今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

計算しつくされた”ナチュラルなオシャレ”全開の宮崎あおいCM、新作は意外にも……

2010/09/10 21:00
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アース ミュージック&エコロジー公式サイトより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ユニコーンあたりですかね
 宮崎あおいが出てる洋服ブランドのCM。エコでエアリーな服を着た彼女が、子供とレトロな遊びに興じながら、デッカイ声でオンチに歌を歌う。選曲はブルーハーツの「1001のバイオリン」。二重にも三重にもハイセンスな感じが張り巡らされた、「好感度の鬼」と呼べるCMであった。しかし最近放映が始まった続編はどうだろう。歌う宮崎あおいが、ロバに乗っちゃってる。でまたブルーハーツの歌を歌ってるのだが、あの曲ほどのインパクトはなし。歌い方も、前回の「ヘタだけど気持ちいいから歌っちゃえ!」的な開放感はなく、「好評につき」てな感じのルーティンワーク。続編を作るなら、歌はブルーハーツに絞らない方が良かったと思うのだが。何を歌うべきだったのか、私は思いつかないが、でも最初のCMを作ったときのラインの延長線で考えていけば、「おお、今度はその歌で来たか!」という名曲が必ずあったはずなのに。ロバといい選曲といい、あまりに安易。ってこの狙いの読み間違いに腹が立つのは何故。あのCMの、二重にも三重にも張り巡らされた好感度取得法のあざとさに、辟易していたはずなのに。危ない危ない。ズレてくれてよかった。

◎正解の見えない役作り
 『探偵ナイトスクープ』(朝日放送)の新秘書。バイオリニストの普通の感じのカワイイ娘さん。残念。いや、カワイイ娘さんが悪いってわけではないのだが、何しろあれだけ長きにわたって、得体の知れない感じを撒き散らしていた岡部まりの後任である。彼女の「得体が知れない」という部分も、番組が醸し出す独特のムードの構成要素の一つだったと思うのだ。それがなぁ。あんな『NEWS ZERO』(日本テレビ系)みたいな人選されても。ま、岡部まりの面影を湛えた若い娘さんを探すのも難しいだろうから、あれはあれで仕方ないか。こうなったら仕方ない。あの娘さんに、どんどん岡部まりになって行ってもらうまでだ。大変な大役だな。

◎言葉のボキャブラリーがないのかも
 昨日『おもいッきりPON!』(日本テレビ系)でボビー・オロゴンを久々に見た。本の挿絵を描いたとかで、その本を開いて中見せながら告知していた。益若つばさら共演の若い女性タレントたちは、その挿絵を見て「カワイー」「キレー」と手放しで喜んでたが、その時映ってたのは、どう見ても戦争かなんかのシーンを描いたおどろおどろしい場面の絵。適当に仕事してんじゃねぇよ。ちなみにボビーの絵は、ちょいジミー大西風。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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最終更新:2019/05/22 19:35