々と進み、最後に残った5人が、家族や友人への愛や感謝の気持ちをスピーチ。アメリカ人っぽいトーク内容で、話し方も帰国子女のようになっていました。ドレス姿の審査を経て、最終的に選ばれた宮坂絵美里さん(モデル出身)は、松田聖子と叶美香を足して割ったような、フェミニンな魅力と強さを合わせ持ったルックス。「今まで生きてきた中で一番幸せです!」と、両手を胸に感動を表すジャスチャーはエモーショナルかつオーバー気味で、どこまでが演技かわからず、恐ろしい逸材が生まれたと戦慄を覚えました。

 イネス・リグロンの教育によって作られた最強の女たちがまた二十人、世の中に解き放たれることで、社会や男性の意識が少しずつ変わっていくことを期待します。



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辛酸なめ子(しんさん・なめこ)
マンガ家・コラムニスト。1974年、東京生まれ。近著に『開運修業』(講談社)、『だれでも一度は、処女だった。』(理論社)、『お悩みカテドラル』(ポプラ社)など。最近、新しいマンションを購入した。ブログ「女 一人マンション」も更新中。

『「世界一の美女」になるシークレット・レッスン』

読んだからって美人になれるわけではありません

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最終更新:2011/03/13 22:27