「ジュニア大賞」の“絶対性”薄れる? 新グループ結成の波乱で、結果にファン嘆き
アイドル誌「Myojo」(集英社)が実施している毎年恒例の読者投票企画「あなたが選ぶジュニア大賞」(以下、「ジュニア大賞」)。事実上の“人気ランキング”とも言える結果が、2月20日発売の同誌2025年4月号で明らかになった。先日、ジュニア内ユニットの再編成が発表されたばかりとあって、ファンからはさまざまな声が上がっている。
目次
・「ジュニア大賞」のこれまで
・第31回は、中村嶺亜が「恋人にしたい」部門で3連覇
・「ジュニア大賞」の“絶対性”が「薄れてきている」と言えるワケ
「Myojo」恒例読者投票企画「ジュニア大賞」のこれまで
今回で31回目を迎えた「ジュニア大賞」は、「友だちにしたい」「弟にしたい」といったさまざまな項目にあてはまるジュニアを選ぶ投票企画で、中でもメインとなっているのが「恋人にしたい」部門だ。
同企画は1995年にスタートし、第1回は森田剛と三宅健が同数1位を獲得。ほかにも、滝沢秀明(第4回)、相葉雅紀(嵐/第5回)、山下智久(第6~8回)、亀梨和也(KAT-TUN/第9回)、赤西仁(元KAT-TUN/第10~12回)、山田涼介(Hey!Say!JUMP/第14回)ら、歴代1位に輝いたジュニアのほとんどがのちにCDデビューを果たしている。
また、King&Princeの元メンバー・岩橋玄樹は第20~24回まで5連覇し、以降の3年は西畑大吾(なにわ男子)が1位をキープ。第28回(22年2月発表)でトップに立ったTravis Japan・松田元太は、その年の10月に1stデジタルシングル「JUST DANCE!」で全世界デビューした。
そして、第29回と第30回は中村嶺亜(投票時点では7 MEN 侍、現・KEY TO LIT)が2連覇を達成。なお、昨年2月に結果が発表された第30回で正門良規と末澤誠也が3位と4位にランクインしていた関西ジュニアのAぇ! groupは、同年5月にCDデビュー。今回、空いた枠を誰が埋めるのか注目が集まっていた。
「ジュニア大賞」第31回は、中村嶺亜が「恋人にしたい」部門3連覇!
「『Myojo』4月号によると、今回も中村が見事に3連覇を果たしたほか、7 MEN 侍はメンバー6人中、4人がトップ10以内にランクインするほどの大健闘を見せました。また、彼らは高校生以下限定部門以外の42部門の1位を総なめ。全体的に7 MEN 侍が活躍した『ジュニア大賞』でした」(芸能ライター)
なお、「ジュニア大賞」の投票用紙は毎年12、1月号の2号についており、第31回の応募締め切りは昨年12月1日だったが、当時は、ジュニアの中心的存在だった高橋優斗(元HiHi Jets)が昨年10月1日午前0時をもって退所したことを皮切りに、鮫島令(元Go!Go!kids、10月末に退所)、金指一世(元美 少年所属、11月1日午前0時に退所)も事務所を離脱するなど、ジュニア界は異変が続いていた。
「『恋人にしたい』部門は『CDデビューへの登竜門』と言われているため、7 MEN 侍のファンは次こそ彼らにデビューしてほしいと願い、一丸となって投票したのでしょう。一方、今回の投票期間はファンの間で既存グループの解体や再編成のうわさが広まっている最中でしたし、退所者も相次ぎ、ファンは“今後、応援しているタレントやグループがどうなるのか”という不安を抱えていたタイミングでの開催とあって、『ジュニア大賞』に対するモチベーションが下がっていた人も多かったとみられます」(前出・同)
そんな中、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、STARTO)は2月16日にHiHi Jets、美 少年、7 MEN 侍、少年忍者のメンバーをシャッフルし、新たに「ACEes(エイシーズ)」「KEY TO LIT(キテレツ)」「B&ZAI(バンザイ)」という3つのユニットが誕生したことを報告。
ACEesは浮所飛貴、佐藤龍我、那須雄登(元美 少年)、作間龍斗(元HiHi Jets)、深田竜生(元少年忍者)の5人で結成。KEY TO LITは岩崎大昇(元美 少年)、井上瑞稀・猪狩蒼弥(元HiHi Jets)、佐々木大光・中村(元7 MEN 侍)の5人、B&ZAIは橋本涼(元HiHi Jets)、今野大輝、菅田琳寧、本高克樹、矢花黎(元7 MEN 侍)、稲葉通陽、鈴木悠仁、川崎星輝(元少年忍者)の8人組となっている。
「ジュニア大賞」の“絶対性”が「薄れてきている」と言えるワケ――ファンからはさまざまな意見
こうした中で発表された「ジュニア大賞」について、書籍『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)、『夢物語は終わらない ~影と光の“ジャニーズ”論~』(文藝春秋)の著者であり、旧事務所時代からジャニーズタレントを追い続けている霜田明寛氏が解説する。
「今回の『ジュニア大賞』は、グループ解体が囁かれる中で投票が行われ、結果発表時には新たなグループ編成が発表されているという絶妙な時期での実施となりました。さまざまな項目がある中、メインの『恋人にしたい』部門は、かつては山下智久さんが3連覇した翌年2003年にNEWSとしてデビューするなど、デビューの指標のひとつとして目されてきたんです」
なお、霜田氏によると、「当時は、ジュニアの人気を数値化して、公の場で発表されるものが、この『ジュニア大賞』くらいしかなかった」という。
「一方、近年では、YouTubeや各SNSなどで、簡単に数字を測ることができてしまいます。ほかにも指標がある中で、『ジュニア大賞』の投票結果の絶対性は薄れてきていると言っていいでしょう。もし事務所がこの投票を絶対視しているのであれば、結果発表後にランキングを参照して再編成を行ってもよかったはず。さらに、次期デビュー候補の筆頭株とうわさされるACEesメンバー5名が、『恋人にしたい』部門TOP30内でバラけてランクインしていることからも、近年はこの結果とデビューの相関性は薄れていく流れにあると考えられます」
また、第31回の結果を踏まえて、同氏はこう語る。
「『恋人にしたい』以外の部門でも1位を総なめするなど、7 MEN 侍の強さが伝わってきます。これは、7 MEN 侍がいかにジュニアのファンに支持されていたか、その深さの表れのように思えます。解体がうわさされていた中、7 MEN 侍という独自の魅力を放つグループは絶対に解体してはならないというファンの強い想いが伝わってくるようで、今、この結果を見ると、とても切ない気持ちになってしまいます」
SNS上のジュニアファンからは、「嶺亜くん3連覇おめでとう!」「ほんとに侍担にはかなわないすごい 3連覇おめでとうございます」などと素直に祝福する声が上がっている一方、「7 MEN 侍ファンの努力を感じた。なんでこんなに団結力のあるファンをバラバラにさせたの?」「こんなにも愛されてるグループを解体させるなんて……」「残酷すぎる」などと嘆く声が続出。
また、「『ジュニア大賞』に今どれほどの価値があるのか」との疑問や、「来年はどのグループもデビューして大賞から卒業してほしい」といった声など、さまざまな意見が広がっている。
昨年秋から波乱続きのジュニア界だが、新たに結成されたACEes、KEY TO LIT、B&ZAIの中から、デビューの切符をつかむグループは誕生するのだろうか?