サイゾーウーマンカルチャーインタビュー魚の魅力を伝える”魚ギャル・Lie”に、ギャルである必要性を直撃してみました! カルチャー 水産業界の救世主!? 魚の魅力を伝える”魚ギャル・Lie”に、ギャルである必要性を直撃してみました! 2010/06/21 11:45 インタビュー 本業の方はクールなキャラで通っているLieさん 魚食や漁業など、サカナの魅力を伝えるために奮闘するギャル――”魚(ウ)ギャル”。今、ギャルモデル界に、”魚ギャル”なる種族が出現している。ばっちりメイクに、派手ファッションというギャルの格好をして地方に出向き、あるときはサバ漁船に乗り込み、またあるときは牡蠣の養殖に勤む彼女たち。そして、獲った魚を自らさばいて料理をし、日々魚の魅力を伝えているのだとか。逞しく、そして頼もしい話だが、「そもそもギャルの格好って必要なの?」という意地悪な考えがどうにもちらついてしまう。それなら、ズバッと本人に聞いてしまおうということで、魚ギャルのリーダーで、「EDGE STYLE」(双葉社)などで”強め”系のファッションを着こなす、人気モデル・Lie(ライ)さんに直撃してきました。 ――もう真正面からズバッと聞いちゃいますけど、漁業の時にギャルの格好は必要なんですか? Lie そうですね! そこははずせません! やっぱりギャルという私の個性は失くしたくないので。 ――キッパリしてますね(笑)。漁業をするとき、利便性から考えても問題ないんですか? Lie メイクするのは基本ですし、髪を巻いたり、ヘッドアクセつけたりはしますけど……。やっぱり魚をさばくときなどに邪魔だということもありますけど、衛生面も気になるので、私はつけ爪はしないんですよ。だから、特にギャルの格好でも問題ないですね。逆に「漁業用」って構えるから、一般の人に馴染んでもらえないのかなと思って、日常でも漁業でも使える長靴を作ろうと今、計画中なんですよ。 ――なるほど~。でもギャルの格好で海に行くと、漁師さんたちにビックリされなかったですか? 地元の方の指導のもと漁業体験もしてるんです Lie ……ぶっちゃけ、漁師さんたちも最初は抵抗あったみたいで、あとから聞いた話では『東京からこんなネーチャンが来て、漁業なんてできるのか?』と思われていたみたいです(笑)。 ――漁師さんからの第一印象はあまりよくなかったのに、仲良くなれたんですよね? その秘訣はなんですか? Lie いや、何か特別なことをしたわけじゃないんですよね。私が言うのもなんですが、ギャルって見た目がスゴイじゃないですか(笑)。でも、悪いコはいなくて、みんな天真爛漫なんです! 好奇心旺盛で、人のために何かをしたいっていう熱い気持ちを持ってるコがほとんど。私も、漁師さんに『ココ、どうやるんですか?』ってどんどん聞いてたら、丁寧に教えてくれて仲良くなれましたね。 ――最近は実際に現地で漁業体験に行く機会も多いとのことですが、うまくいかずに打ちのめされたことは? Lie 私が岩手県に行ったときは、ちょうど地震があって、影響をもろに受けた時だったんですよ。今まで仕込んでいた養殖や網などの必需品も全部ダメになって……。長い時間をかけて用意したもがダメになって、もちろん家計もあるし、数年先の見通しも立たない。自然の力にこんなに振り回されることを、頭では分かっていても、目の当たりにしたのがショックでしたね。 ――そんな時は、Lieさんはどうされたんですか? Lie いや、簡単に声もかけられないし、私が行ったことで漁業を体験させなきゃって気を遣ってくださるしで、本当に申し訳なかったですね。そもそも、私なんだか天候に恵まれないみたいで……。漁に出るときに天気が悪いことが多いんですよ。高知県に行ったときなんかは嵐で船を出せなかったですし。そもそも漁師の言い伝えで、”女性は船に乗っちゃいけない”っていうのがあるんですよ。海の女神様が嫉妬して、海が荒れるんですって。 実際に現場に足を運んでいるので、言葉にも説得力があります ――そんな言い伝えがあるくらいなのに、地元の人たちはよく”魚ギャル”を受け入れてくれましたね? Lie 若い人にもっともっと魚文化広げていってもらいたいから、期待してるって言ってくださるんです。今は、漁師の数が1年間に1万人減とも言われているし、魚屋さんが減少しているという問題もある。特に、若者が魚を食べないっていうのが深刻かつ、それをクリアできたら最大の解決法にもなるんです。だから、私みたいなギャルが行っても、「若い人に魚の魅力を伝えてくれるなら」って受け入れてくれるんだと思います。 ――すごく勉強されているんですねぇ。 Lie いいえ、まだまだです。私は漁業の深刻さや大変さだけを強調したいじゃなくて、「魚っておいしいんだよ」ってことを知ってほしいんですよ。よく「さかなクンのライバルを狙ってるんですか?」って聞かれるんですが(笑)、まったく違うんです。さかなクンは生態系としてのサカナにすごく知識を持ってらしゃるし、ちびっ子の追っかけもいるんですって。私は魚の種類も勉強中ですし、どちらかと言えば、おいしい食べ方や魚文化を知ってほしいんです。だから食わず嫌いなギャルやギャルママに伝えたいし、感覚が近いからちょっとずつ受け入れてもらえる。私がモデルと魚ギャルをやっている意味はそこにあるのかなと思っています。 当初、「ギャルが漁業なんて」と考えていた自分が恥ずかしくなるくらい、真面目に”魚ギャルしてる”Lieさん。「魚ってビタミンに亜鉛に鉄分に、女性の味方の成分がたくさん。それに、魚の皮の裏側についている脂みたいなところは、実はコラーゲンなんですよ!」と、身近なところから魚の魅力を話してくれました。 7月13日までは、全国チェーンの居酒屋『村さ来』で、魚ギャルがメニュー開発から携わったコラボメニューを提供中。Lieさんいわく、「”めひかりの唐揚げ”が味が濃厚で、特にオススメ! 魚が苦手な子でも、みんなでワイワイしている中でノリで食べてみて『あ、おいしいじゃん』とか思ってくれたら嬉しい!」とのこと。喰わず嫌いな人も、Lieさんの言葉を信じてチャレンジしてみては。 (朝井麻由美) Lie(らい) 「Happie nuts」(インフォレスト)の元看板モデル。一時モデル活動を休止した際に、魚料理屋で飲んだくれの日々を過ごし、そこで魚の魅力に目覚めたという異色の経歴の持ち主。現在は「EDGE STYLE」(双葉社)のレギュラーモデル。魚ギャルとして、今後は料理教室やギャルママ&チビコを対象にしたツアー、オシャレな漁業グッズのプロデュースなどを計画中。 魚ギャルプロジェクト 『さかなくんのさかなレシピ』 「こんな人が出てきたんですね~ギョギョッ!」とか言う感じ? 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「渋谷の不良文化をぶっ壊す!」ギャル男のトップが描いた野望とは ・ファッションがゴシップに惨敗! 個性なき「EDGE STYLE」はどこへ行く? ・捨てられ女たちが教える、浮気された経験との上手な付き合い方とは? 最終更新:2011/03/13 17:58 次の記事 読むほどに欲求不満が募る! 「日経ヘルスプルミエ」の優等生っぷり >