サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー赤文字化が進む? 「GINGER」の専属読者モデル”GINGERers”が発足 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「GINGER」11月号 赤文字化が進む? 「GINGER」の専属読者モデル”GINGERers”が発足 2010/09/24 16:00 女性誌速攻レビューGINGER 「GINGER」2010年11月号(幻冬舎) 長らく立ち位置が安定せず、巨大迷路をふらふらと漂い続けていた「GINGER」(幻冬舎)。そういえば先日、「雑誌・定期購読専門サイト Fujisan.co.jp」に編集長のインタビューを発見し、雑誌タイトルが「ゲーテ・ウーマン」になるかもしれなかったエピソードなど、大変興味深く読ませて頂きました。しかし、編集長が創刊前に作ったという媒体資料を自身が振り返り、『見かえしてみると、まさに今の「GINGER」。30才前後の女性読者の心や行動に本当にフィットする雑誌を作つくるための考え方、コンセプトはブレてないし、変わってないなぁと思いました』と語っていたくだりには、「ブレブレやんけー!」と思わず口をあんぐりしてしまいました。 <トピック> ◎今こそ目指せ!スタイルのある女 ◎ついに誕生!! 専属読者モデル集団”GINGERers” ◎これが僕なりの家族、恋愛、人生論 二宮和也 ■茉希、Nanami、未希子「GINGER3姉妹」登場! ファッションページに異変!……って、迷走気味の雑誌ですから、基本的に毎号少なからず異変はあるのですが、今月はとても良い異変です。ファッションページを見ていても、眠くなりません!! 秋トレンドの基本的なところは、特集「速報!『売れてる秋服』傾向と対策」などでしっかりと押さえつつも、西山茉希、Nanami、矢野未希子を「GINGER3姉妹」と名付けて異なるテイストのスタイリングを見せたり、結婚式のお呼ばれ服を「洗練A子」と「ありがちB子」に分けて比較するなど、切り口や見せ方に工夫が見られます。 更に、今まで背景やページデザインのパターンに乏しさが目立っていた「GINGER」ですが、今月は色味などが特集ごとに大きく異なるなど、眺めているだけでも飽きずに読み進められます。気張って賢さを押し出していた誌面に、赤文字系の軽さが足されたことにより、無難ながらも安定感が大幅にプラスされました。今後は、ここにオリジナリティーが加われば言うことなし! 唯一、16ページに渡るファッション特集「今こそ目指せ!スタイルのある女」にだけは、「GINGER」臭いクドクドと長~い文章が各ページに残っていますので、”「GINGER」のそういうとこが好き”っていうツウな読者様もご安心を。ちなみに一部を抜粋してみると……。 『おしゃれには”ひねり”が不可欠だ。見るからに上質そうな服も、ただ着るだけじゃ上質な女には見えない。野暮のリスクを負うだけ。これ見よがしの上質ではかえって安く見えるだけ。むしろ”上質”に自らひねりをきかせることができてこそ、ちゃんと頭のいい上質な女。例えばこんなふうに、デニムを使ったカジュアルな装いのなかに、いかにも上質そうな光沢を唐突に加えていく(まだ続くので後略)』 思わず「上質って何?」と哲学的に考えてしまうのですが、これこそ、「GINGER」のいうところの「賢い」ってヤツなんでしょうか。 ■「GINGER」読者の半数は既婚者!? ファッションページには、基本的にレギュラーモデルやおしゃPしか登場してこなかった「GINGER」ですが、何やら今月から専属読者モデルチーム「GINGERers(ジンジャラーズ)」なるものを結成したとのこと。そのスターティングメンバーとして、24歳~31歳の読者6名が登場。 読者モデルが誌面に出るようになると、その雑誌がターゲットにしている読者層がはっきりと示され、雑誌自体が分かりやすいものになるのですが、今回のページを見る限りでは衣装やメイクを作りこみ過ぎている上に、イマイチ内容のない一問一答が掲載されているため、よく分からず。ただ驚いたのは、読者モデルの半数が既婚者だということ。山田優や西山茉希といった未婚のキャピキャピ感のあるモデルを多数起用している点から考えると意外でした。 ちなみに、特集の後半には「”GINGERers”メンバー応募シート」が付いており、今後メンバーを増やしていくそう。「ジンジャラーズ」というネーミングはアレだけど、雑誌と読者の距離がグッと縮まりそうな予感♪ 今後の展開が楽しみです。 ■二宮和也と香里奈を結ぶ”ゲームオタク”という共通点 6ページインタビュー「これが僕なりの家族、恋愛、人生論 二宮和也」では、ニノが黒い皮ジャン姿で登場! 鋭い眼光でこちらを睨み付けるニノ、ヴィジュアル系のように自分を抱きしめるニノ、壁にへばり付き何かに怯えるニノ……。まるでマッチさんのようなワイルドすぎる出で立ちに、ニノの男らしい一面が垣間見られることでしょう。 一方、インタビュー内容は、タイトルであおっているわりには至ってノーマル。ほぼ新ドラマ「フリーター、家を買う。」(フジテレビ系)の話に終始しています。ただ、共演者でGINGERモデルの香里奈との”ゲームオタク”という共通点をうれしそうに語るくだりは、ファンならヤキモキしちゃうかも!? 今後、この共通点がきっかけで熱愛報道なんかされないでね~。 寄り道や脱線を繰り返したものの、今月号で確かな落ち着きっぷりを見せてくれた「GINGER」。しかしここ数号を見比べてみると、リードの文章を読み比べるだけでも一号ごとに違い過ぎて、別の雑誌のよう。しかし、それもここで打ち止めなのですね。先月号のレビューで『迷ってない「GINGER」なんて、「MYOUGA」だ!』などと書きましたが、”これもまた「GINGER」なのだ”と素直に感じられた11月号でした。 (林タモツ) 「GINGER」 でも表紙はまだ気張ってるのね。 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「私の大嫌いな”モテ”という言葉」……連載で山田詠美が「GINGER」のモテ解禁に反発!? ・「結婚願望が男たちを不能にした」、賢い女のモテ雑誌「GINGER」が語る語る ・女は「TENGA」に負けている! 「GINGER」が示す「男の生声白書」 最終更新:2010/09/24 16:23 次の記事 黒木瞳と松嶋菜々子の間をいく、吉瀬美智子にこそ相応しいあの役柄 >