サイゾーウーマン芸能テレビ復活『マジカル頭脳パワー!!』下ネタ連発が賛否 芸能 復活『マジカル頭脳パワー!!』の下ネタ連発が賛否 元Pが語る「平成」で地上波の下ネタが受けた理由 2025/06/06 17:00 サイゾーオンライン編集部 芸能ウラ情報 【サイゾーオンラインより】 『マジカル頭脳パワー!!2025』で司会を務めた山崎亮太。(写真:Getty Imagesより) 往年の人気クイズ番組の復活版となる『マジカル頭脳パワー!!2025』(日本テレビ系)が、5月24日に放送された。当時の出演者も登場するなど懐かしい雰囲気に包まれた同番組だったが、出題された問題の中には“下ネタ”を狙ったものが含まれており、笑いを呼び起こす一方で物議を醸すことにもなってしまった。 1990年10月から1999年9月まで放送されていた『マジカル頭脳パワー!!』。板東英二がMCを務め、所ジョージ、今田耕司、俵孝太郎、千堂あきほ、間寛平らがレギュラー解答者としてさまざまなクイズや頭を使うゲームに挑戦した。前の人が言った言葉から連想するものを次々と答えていく「マジカルバナナ」は、今や誰もが知るパーティーゲームとして定着している。 さて今回の復活版では、南海キャンディーズの山里亮太と同番組の2代目アシスタントである永野美奈子がMCを担当し、所ジョージや加藤紀子、間寛平といった当時のレギュラー陣も出演。かつての雰囲気を再現した“下ネタ”につながる問題も出題され、コンプライアンスに厳しい昨今のテレビ番組では珍しいとあって、SNSをザワつかせた。 たとえば、「さんぽ」という言葉を裏返しに見せて何という言葉かを問う問題では、解答者の紺野ぶるまが「ちん●!」(●の部分はモザイク処理)と大きな声で解答。ハプニングというテイだったが、誤答を狙った出題だったことはいうまでもない。ほかにも「あたまに『ち』がつくぶら下がっているものは?」「あたまに『え』がつく気持ちいいものは?」「あたまに『う』がつくやわらかいものは?」などの問題が出題され、それぞれ「ちんぽ」「エッチ」「うんこ」の誤答を想定していたものと思われる。 当時の同番組では同様の問題が多数出題されており、その雰囲気を再現したものともいえるが、SNSでは〈普通に笑った〉という声がある一方で、 〈下品すぎ〉 〈ファミリーが見そうな番組で下ネタぶっこむことがおもしろいって思ってる感じ??ww〉 と否定的な声や、昔見ていたという人からも 〈こんなに卑劣な下ネタクイズはなかった気がするんだけど〉 〈昔からこんな下ネタ連想させるような答え多かったかなあ?〉 〈当時は普通に流れていたであろう下ネタがしんどいな……〉 と疑問を抱く声が散見される。 当時は視聴率30%を超えることもあったほど多くの視聴者に支持されていた同番組。そもそも平成のバラエティ番組では今よりもコンプライアンスが“ゆるく”、「下ネタ」も珍しくはなかった。なぜ、こんなに「下ネタ」の受け入れられ方は変わったのか。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏が、分析する。 なぜ、昔は「下ネタ」が“許された”のか 鎮目氏が指摘するのは、人々の視聴習慣だ。 「昔のバラエティ番組は、家族みんなでお茶の間で見ていることが前提。下ネタが登場しそうな番組は先に親が見せないようにするとか、想定外に出てきても、それを含めて子どもたちにとっては日常の“刺激”だったんだと思います。さらにその下ネタに対しての“ツッコミ”が家族や学校での会話のネタにもなっていました。 しかし、今はバラエティでも家族より個人で見る時代。内容に“ツッコミ”を入れる場は、お茶の間や学校ではなくSNSに移っています。家族や友達であれば、ある程度価値観が似ている、もしくは理解し合っている者同士なので、話も盛り上がるでしょう。 でも、SNSにはさまざまな属性の人、さまざまな価値観・考え方の人がいて、どんなトピックでも必ず“賛否”が出る。それが下ネタともなれば、意見のぶつかり合いも激しくなります。つまり、今の時代は下ネタでおもしろがってもらうためのハードルが、かつてに比べてかなり高くなっているというわけです」 昨今、コンプライアンス遵守の流れが強まり、地上波テレビでは過激な表現や性的な表現が難しくなっているとされている。