なにわ男子・道枝駿佑、特徴を演技のプロが解説! 『キャスター』永野芽郁とのシーンで注目すべき点は?
【サイゾーオンラインより】
報道番組「ニュースゲート」を舞台に描かれる社会派エンターテインメント『キャスター』(TBS系、日曜午後9時)。主演の阿部寛と「日曜劇場」枠の組み合わせは“テッパン”ともいわれ、今作も初回から平均世帯視聴率14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録した。
同作はメインキャストとして、「ニュースゲート」の総合演出を演じる永野芽郁や、入社2年目のアシスタントディレクター(AD)を演じるなにわ男子・道枝駿佑が出演。
かつてはその演技力が物議を醸すこともあった道枝だが、『キャスター』の放送後はネット上で「道枝くん久々に見たけど、演技うまくなっててびっくり」「みっちー、ますます演技うまくなってる!」などと驚きの反応も目立っていた。
そこで、『キャスター』での道枝の演技について舞台企画制作や俳優のマネジメントと育成を行うプロダクション「THEATER LAB TOKYO」の代表を務める演出家で俳優の秋草瑠衣子氏に解説してもらった。
目次
・道枝駿佑が「海外留学していた人」に見える
・永野芽郁とのシーンで「遠慮がない」
道枝駿佑が「海外留学していた人」に見える
私はあまりテレビドラマを見ないので久しぶりに道枝さんの演技を拝見しましたが、まず最初に感じたことは『大人になったなぁ』でした(笑)。
『消えた初恋』(テレビ朝日、2021年10月期)や『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系、22年4月期)で主演をされていたことが記憶に新しく、その時は“明るくて周りと打ち解けやすそうな美少年”という印象でしたが、今回のドラマでは、大人社会で揉まれながら強く生きている若き社会人をしっかりと演じておられ、その成長ぶりに驚きました。
以前は周りのサブキャストたちから“支えられる主演”という立ち位置でしたが、今回は阿部さんや永野さんを横から支える存在になっています。さらに、このドラマは大御所と呼べるような大物俳優さんも多く出演していますが、その中でもアイドルではなく俳優としてしっかり存在感を出せているのにも驚きでした。
道枝さん演じるADの本橋悠介は、アメリカの大学に留学していた国際派。私は、道枝さんはこの“ジャーナリストに憧れる国際派の若者”をうまく体現されているなと思い、ドラマを拝見しました。
ヘアメイクや衣装さんの力もあるとは思うのですが、本橋の服装や髪型も現代の日本の流行というよりはアメリカの大学院生のような雰囲気があり、道枝さんはそれを自然に着こなしているので、いかにも“海外留学していた人”に私からは見えました。
永野芽郁とのシーンで「遠慮がない」
そして本橋は、テレビ局・JBNの先輩たちにも日本の体育会系のようにペコペコしたり、媚びたりは一切しません。第1話のタクシーで永野さん演じる崎久保華の携帯を見せてもらうシーンでは、一応ペコっとおじぎをする仕草をしてから携帯を取っていますが、その様子にはあまり遠慮というものがありません。
私にはそういった姿が、自己主張がないと埋もれてしまうアメリカの環境で勉強してきた若者をうまく表現しているように見えました。
そして第3話では、道枝さんの真っ直ぐで澄んだ瞳が印象的でした。目が泳いだり、キョロキョロといろいろなところを見たりしないんですね。しゃべる時や誰かの話を聞く時も、基本的に真っ直ぐと人の目を、または一点を見ていることが多く、そこに本橋の真っ直ぐさが表れていますし、怒りや悔しさ、閃きなどもよく目に表れています。
相変わらず明るくて周りと打ち解けやすそうな美青年でありつつ、さらにそこに真っ直ぐさと芯の強さが見える役作りと、主演を支える表現ができていると思います。
今後の俳優としての活動も楽しみですが、個人的にはどうしようもない悪~い悪役なんかも見てみたいです。道枝さんが演じると、どこか憎めない役になってしまいそうなのですが、そこをなんとか視聴者みんなから憎まれるくらいの悪役に挑戦してみてほしいです。