サイゾーウーマンコラム視聴率に偽りなし、『MR.BRAIN』のキムタクはキムタク史上最高! コラム [連載]亀井百合子の「オシャレな女に憧れて」 視聴率に偽りなし、『MR.BRAIN』のキムタクはキムタク史上最高! 2009/06/06 08:00 木村拓哉亀井百合子の「オシャレな女に憧れて」女の価値観 キムタクの役名っていつも変だよね~ キムタクには飽きた。 と言わねばならぬ空気がある。特にネット上では。キムタクを誉めるとすぐに「提灯記事」と言われてしまう。初回視聴率24.8%、第2回22.0%という記録とは裏腹に、いや、むしろテレビ的に人気があるからこそ、ネットではキムタクは「キムタク(笑)」という位置づけなのである。 しかし、あえて言おう。ドラマ『MR.BRAIN』のキムタクはいい。TBS土曜日の夜8時といえば、『8時だョ!全員集合』を放送していた枠である。『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』に『KATO&KENテレビバスターズ』を放送していた枠でもある。そんな時代に生まれなくて良かった(とっくに生まれてるが)。一家で見るなら加トちゃんケンちゃんより『MR.BRAIN』の方がいい。 みなさんにはぜひ知ってほしい。キムタクはとてもがんばっているよ。インタビューを読んでも一生懸命さがビシビシ伝わる。その「オレってストイック~」的な自己陶酔加減が一部で嫌われる原因なのかもしれないが、本当にいろいろ難しいことを考えているよ。 「九十九龍介という男は”チューニングは合っているけど今まで聞いたことのない珍しい音”のような存在」*1 「どきどきいい意味での悪だくみというか、(作品をより生きたものにするため)台本にないことをつけ加えたくなるんですよ。(中略)よく人はそれを”アドリブ”と呼んだりしますけど、そういうのはすべて俺だけで発信したものじゃなく、現場で生まれたオリジナルに過ぎないんです」*2 ホラ、深くないですか。「ない」と言う人は綾瀬はるかや水嶋ヒロと比べてみて。 「お芝居で初めて口紅をつけました! 少し大人に見せる工夫です(笑)」(綾瀬はるか)*3 「失礼のないように台詞も一字一句覚えて、『MR.BRAIN』の世界を少しでも壊すことがないように、と意気込んでいました」(水嶋ヒロ)*4 すっとこどっこい。つーか、グロス世代には口紅は前時代的なシロモノなのだろうか。台詞は一字一句覚えてこないものなのだろうか。気になる。 キムタクは深い俳優哲学のもとに、風変わりな脳科学者を好演している。キムタクはぶっきらぼうな役をやらせたら日本一! ……と言ったら過言かもしれないが、確実に何本かの指には入るなぁ。ぶっきらぼうな美容師、ぶっきらぼうな検事、ぶっきらぼうなレーシングドライバー等々と続き、ぶっきらぼうな内閣総理大臣。こうなったらぶっきらぼうな千葉県知事とか、ぶっきらぼうなイタコとか、ぶっきらぼうなノッペラボーとか、ぶっきらぼうの道を極めてほしい。 ストーリーもなかなかいい。ドラマ中盤は「ひょっとしてこれ、科警研じゃなくて香川照之主演、水嶋ヒロ助演の刑事モノでいいんじゃない!?」と触れてはいけない真実に一瞬触れそうになるが、グッドタイミングで愛らしい大根・綾瀬はるかが現れ、我々をテレビ脳に引き戻してくれる。そして、真打キムタクが「脳科学」というドラマのキモを無理矢理ねじ込み、バラまかれた謎を1時間で収拾する。実にスリリングでよくできている。面白い。香川照之主演の刑事ドラマもきっと面白いだろうから、テレビ朝日でぜひやってほしい。 キャストはやたら豪華で人数が多い。そこがまた巧妙。役者・芸人・タレントの大量投入により、キムタクの存在感が薄まっていい感じ。だからって、キムタクが不要なわけじゃない。キムタクは、クリスマスケーキに乗っているマジパンのサンタクロースみたいなもの。決してうまくはないが、載ってないとなんのケーキか分からなくなってしまう。だから、必ずなければならない。キムタクという名のもとにキャストが集結するからこそ意味がある。キムタク的役割はキムタク以外に誰もできない。そんなことを『MR.BRAIN』は気づかせてくれる。 ここ7、8年、キムタクの価値を見失っていた。だが、ぐるっと一回りして、今なら素直に受け入れられそう。キムタク、案外いいじゃん。今年の好きな男ランキングは納得できそうだ。 *1、3、4『anan特別編集 美人脳エクササイズ』(マガジンハウス)より *2『ポポロ』7月号(麻布台出版社)より (亀井百合子) 亀井百合子(かめい・ゆりこ) 1973年、東京都の隣の県生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスライターに。ファッション誌やカルチャー誌のライター、アパレルブランドのコピーライターとして活動中。 イケメンサーファー これであなたも”かっくい~”キムタクになれるはず 【バックナンバー】 ・友近やはるな愛まで! 有名人の公開ダイエットにはもううんざり ・草なぎ剛も叶姉妹も……やっぱり”いい人”だから大目に見たい! ・ベッキーと野村克也監督の本を読んで、人間について考えてみた 最終更新:2019/05/17 20:45 次の記事 純粋すぎる役柄を射止めたウォンビンが、新作映画で”素”を披露!? >