サイゾーウーマンカルチャーインタビューLINEスタンプとデコメの違いは? カルチャー イラストレーターが語る「LINE Creators Market」(前編) 「デコメはエロ、LINEスタンプはネタ」イラストレーターが明かす、好まれるモノの違い 2014/12/18 21:00 インタビュー 『アイドル好き女子の日常』より 今年5月に発売開始となった、「LINE Creators Market」。マンガやアニメのキャラクター、芸能人を模した「LINE公式スタンプ」とは異なり、「LINE Creators Market」に登録した人であればだれもが自由にスタンプを作成・販売できる手軽さが特長だ。1セット100円で販売されるスタンプ売り上げは制作者とLINEでほぼ折半となり、一部報道によると、サービス開始後半年での上位10位の平均販売額は3,680万円とも言われている。それがゆえ、一攫千金を狙う人々が次々と参入し、スタンプの審査は2カ月~3カ月待ちという状況が続いている。 今回は、デコレーションメールやLINEスタンプの制作体験も持ち、11月中旬にクリエイターズスタンプ『アイドル好き女子の日常』を発売した現役のイラストレーター・あらいぴろよさんに、LINEスタンプとデコレーションメールの違いや「LINE Creators Market」での販売の実情を聞いた。 ――はじめに、LINEのクリエイターズスタンプとはどういったものなのか、教えてください。 あらいぴろよ(以下、あらい) 「LINE Creators Market」に登録すれば、1セット40コのスタンプをオリジナルのキャラクターやテーマに沿って自由に制作できるものです。自由と言っても、宣伝を目的にしたものや公序良俗に反するものはNGといったガイドラインはあります。それに沿って制作し、LINE側の審査を通過したものが販売できます。 ――あらいさんは過去にデコレーションメールの制作経験もお持ちですが、LINEスタンプとの違いはどんなところに感じますか? あらい 人気のあるLINEスタンプは、ネガティブなもの・明るいものの二極化が顕著ですね。「返事をくれない彼氏を追いこもう」というテーマの「もっと私にかまってよ!」(森もり子作)のように、使う場面や状況にアイデアが光るものの人気がとても強いと感じます。 一方、デコレーションメールは派手なデザインのもの・動くものがウケやすく、その流れで恋愛ものの中でも、「誘っているような」エッチなものや、不倫に使えそうなものといった背徳的なものが人気を集めていました。そもそもLINEは性的表現を受け付けていませんので、そこはまったく違うと思います。 ――デコレーションメールでエッチな絵柄がウケた要因はどんなところにあるのでしょうか? あらい LINEは10代~20代のユーザーが多いというイメージがありますが、デコメは20代後半~40代の恋愛体質の女性がメインユーザーという手ごたえがありました。LINEですと複数の人でチャットできるグループトークがありますが、デコメは携帯電話のメールですので1対1。誰からも見られないからこそ、大胆になって相手の興味を引きたいという思惑があり、背徳的なものが人気を集めていたんだと思います。ユーザーから、「恋人と会えない時間を埋めたいからデコメを使う」という声もありましたから。 ――LINEスタンプはネガティブなもの/明るいものの二極化とおっしゃいましたが、その中でも人気作の特徴というのは? あらい どちらも、なによりアイデアですね。あとは、ネガティブなものといってもツッコミや自虐で笑えるものですね。あまりにネガティブだと使いどころに迷い、コミュニケーションに向かないですから。送られた方も反応に困りますし(笑)。 あと、上位にランキングされるものは、絵のほかに言葉を多用しているものが多い。絵だけ・文字だけで見るとあやふやな意味になってしまうので、怒っているのか、喜んでいるのか、ちゃんとわかるように言葉が添えられているものが、送る方・受け取る方どちらにもわかりやすく人気があるのだと思います。その曖昧にさせない感じは日本的だなぁと感じます。 12次のページ Amazon 君ノート~この想いを伝えて~ (ケータイ小説文庫) 関連記事 「ガテン男に溺愛されたい」「フェラはNG」TL編集者が明かす“女がエロに求めるモノ”「反オヤジマインドの敗北」――ギャル雑誌の衰退が女子カルチャーに残す課題与沢翼が壮絶な実体験を元に、「女子カースト」を斬る!自意識過剰? 「1日2時間シャッターを切る」自撮りをやめられない女たちオシャレな暮らし方「シェアハウスブーム」に隠された「所属なし」という若者の孤独