サイゾーウーマンカルチャー社会介護職明かすパワハラ/セクハラ問題 カルチャー 介護現場のハラスメント問題【前編】 介護職が明かす「パワハラ」「セクハラ」問題の今、「高齢者にも性欲を感じる権利がある」が…… 2019/06/14 17:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) インタビュー社会 Photo by anna from AC 「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」をご存じだろうか。 一般的な職場でのハラスメントには、大声で怒鳴ったり、長時間執拗に叱責したりするパワーハラスメントやモラルハラスメント、性的な嫌がらせをするセクシャルハラスメント、妊娠・出産を理由とする解雇・降格などのマタニティハラスメントがあるが、その舞台が「介護現場」となると、上司や同僚以外に、要介護の高齢者やその家族との関係も絡んでくる。さらに認知症などの病気も関係するので、ハラスメントの線引きや対策はより難しくなることは想像に難くない。 冒頭のマニュアルは、平成30年度厚生労働省老人保健健康増等進事業において進められていたもので、有識者による検討委員会での議論を踏まえ、2019年3月に完成した。 これは介護事業者に向けたもので、介護現場におけるハラスメントの実態や、事業者自身として取り組むべきこと、職員に対して取り組むべきこと、関係者との連携に向けて取り組むべきことが実践事例とともにまとめられており、4月には厚生労働省から介護事業者や市町村に対して周知するよう、事務連絡が発せられている。 【参考リンク】介護現場におけるハラスメント対策マニュアル 繰り返しになるが、一般企業のハラスメント対策とは違い、介護現場でのハラスメントに関与するのは、認知症などを含む高齢者とその家族だ。しかも介護をするのは、施設内の個室や利用者の自宅など密室である場合が多く、ハラスメントが起きやすい状況もある。今回、ハラスメントの実態と対策の有効性について、実際に介護に携わっている介護職と介護事業者双方に話を聞いた。前編では、ケアマネジャーのNさん、有料老人ホームに勤務するOさん、リハビリテーション病院の看護師Yさんという“現場の介護職”の声を紹介しよう。 次のページ 「上手にかわすのも仕事のうち」Nさん 1234次のページ セブンネット スタッフに「辞める!」と言わせない介護現場のマネジメント できる介護職を守り育てる現場管理者の実践マニュアル 第3版 関連記事 「介護舐めるな」と批判噴出――“訪問介護をボランティアに”財務省の提案に、現場の本音は?「介護」で母親との関係を清算し、復讐を果たそうとする娘たち……「婦人公論」の介護特集「男性ヘルパーはかわいがられてナンボ」おばあちゃんからの視線が重い介護士長男に拒絶された住職のさびしい晩年――北陸地方、寺を飛び出した息子に憤る檀家有料道路を「逆走」、気力も低下――父の認知症の前触れ、弟家族とは“家庭内別居”状態