「ちい散歩」で意外なトリビア! 他局もパロるちいちいの魅力とは?
今回ツッコませていただくのは、11月5日放送分の『ちい散歩』(テレビ朝日系)。
2006年4月にスタートした同番組、地井武男がただただ散歩し、路地を見つけたら突撃し、ブランコを見つけたらこぎまくり、店先でアレコレ食っては、カメラマンの口にも強引にねじ込む……などなど、その勝手気ままぶりが好評となり(?)、じわじわとファンを増やしてきた。
最近ではずいぶん知名度も上がり、『アメトーーク!』(同)のなかで、ネプチューン・ほりけんが「ほり散歩」をやったり、『堂本剛の正直しんどい』(同)でも「つよ散歩」が、『裸の少年』(同)では陳建一の「ちん散歩」があるなど、パロディも続出。
さらに、10月30日放送分の『うたばん』(TBS系)に地井武男が出演した際には、他局にもかかわらず、同番組をまるまる持ち出した出張版のような「ちい散歩(うたばん編)」も行われていた。
本も出るわ、オリジナルバッグも出るわ、やりたい放題の印象の同番組。そんななか、水曜の企画「ちい散歩くらぶ 昭和の風景」は、日ごろの無軌道な散歩とは一線を画し、きちんとしたテーマで昭和の風景を切り取るコーナーとなっている。
だが、その11月5日のテーマを見て、仰天した。
「昭和の風景 スピッツ」だ。「風景」なのに「スピッツ」って……?
スピッツといっても、空もとべるはずだったりするわけではなく、白くてキャンキャンいうアノ犬である。いよいよ水曜までおかしなことに?
ドキドキしながら見守ると、冒頭で「ちいちい」は、通りすがりの若い女性、中年女性などに「スピッツって知ってる?」と乱暴にふり、「ああ、知ってます。白い犬? もしかしてここ、発祥ですか?」「いや、そういうわけじゃないんだけども(笑)」といったやりとりをしていた。この唐突さは、いつもの「ちいちい」ペース。
だが、「今ではあまり見かけなくなったスピッツを求め、地井さんがやってきたのは中央区・月島」とナレーションが入った後は、知られざるスピッツの話が次々と語られていった。
要約すると……。
・スピッツは洋犬だと思われがちだが、実は昭和初期に交配が始まった日本原産の犬だということ
・外国の生活に憧れた人たちの間で人気となり、広まったこと
・やがて乱れた交配が行われ、ムダ吠えの多いスピッツが増加してしまったこと
・その後、今はムダ吠えしない犬種が増え、さらに海外で人気となっていること
どれもこれも知らなかった情報ばかり!! 「昭和の風景 スピッツ」なんて奇抜なテーマなのに、しかも「ちい散歩」なのに、暴走もなければ脱線も試食もない、実にまっとうな内容である。
「ちいちい」というキョーレツな素材を主役としつつ、曜日によって別の趣向も加え、番組の幅をぐんと広げている「ちい散歩」。人気・知名度とともに、いつの間にか安定感まで獲得してきているようだ。
(田幸和歌子)
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