女性誌「ハルメク」が掲げる「自分を“世界の中心”に」置く生き方とは?
発行部数トップの女性誌「ハルメク」(ハルメク)。定期購読しないと読めない雑誌のため、中身が気になっている方もいるのでは? 購読契約した筆者が、ハルメクの世界観をレビューしていきます。2026年4月号をさっそくチェックしていきましょう!
目次
・「自分を“世界の中心”に」ハルメクが説く“解放”の中身
・SNSでは味わえない「読者ページ」の魅力
・「ひとり旅」特集がまず“気持ち”から始まる理由
「自分を“世界の中心”に」ハルメクが説く“解放”の中身
4月号の特集は「やめてラクに楽しく暮らす新習慣」。女性誌では春の定番テーマの「新習慣」ですが、ポイントは「やめて」「ラクに」「楽しく」という欲張り3ワードでしょう。
ハルメクは語りかけます。「これが当たり前だから」「今までそうだったから」そんな理由でがんばって続けてきたもの、60代、70代からは見直しませんか、と。そして「自分を“世界の中心”においてみたら、自由で新しい暮らし方が見えてくるかもしれません」と。
提案するのは「家事」「人付き合い」の見直しです。実例として、74歳の「主婦・ユーチューバー」もののはずみさんが登場。YouTuberではなく“ユーチューバー”と表記するあたりも印象的です。99歳の義母、夫、息子と4人暮らしのはずみさんは、60代後半からお中元やお歳暮、年賀状をやめたらスッキリしたんだそう。
家事に関しても、大きな掃除機をやめてコードレス掃除機にしたら快適になったとか。テレビショッピング「ジャパネットたかた」ではコードレス掃除機が定期的に登場し、「今ある掃除機がまだ使えるから、と言われる方も多いですが、買い替えると本当に便利!」とプッシュしているんですよね。正直、もう少数派かと思っていましたが、さすがジャパネットたかたです。
ほかにも、美容やファッションの「思い込み」をやめましょう、という素敵な切り口も。「『私はこんな顔』と決めつけず、“今の私”に興味をもつこと」なんて言葉には、思わずドキリとします。
アドバイスを寄せている美容やファッションのプロも60代以降の女性なのですが、彼女たちの現在の姿とセットで掲載された“あの頃の私”の写真が、なんとも良いのです。「諦めモードに入ってた50代」とか「40歳頃。スキがなさ過ぎてとっつきにくい(笑)」なんて言葉で振り返っていて、過去を肯定した現在の充実ぶりが伝わってきます。
翻って、特集の端々からこの世代が昭和世代の「当たり前」に疲れていることが感じられました。親戚付き合いは当たり前、家事は苦労して当たり前、夫に3食用意して当たり前、自分は後回しで当然……。“やめてもいい”と明言されることの安心感と解放感は大きいですよね。
SNSでは味わえない「読者ページ」の魅力
読者のお便りページ「ハルメクCafe」。このページ、雰囲気が良いです。フリーテーマのほか月ごとのテーマが設定されているらしく、今号は「思い出の絵本」「ハルメクでつながる気持ち」「音楽、始めました」の3テーマになっています。
フリーテーマでは、念願のおせちを購入し、三が日で完食。しかし味覚障害を発症したので味がわからなかった、なんてお話が。少しさみしいエピソードなのに、筆致は明るいのです。絵本の思い出のお便りでは、『どうぶつサーカスはじまるよ』に出てくるフレーズと震災の体験を重ねたものがあり、こちらも暗さがありません。
こうしたちょっとしたエピソードはSNSでたくさん読めるようになりましたが、人気取りやウケ狙いに走らない「ハルメク」読者のお便りはじんわり滲みます。「雑誌文化の宝だなぁ」と思わず胸がいっぱいになりました。
なお、6月号のテーマは「『あの頃の私』に伝えたいこと」。迷いの中にいた過去の自分に声を掛けてあげられるとしたら、どんな言葉? だそうです。どうやらハルメクは「あの頃の私」も世界観のひとつに置いていそうです。
「ひとり旅」特集がまず“気持ち”から始まる理由
第3特集は「ひとり旅のはじめ方」。近年、ハルメク世代の女性の間で注目が集まっているんだとか。女性誌ではよく見るテーマの「ひとり旅」ですが、「ハルメク」はやっぱり違います。まず、なにから提案すると思いますか?
正解は「計画の前に、まずは旅を想像してみる」。「旅に行きたい!」と自分の気持ちを奮起させましょうというのです。40代半ばの筆者、近頃は旅行が億劫で、腰が重くなっているなと感じていたところ。「ハルメク」は、このあたりの掬い方がうまい!
以降の内容も、移動にお金を惜しまない、荷物は自分で持てる範囲に、スケジュールは詰め込みすぎない、と「旅に出る以前」の心の持ちようが指南されます。このポイントは、中高年の推し活遠征でも押さえておきたいですね。
実例として、なんと81歳にして初めてひとり旅をした方のエピソードも。青森から京都という旅程で、1日目から神社をいくつも巡り、祇園にも足を運んだとのこと。移動疲れとは無縁、初日からめちゃくちゃアクティブで仰天です。
そしてもちろん(?)、この特集はタイアップへの導線。その後に展開されるのは、クルーズ旅や京都のバスツアー、北海道ツアーなどのお知らせです。ハルメク主催イベントも挟み込まれ、実に150ページから167ページまでがタイアップ&広告となっています。
これがまた魅力的で、筆者もうっかり5月開催の「花さんぽ」イベントに行ってしまいそうです。実によくできた特集展開でした!
というわけで、初めての「ハルメク」は、編集部のメッセージと読者の雰囲気が心地よい体験でした。次号はもっと深く、その世界観を探っていきますよ!