サイゾーウーマン男性アイドルSTARTO(旧ジャニーズ)ジュニアジュニア再編成も、見えない「責任の所在」 男性アイドル 【ジュニア四季報】 ジュニア3組が再編成も、見えない「責任の所在」――発表における問題点と、新グループに願うこと 2025/03/11 21:00 太田サトル(ライター、アイドルウォッチャー) 7MEN侍ジュニア 【サイゾーオンラインより】 元7 MEN 侍の6名(写真:サイゾーウーマン) STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)から新たに誕生した、ジュニア内ユニット「ACEes(エイシーズ)」「KEY TO LIT(キテレツ)」「B&ZAI(バンザイ)」の3組。既存グループのHiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍は事実上の解散となり、多くのファンがショックを受けています。その背景や、新グループへの期待を、ライター・太田サトルがつづります。 目次 ・ジュニア新グループ誕生で、7 MEN 侍「ジュニア大賞」全部門制覇が幻に ・過去にもあった「事実上のグループ解体」 ・新グループ誕生で、ファンからヘイトが生まれるワケ ・ジュニア新グループの発表における「一番の問題」 ・グループ名から感じられる、旧ジャニーズ時代の名残り ジュニアに新グループ3組誕生で、7 MEN 侍「ジュニア大賞」全46部門制覇が幻の記録に 毎年恒例、アイドル雑誌「Myojo」(集英社)の読者投票による名物企画「あなたが選ぶジュニア大賞2025」の結果が、4月号にて発表された。 例年大きな注目が集まる「恋人にしたいジュニア」部門で中村嶺亜が3年連続1位を獲得したことを筆頭に、「弟にしたい」部門や「学校の先生になってほしい」部門、「いちばんおしゃれ」部門、「天然キャラっぽい」部門、「泣き虫そう」部門、「クレーンゲームが上手そう」部門、「少女マンガで主人公に片想いするけど報われないキャラっぽい」部門など、対象外となる高校生以下限定部門をのぞく全46部門で元7 MEN 侍のメンバーがそれぞれ1位を独占した。 本来ならメンバーも“痺愛”(7 MEN 侍ファンの呼称)も、この結果に胸を張りたかっただろう。しかし、7 MEN 侍というグループは、この世界から消滅してしまった。7 MEN 侍による「ジュニア大賞」全部門制覇という快挙は幻の記録となった。 2月16日、ジュニア(旧ジャニーズJr.)の新たな3グループの結成が発表された。すでに多くのメディア等でも紹介されているが、各グループ名とメンバーは、以下の通りだ。 ・ACEes/エイシーズ:浮所飛貴(美)、那須雄登(美)、作間龍斗(Hi)、深田竜生(忍)、佐藤龍我(美) ・KEY TO LIT/キテレツ:岩﨑大昇(美)、井上瑞稀(Hi)、中村嶺亜(侍)、猪狩蒼弥(Hi)、佐々木大光(侍) ・B&ZAI/バンザイ:橋本涼(Hi)、矢花黎(侍)、今野大輝(侍)、菅田琳寧(侍)、本髙克樹(侍)、鈴木悠仁(忍)、川﨑星輝(忍)、稲葉通陽(忍) ※メンバー名の後の( )内は、旧所属グループの略 説明不要かと思うが、それぞれジュニアの主力グループとして活躍し続けた、HiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍、そして少年忍者の4グループのメンバーからの組み合わせで構成されたグループである。今回の新グループ結成によってHiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍の3グループは事実上解体、少年忍者は上の4人(4忍?)をのぞく17名(17忍?)のメンバーで今後活動する予定となる。 Ya-Ya-yah、B.I.Shadowほか……過去にもあった「事実上のグループ解体」 今回のジュニア解体と再編成は、アイドル誌等でのジュニア登場ページが既存のグループでなくシャッフルされた状態での掲載が続いたことや、一部メディアでグループ表記がなくなっていたりしたことなどからもうわさされていたが、それが現実のものとなったかたちだ。 この発表に際して、ファンに衝撃や混乱、あるいは悲しみや絶望を与えたことで、ブログなどを通じてファンに謝罪混じりの報告をするメンバーも少なからず存在した。もちろん皆、前向きな発言をしていたが、この新グループ結成は、すべてのメンバーが望んだかたちではないことは明白ではないだろうか。 ジュニアとは、未来のCDデビューあるいは俳優として本格的に活躍することを目指す研修生・練習生的存在であることは誰もが知ることだ。 例えば、Hey!Say!JUMP結成(2007年9月)にともなうYa-Ya-yahや、Sexy Zone結成(11年9月)時のB.I.Shadowなど、新たにデビューグループを誕生させるためによりベストな人選を事務所側が行った結果、既存のジュニアグループ/ユニットからメンバーが選抜され、そのグループは事実上の解体となったことは過去に何度もあった。 