サイゾーウーマン暮らし食べ物【カスミ】カフェ誕生、ヤオコーとの違いは? 暮らし 話題のスーパー探訪 高級路線スーパー【カスミ】にカフェ誕生! 食べてわかった【ヤオコー】カフェとの大きな違いは? 2024/11/08 15:00 阿左美賢治(ライター) カスミ 「カスミ 八潮大曽根店」の外観 (写真:サイゾーウーマン) 減収減益の苦境に立たされるスーパーマーケットチェーン「カスミ」。11月1日に埼玉県八潮市でオープンした八潮大曽根店には、店内でバイオーダーの食事を提供する「DELY BREAD」というカフェが設置されています。グルメライターがその実力を確かめるべく、店舗を訪れて実食してきました。 目次 ・【カスミ】とは? 減収減益の苦境 ・オープンセールの店員に思わず笑った ・【カスミ】カフェ「DELY BREAD」とは? ・1,078円「もっちり生パスタのジェノベーセ」実食! ・165円「黒ぶどうシャーベット」など実食 ・【カスミ】のカフェはスーパーとは思えないほど攻めた味わい! 【カスミ】とは? 減収減益の苦境 株式会社カスミが運営するスーパーマーケットチェーン「カスミ」。茨城県を発祥とし、神奈川県以外の関東1都5県に195店舗(4月末現在、公式サイトによる)を展開する同チェーンですが、現在は減収減益の逆風とも言える状況の中にあります。 株式会社カスミの親会社で、「マルエツ」や「マックスバリュ関東」も傘下とするユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社が7月9日に発表した2025年2月期第1四半期決算によると、同社の営業利益は前年比で95.0%減収の5800万円に。 この中では「マルエツ」は増収増益となったものの、「カスミ」と「マックスバリュ関東」は減収減益となっており、特に「カスミ」は営業収益が前年比3.1%減と、3チェーンの中で最も悪く、足を引っ張った形となっていました。 そんな苦境に立たされている同チェーンは、高級路線の新業態「BLANDE」を近年出店。店内に、「DELY BREAD」というイートイン・カフェスペースを設けている店舗もあり、このたび新オープンした「カスミ」八潮大曽根店でも同カフェを設置しているようです。 【カスミ】オープンセールの店員に思わず笑った 9月に「ヤオコー」の久喜吉羽店に設置された店内カフェコーナー「ヤオコー デリ&カフェ」を取材で訪れた筆者ですが、同じく新店舗で店内カフェを打ち出してきた「カスミ」に興味を抱いたため、店舗を訪れて実食することにしました。 「DELY BREAD」の実食と合わせ、オープンセールにも行こうと思っていた筆者でしたが、残念ながらオープン日には所用があったために訪れることが出来ず、オープン翌日となる2日に向かうことに。 2日目ということもあってか、混雑はそれほどでもありませんでしたが、この店舗のオープンセールは4日間にわたり開催されていたようで、この日は海老や国産豚ももが表示価格から半額となっており、十分にお得感がありました。 店内でもらったオープンセールのチラシ。4日間にわたるオープンセールは、さすがのお得感でした(写真:サイゾーウーマン) 最初に個人的な買い物を済ませてから「DELY BREAD」に行こうと店内を巡っていると、総菜コーナーで店員さんが「青コーナーより、焼きたての塩焼鳥の入場です!」と独特の言い回しで呼び込みをしているのに遭遇。 「青コーナーってことは、塩焼鳥はチャンピオンじゃなくてチャレンジャーなんだ……」と思いながら見ていましたが、その店員さんが「おいしさ、ジャーマンスープレックス!」と叫びながら奥の厨房へと帰っていき、思わず笑ってしまいました。 面白い店員さんに敬意を表して、本来買うつもりはなかったものの「国産焼鳥」のタレと塩(ともに105円、税込み/以下同)を6本ずつ購入。これは「カスミ」全体というよりは、店員さん個人の特徴なのかもしれませんが、売り場にこうした明るい雰囲気があるのには好感を抱きました。 その後、セール対象でグラム144円の「国産豚ランプトンテキ」を2種、見切り品で半額の322円になっていた「黒仕込みローストビーフ」、同じく見切り品で429円から300円になっていた「レンジアップ鶏肉蒸ししゃぶ」などを購入し、オープンセールと見切り品の合わせ技でお得な買い物に成功し大満足の結果に。 とはいえ、やはり筆者が通い詰める「ヤオコー」よりはちょっとお高めだな、という印象です(参考までに、「ヤオコー」の久喜吉羽店のオープンセールでは、国産豚肩ロースがグラム107円、オーストラリア産牛肉がグラム135円でした)。 今回個人的な買い物として購入した6点。どれもしっかりおいしかったです。(写真:サイゾーウーマン) 【カスミ】カフェ「DELY BREAD」とは? 買い物を終え、本命である「DELY BREAD」に向かい、食事をすることに。こちらは、レジでの支払い後、番号の書かれた食券を渡され、イートインコーナー内にあるモニターにその番号が表示されたら商品を受け取りにいく、という方式を採用しているようです。 今回は「もっちり生パスタのジェノベーセ」(1,078円)にドリンクを付けられるAセット(220円)で「ダージリン」のアイスをチョイスし、さらにデザートとして「黒ぶどうシャーベット」(165円)、「笠間栗ジェラート」(220円)も合わせて注文しました。 