[TVツッコミ道場]

「いい話」番組で小島よしお、ボケ封じ込め沈黙

2008/12/23 12:00

 ボケられず、ツッコまれず。ちょっと悲しい小島よしおの姿を、見た。

 そんな小島の出演した、12月19日の深夜番組『いいはなシーサー』(テレビ朝日)に、ツッコませていただきます。

 同番組は、このところ流行りの「ちょっといい話」系で、毎回2組のゲストを迎え、彼らや視聴者から寄せられた「いい話」エピソードを中心に進んでいく。今回、ゲストとして呼ばれたのが、小島よしおと小倉優子だった。


 そもそもBEGINの比嘉栄昇と相田翔子という、”天然系善人”の二人が番組を仕切るというところから、危険な状況に陥りやすい前提はある。もちろん小島だけでなく、いろんな芸人が番組に呼ばれているのだが、いい話で「ほっこりする」ことがねらいのため、芸人が来ても、ボケることは基本的にない。そのため、最後までボケずにダウンタウンとの出会いに感謝する板尾やYOUという、珍しい場面に遭遇することもある。

 この日小島は、「両親のなれそめ」や「部活の仲間との友情」、「そんなの関係ねぇ誕生秘話」などのエピソードを語ったが、「○○でしたね、はい」と一通り語りおえたあと、「…………」ヘンな沈黙。小島、マジメな表情、ただし、小刻みに瞳はあちこち動く。ヘンな間だ。


 ゆうこりんの天然は、おそらくキャラだが、聞き手の比嘉と相田は、かなりホンモノだ。そして、どちらも話を広げる方向でなく、そこで完結してしまうような相づちをうってしまうので、ますます奇妙な間だけが浮かび上がって見えてしまう。

 『爆笑レッドカーペット』の録画などで、小島よしおの出ている箇所をあらためて確認したのだが、真面目な話かどうかにかかわらず、一瞬の間のあとに、「ウィ~~」とか、「ラスタピ~ヤ~」とかおどけ、そこで誰かにツッコまれるか、でなければ一瞬周囲を見渡したあと、「ヘタこいた~」→「そんなの関係ねぇ」のパターン。場を破壊しているようで、ちゃんと方程式がある。この日も、「僕も一応今、ロマンを追わせてもらってますから……ウン……」顔とキャラに似合わぬカッコいいことを言ってしまってるが、誰も笑わず、小島も動かない。

 『徹子の部屋』に出演したときなどには、照れ隠しもあるかもしれないが、家族のことなど若干真面目よりの話をした直後に、「ウィ~~」。そこに徹子もノッて「ウィ~~」と返してくれたりして、それで場も面白くなる。見てるこっちも安心。『シーサー』でも、脱いだり暴走せずとも、「○○なんですよね、ウィ~~」というぐらいやってくれるほうが、そこそこ出演者もなごむだろうし、いいんじゃないかという気もするのだが、「ボケ一切禁止」「笑いをとること厳禁」といった厳重なお触れでも出されているのか、笑いはとりにいかない。

 BEGIN、相田、ゆうこりんという、自分以外オール”天然”キャラVS小島よしお。明らかに座りの悪い空気に思わず、「ガンバレ小島! 脱げ!」という気分にもなってしまう。

 番組終盤、小島が「久米島にカフェをひらきたい」という母の夢について話し、その店の名前を相談した。そのとき、「今年が2008年で、ブレイクしたのが2007年だからぁ」と、ゆうこりんが提案した店名が、コレ。


「2007年ブレイクカフェ」

 そこに相田が、

「カフェってブレイクする場所だし」

 と、うますぎるオチをつけてしまった。もちろん、一番面白かった場面が、ココ。小島、天然連合軍に惨敗。ピ~ヤ~~。
(太田サトル)

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最終更新:2008/12/23 12:00