「ジュニア」というシステムやあり方自体を大きく変革する時期がきているのかもしれないが、いずれにせよ今回はデビュー発表にともなった解体ではなく、あくまでジュニア内での新グループ、しかも3組同時に誕生という大掛かりなものである。 新グループ誕生で、ジュニアファンからヘイトが生まれるワケ 前記の通り、過去のグループ解体も、当然当時のグループを応援していたファンからは強烈なヘイトを生み出すこととなり、ときに「亡霊」とも呼ばれる存在しない旧グループを応援し続けるファンも多数生み出してしまった。 少年忍者を含む4グループは、それぞれ単独でアリーナ規模のコンサートも成功させたり、HiHi Jetsは地上波での冠番組を持っていたなど、実績はそれぞれ申し分ないはずである。それぞれのファンのほとんどが、今までのグループのかたちでのデビューを望んでいたことは間違いないだろう。 順調にいけばそのままのかたちで大きな問題はなかったように感じられる(もしかしたらメンバー間がものすごく不仲で、「アイツとだけは絶対やっていけない」といった問題を抱えていた可能性もなくはないかもしれないが、今回対象となったグループが一度にそんな状況だったというのもおかしな話である)。 さらに、活動を継続する少年忍者以外の3グループがこれまで発表してきた多数のオリジナル曲はどうなってしまうのか。それを新グループが受け継ぐとなったらなったで、また新たなヘイトが生まれてしまうことは明らかだ。 ジュニア新グループの発表における「一番の問題」とは? 加えてややこしかったのが、今回のジュニア新グループ発表は、かねてよりNetflixでオーディションの模様を配信していたtimeleszの新メンバー発表の翌日に行われたことだ。 既報通り、合格した5名はtimeleszの一員としてデビューし、活動を開始している。その中には、かつてジュニアとして活動した寺西拓人と原嘉孝も含まれるが、残り3名は事務所の長年の伝統であったジュニアでの活動を経ずに、一般公募枠からデビュー(もちろん入所していきなりデビューした例も過去にはあるだろうが)を掴んだわけだ。 長年自担のデビューを夢見て応援してきたファンがそれを素直に喜べるはずもない。むしろ新グループ結成で、また一歩デビューから後退したという見方もできるかもしれないからだ。結果的にtimeleszに対するヘイトまで一部に生み出してしまったことは、タイミングが悪すぎたといっていい。 過去のこうした大きな組み替えは、故ジャニー喜多川氏という、圧倒的な説得力をもった存在があったからこそ、不満や悲しみを抱きつつも受け入れ続けた歴史があった。 今回の新グループ結成に至っては、現時点では誰が選んだのか、個人または会議等で複数の人間によって話し合いを重ねた結果なのか、なぜ組み替えをする必要があたのか、それぞれのグループのコンセプトなどどういう意図のもと結成され、どのような方向を目指して活動するのか(これはある程度説明されていたが)、それらの説明や決定にあたっての責任の所在がまったく見えない“密室感”がより強くなったようにもとらえられるところが一番の問題ではないだろうか。とりあえず不満や怒りの矛先すら見つからない現状には、戸惑うばかりだ。 もちろん、福田淳STARTO ENTERTAINMENT社長の名のもとでもいいだろうし(もちろんそれで納得するかどうかは別の話として)、20th Century・井ノ原快彦やKinKi Kids・堂本光一、嵐・櫻井翔といったベテラン勢が決めたことなら、あるいは関西ジュニアのプロデュースを一部担当し、なにわ男子やAぇ! groupをデビューまで導いた実績のあるSUPER FIGHT・大倉忠義ならと、前社長の時代のようにモヤモヤした感情を抱きつつも矛を収めることができたかもしれない。 まるで“ジェネリック版”? グループ名から感じられる、旧ジャニーズ時代の名残り 現状としては、「あなたの推しは今日からキテレツです」とある日突然言われ、勝手に出港してしまったキテレツ号やバンザイ号に乗るか降りるかだけを迫られた状況になっているというところだろうか。グループとしては存続する少年忍者だって、その優れたパフォーマンスに欠かせないメンバーが何人も引き抜かれたのは大きな損失だろう。 なんとなくグループ名には旧ジャニーズ時代の名残りをにおわせるような意図も感じられるが、それはそれで模倣、“ジェネリック版”のように感じられることもまた、一部ファンの神経を逆撫でしているような気もする。事実、SNS上では先代に「生き返ってなんとかしてくれ」と懇願するファンも見受けられたりもした。 ともかく、十数名のジュニアたちの人生に大きすぎる転機となった今回の新グループ結成。ファンを含めた皆にとって、できるだけ幸福な選択であった、グループ名も大正解であったと思えるようなその先を願いたい。 とりあえず、自分でも一言文字として残しておきたい。 「7 MEN 侍」のみなさん、「ジュニア大賞」全46部門1位制覇おめでとうございます! 「ジュニア大賞」の“絶対性”薄れる? 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