節を変えて歌いたがる大物にツッコミ、「自分の歌にしすぎや」
12月24日に放送された『あらびき団』の特番、『あらびき団 聖夜の90分超拡大SP』(TBS系)。
そこに登場した兄妹芸人・ビタミンSがやったネタは、桑名正博のモノマネでなぜかKiroroの『Best Friend』を歌うというもの。桑名(兄)が、「とぅおぅおぅくぃに~はぁ」と、ノリノリだがおかしな節まわしで歌い、そこに妹が、「自分の歌にしすぎや」「ためすぎや」とツッコミ。たっぷりためたあとに超早口で歌詞を追いつかせたりと、ヘンなタイミングで歌いつつ、最後は「セクシャ~ルフレ~ンド」と「セクシャル」を盛り込んで終わる、という内容だった。
それにしても、大物歌手ってやつは、やたら節まわしを変えて歌いたがる人が多い。だからこそ、このネタも面白いのだが、歌手としてのスキルがあがると、昔のスキルでレコーディングした歌い方が気に入らない人もいるのだろう。単に飽きたという人もいるのだろうが。
しかし、往年のヒット曲というのは、聞くこっち側も慣れ親しんだバージョンがあるわけで、そんな自分が気持ちいいタイミングじゃないところで、「アイ、ラーブユー」だったのが、「ア~~イ、ラ~~~ブゥ(イェエエエエェィ)、ユゥウウウェ~~」とためまくられても、困惑してしまうのだが。テレビから流れる曲を聞きながら口ずさんでみたいのに、別モノだったりする。往々にして、歌っている本人がとても気持ち良さそうなのがまた、余計に困ってしまう。
そんなことを思っていたその翌日、25日に放送された『あなたが聴きたい 歌の4時間スペシャル』に、尾崎紀世彦が登場した。
司会の安住紳一郎とのトーク中、尾崎がこんなことを口ばしった。
「毎日同じ歌い方するのも、僕は嫌いなほうなんですよ」
そして、名曲『また逢う日まで』は、尾崎が言うには怪物のようなスゴい曲で、「まだアイツに勝ってない」とのこと。やはり、レコードに関しては、「あれはあのときの気持ち」で歌ったものだとのことで、毎日トライをするが、「勝てない」んだそうだ。
安住が、「レコードの通りに聴きたいというファンもいるんじゃないでしょうか」とたずねると、尾崎はこう言った。
「レコード聴いてくださーい」
”いじり所”と判断したのだろう、あえて、安住がかぶせた。
「レコード通りに歌ってくださいませんかね?」
尾崎はキッパリと言う。
「ヤダ」
その理由は、「それじゃあ、オレは成長してないってことだもん」。安住、「すみませんでした……」とスゴスゴ。途中から二人とも吹き出しそうな笑顔でのやり取りの「小芝居」ではあるのだが、二人は見つめ合い、尾崎がトドメに満面の笑みで言った。
「ザマーミロ!」
日によって全く違うらしいので、「ヴァージョン081225」とでも名づけておくが、この日の『また逢う日まで』は、「ドォ~アを閉めてぇ~」とか、「はなすだぁあ(音階上がる)ろぉおう」とか、やはり、細部にわたって違っていた。勝てたかどうかは知らないが、それはそれは、とても気持ち良さそうだったので、これでいいのだろう。
ただし、「自分の歌にしすぎや」と、ビタミンSの妹は言うかもしれないが。
(太田サトル)
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