しかし鎮目氏によると、現在の地上波でそうした表現が減っているのは、コンプライアンスが先にあるわけではないという。 「先にお話ししたように、下ネタを含めた過激な表現は、“ムラ”で盛り上がる話題。小さなコミュニティで楽しむものです。しかし個人で番組を見てSNS上で議論にする今の時代は、“ムラ”で閉じておくことができず、発信した内容が別のムラから攻撃されるリスクすらある。一歩間違えれば、番組やタレントが炎上するリスクがあります。そうなると、炎上を回避したい番組側としては過激表現は避ける。結果的にコンプライアンスを意識せざるを得なくなってくるということです」 下ネタは“ムラ”で楽しむもの。Xで見られる、〈深夜のお笑い番組とか、YouTubeでやりゃいいのに。求めてないとこで下品な下ネタ出てきても笑えないんだよな〉という意見が、まさに“下ネタを発信していい場所が変わってきた”ことを象徴しているだろう。 「おバカ解答」に冷めるようになった視聴者 またクイズ番組の差別化において、“おバカ解答”は番組のスパイスとなりうる要素である。今回の復活版ではなにわ男子の大橋和也が下ネタを含む“おバカ解答”を連発し、SNSでは〈大橋くんおもろすぎ〉と話題になっていたが、〈なにわ男子の大橋、誤答連発はスタッフの指示だろうね。大橋かわいそう〉と冷めた意見も。 前出の鎮目氏が“刺激のマンネリ化”を指摘する。 「かつてのバラエティ番組に出演するタレントさんは私生活がわからない人も多く、そういった人が下ネタをポロッと言ったり、おバカな解答をしたりすることで、視聴者がその意外性にワクワクすることができました。でも今はSNSやYouTubeもあって、タレントが素の姿を見せる機会が多く、多少のおバカ発言をしたところで、その刺激や意外性はあまりありません。 さらには、最初から“おバカ”であることを売りにしているケースも多いですよね。そのタレントのファンであればおバカ解答でも喜ぶかもしれませんが、それ以外の視聴者にしてはつまらない印象にしかならない。制作側はSNSで話題になることを狙って、最初からおバカを言ってくれそうなタレントもキャスティングしがちですが、視聴者もだんだん慣れてきているので、制作側が“おバカ”を狙えば狙うほど、白けてしまう。クイズ番組での“おバカ解答”の刺激はよほどじゃない限り、その存在意義はなくなっていると思います」(鎮目氏) 一方で、『マジカル頭脳パワー!!2025』の姿勢について、〈日テレ凄かった〉と評価する声もあった。 「賛否はあっても『昔はこうだった』と盛り上がることができる番組だったのは確かです。かつての番組を復活させる際、いちばんよくないのは、どういう背景があって当時そういう内容だったかを考えずに、ただ“過激だから受けた”といった感じで履き違えて、それを猿真似すること。今回日テレの制作陣は、当然昔の『マジカル―』でウケた回の特徴を議論したでしょうし、下ネタを入れることにもかなりの勇気がいったはずです。その意味では賛否も想定済みで、苦心してバランスをとったと思いますよ。ただやはり、これがレギュラーにはならない。あくまでも特番だからできたことです」(鎮目氏) 視聴者のスタンスは時代とともに変わっていく。今回の『マジカル頭脳パワー!!』で、下ネタのあり方について考えさせられた人は、案外多かったかもしれない。 (取材・文=サイゾーオンライン編集部) サイゾーオンライン編集部 芸能・政治・社会・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト。 X:@cyzo サイゾーオンライン 最終更新:2025/06/06 17:00 関連記事 草なぎ剛、『with MUSIC』で「木村くん」発言? 新しい地図初の音楽番組出演に反響嵐・相葉雅紀『みんなの動物園』、番組継続も……ファンは内容改善を要求のワケ『バイキングMORE』『今くら』……打ち切り番組に見る、フジテレビの“失策”と日本テレビの“抜かりなさ”King & Princeの空中分解で、日本テレビ大打撃――『King & Princeる。』を「視聴率の取れる時間帯」に移す予定だった?日テレ、20年ぶり『THE夜もヒッパレ』復活の大嘘? 推し続けるお粗末な事情 次の記事 Number_iら4組で一番良い夫になりそうな人は? >