サイゾーウーマンカルチャーインタビュー「出来る範囲の”お返し”はしたい」、尾崎南が見据える今後の活動 カルチャー マンガ家・尾崎南氏復帰記念インタビュー(後編) 「出来る範囲の”お返し”はしたい」、尾崎南が見据える今後の活動 2011/01/29 11:45 インタビュー (前編はこちら) 前編では、今なお熱狂的なファンを持つ『絶愛-1989-』『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』に対する想いを聞いた。後編では、尾崎南氏の作家としての道筋や、商業誌と並行している同人誌活動について話を伺った。 ――マンガ家としての歩みを伺いたいのですが、尾崎さんが絵を描き始めたキッカケは? 尾崎南氏(以下、尾崎) 子どもの頃に母親がお人形さんみたいな絵を描いてくれて、それを模写してたり……それがキッカケですかね。マンガを本格的に描くようになったのは、高校生になってからです。学校の先輩に頼まれたのが最初ですね。 ――どんなマンガを描いたんですか? 尾崎 アニメのパロディーだったと思うんですが、言われるがままに描いただけで、アニメも見てなかったので、何のキャラクターか覚えてないんです。 ――自分の意思でマンガを描き始めたのは? 尾崎 それも高校生のときですね。同人誌即売会に行って、面白そうだなと思ったのかな? 自分で本を作るようになりました。 ――商業誌デビュー後も同人活動もされてしますが、尾崎さんにとっての商業誌と同人誌の違いは? 尾崎 同人誌は単純に好きで描くもの……というか、好きじゃないと描けないですね。商業誌はちゃんと〆切があって、限られたページの中で起承転結を……つけてないかもなんですけど(笑)。ある程度の規制があるのが商業誌で、何もかもぶっちゃけるのが同人誌かなあ。 ――商業誌と同人誌で意識して描き分けていることは? 尾崎 特に意識はしていないですね。同人誌はひたすら本能のままに描くだけで(笑)。『BRONZE』を連載していたときは、「マーガレット」の本編はツラい展開ばかりだったので、同人誌では主人公同士もラブラブで、ハッピーなお話を描くとか。でも、どちらもストイックな話を描くこともありましたよ。そういう意味でははっきりとした区別はないんですね。……突き詰めると何を描いても同じってことかも(笑)。 ――やはり商業誌のほうが読者を意識して描くものなんですか? 尾崎 読者を意識……とかはあまりないですかね。どんな反応がくるかわからないけど、私はこれしか描けないので。さすがに「マーガレット」で『3DAYS』を掲載させていただくときは、「少女マンガっぽくした方がいいのかな~」と思って描いてましたが。 ――そうおっしゃいますが、尾崎さんはtwitterでも読者の意見や要望に耳を傾けていらっしゃいますよね。 尾崎 自分が好き勝手に描いてきたものを皆さんに支持して頂いているので、出来る範囲の”お返し”はしたいと思っています。カットやイラストは誰を描いたら喜んでもらえるのかな、と考えますね。直接お会いできる機会も多かったから、読者のみなさんを近くに感じるのかもしれませんね。 ――連載当時、ファンレターに書かれていたリクエストによってストーリーを変えることも? 尾崎 ストーリーはないですけど、ファンレターを読んで、”私が作品で言わんとしていることが伝わっていないな”と感じると、そこをもっと掘り下げて描いてみることはありましたね。ファンレターは本当に有り難いです。世の中がデジタルになりネットのツールが広がって、twitterやブログを始めたら、逆に「お手紙」の存在が本当にありがたく感じられます。 ――今年は積極的に活動されていくそうですが、完全な新作を描きたいという欲求はありますか? 尾崎 まだ全くの未定ですけど、新作は描いてみたいですね。そんな風に思えることは今までなかったんで、それだけでも自分にとってはいい変化だと思っています。マイペースにやっていきたいですね。 ――ファンの方は「コーラス」3月号の『華冤断章』前編を読んで、久々の尾崎作品に涙していると思います。4月号には後編が掲載されますが、ずばり見どころを教えてください! 尾崎 そうですね……広瀬と倉内だけではなく、一応”派手な人”も登場するので、『BRONZE』ファンの方々は、待ち望んでいたものが見られるのかもしれません。線や影が多いので、本当に描くのが厄介でしたけど(笑)。 喜んで頂けたらいいなと思います! (遠藤麻衣) 尾崎南(おざき・みなみ) マンガ家。1989年、「マーガレット」(集英社)で『3DAYS』掲載。同年、『絶愛-1989-』の連載をスタートし、それまでの少女マンガとは一線を画すストーリーとキャラクターで、女子たちを熱狂させた。1991年より、同作の続編となる『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(既刊14巻)の連載を開始。商業誌で活躍する一方、同人活動も積極的に展開しており、絶大な支持を得ている。 公式サイト ■特定書店でフライヤープレゼント 5年ぶりに復帰記念として、「コーラス」3月号を特定の書店で購入した方に、尾崎南さん描き下ろしの「フライヤー」をプレゼンするキャンペーンも! 詳細は尾崎南さん公式サイト、もしくは「コーラス」公式サイトで確認を。(数に限りがあります) 『BRONZE ZETSUAI since1989』 読み返すほどに…… 「コーラス 2011年 03月号」 ふみくんがカッコいいのさ 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・異例の4社合同フェアでデビュー、業界注目の漫画家・河内遙って? ・これまでは壮大なフリ? 『町でうわさの天狗の子』最新刊で「萌え」が大爆発 ・現代と江戸のシャッフル? ギャップから笑いを生み出す『ちょっと江戸まで』 最終更新:2011/03/13 17:36 次の記事 角界の闇を描いた暴露本『八百長』著者が不審死! その真相は? >