購入した4品(写真:サイゾーウーマン) 【カスミ】1,078円「もっちり生パスタのジェノベーセ」実食! 「もっちり生パスタのジェノベーゼ」のアップ(写真:サイゾーウーマン) ジェノベーゼソースが絡んだパスタには、粉チーズやバジルと思われるハーブが振りかけられています(写真:サイゾーウーマン) 皿の縁まで粉チーズなどが飛んでるのもオシャレ?(写真:サイゾーウーマン) パスタの後ろにはレタスが敷かれていました(写真:サイゾーウーマン) まずは「もっちり生パスタのジェノベーゼ」から実食します。ジェノベーゼソースが絡んだ太めの生パスタには、粉チーズやバジルと思われるハーブが振りかけられ、トマトが合わせられています。 一般的な市販品に比べるとかなりシンプルな味付けのソースと、もっちりとコシの強い麺の相性がかなり良く、ちょっとオシャレな味わい。 人によっては物足りなく感じる場合もありそうですが、筆者的には「いい素材をつかってます!」という自信が伝わってくるような気がしてアリでした。 一方で、食いしん坊な筆者にしてみると、価格の割にちょっと量が少ないな、と感じてしまった部分は否めません。また、皿の縁まで粉チーズやハーブが散っているのが若干気になりました。 いわゆるオシャレなカフェの量や価格帯と比較するのであれば、それでも十分に安いと言えるのかもしれませんが、こうした店内カフェにおいては、お得感も求めてしまうという人は多いのではないでしょうか。 「ああ、こういうところも高級路線なんだな」と思ってしまった次第です。 名前のとおりもっちりとしたパスタは、素材の味が活きたソースと相性◎(写真:サイゾーウーマン) Aセットで頼んだ「ダージリン」のアイスは、期待通りの味と表現するのがぴったりの味わいでした。 ダージリンアイスティー(写真:サイゾーウーマン) 【カスミ】165円「黒ぶどうシャーベット」など実食 「黒ぶどうシャーベット」と「笠間栗ジェラート」のアップ(写真:サイゾーウーマン) 「黒ぶどうシャーベット」にはなんとぶどうの皮が練り込まれておりビックリ(写真:サイゾーウーマン) 「笠間栗ジェラート」も、栗きんとんを食べているのかと思うほど、素材の味が強く出ていました(写真:サイゾーウーマン) 続いてデザートのシャーベットとジェラートを食べてみます。 「黒ぶどうシャーベット」は、一般的なぶどうフレーバーよりもかなりリアルな再現度。爽やかさや風味のみならず、青臭さまでもがきっちりと感じられる味わいでビックリ! シャーベットの中には細かく刻まれたぶどうの皮が練り込まれており、皮ごと食べられるぶどうを食べているような気分になる一品でした。 率直に言わせてもらえば、筆者にとっては100点満点の味わいで、これを食べるためにもう一度訪れたいと思わせるだけの一品です。 とはいえ、ここまで攻めたフレーバーにすると、万人向けとは言い難く、かなり好き嫌いが分かれるだろうな、とも思いました。 「笠間栗ジェラート」も、栗きんとんに勝るとも劣らないレベルで濃厚な栗の風味があり、こちらは筆者的には「おいしいけどジェラートとしてはもう少し軽いほうがいいかも……」と感じてしまうことに。 「もっちり生パスタのジェノベーゼ」のシンプルな味付けしかり、シャーベットやジェラートの攻めすぎた味わいしかり、“素材を活かす”というのが「DELY BREAD」のイズムということなのかもしれません。 【カスミ】カフェ、スーパーとは思えないほど攻めた味わい かつて訪れた「ヤオコー デリ&カフェ」は、同チェーンのインストアベーカリーで売られている「ロイヤルブレッド」を使った「厚切りトースト」のモーニングセットと、総菜コーナーで販売されている「手仕込みロースとんかつ」を作りたてで提供する「手仕込みロースとんかつ定食」「手仕込みかつ重」を中心としたラインナップを販売。お馴染みの味わいを作り立てで食べられるというのが特徴となっていました。 一方で、「DELY BREAD」は素材の魅力を活かしつつ、スーパー内に設置されたカフェとは思えないほどに攻めた味わいの品を提供する、というのが特徴のように感じられます。 「同じスーパーマーケットチェーンの店内カフェでも、がなり違いがあるんだなあ」と思ってしまった次第です。 冒頭で述べたとおり、現在は苦境に立たされている「カスミ」ですが、その状況を乗り越え、この攻めた味わいが多くの人に楽しんでもらえるようになれるよう、今後も応援していきたいと思います! 阿左美賢治(ライター) 食品スーパー「ヤオコー」を愛する埼玉在住グルメライター。中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢でもある。コンビニやチェーン店のグルメにも詳しい。趣味はスイーツ作り。 記事一覧 最終更新:2024/11/08 15:00 西べっち食べたい 関連記事 都内初の“高質食品”スーパー【ブランデ】とは? 買い物で“美しさに目が釘付け”に!売上減少続く食品スーパー【カスミ】、行ってわかった苦戦のワケ……高級イメージの実態は?人気スーパー【ヤオコー】にカフェ誕生! 400円モーニング食べたら、ぜいたくな味わいでかなりアリ!【ヤオコー】「食べていて幸せな気持ちになる」おすすめPBゼリー1位は? グルメライターが実食ランキングオーケー、トライアル、ヤオコーほか「かつ重」6つ食べてみた! 低価格で一番おいしいのは? 次の記事 『KOC』決勝メンバーで仕事が増えそうなのは? >