嵐・大野智、引退に向けて再始動!? 真相がよくわからない「女性自身」の匂わせ記事
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
先日の衆院選で過半数割れという結果となった与党・自民党。 裏金問題や裏金議員への2,000万円もの“政党助成金プレゼント”が発覚するなど、当然の結果だろう。少数与党となった今後の政権運営は、そして石破首相の去就はどうなるかなど、さらに混乱が予想される。そして躍進の立憲民主党を中心とした野党結束による政権交代はあるのか、国民民主党はどんな判断をするのか――注視を続けたい。
目次
・今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
・嵐・大野智“引退”を匂わせる「女性自身」の妙な記事
・ピーコ追悼記事の女性週刊誌らしさ
・百恵さんの実父との確執を振り返る記事
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第721回(10/24〜10/29発売号より)
1位「大野智 来春開催へ再始動――嵐引退ライブを一夜限りドームで」(「女性自身」11月12日・19日合併号)
2位「ピーコさん『私のお墓守って』晩年癒した最愛の人」」(「女性自身」11月12日・19日合併号)
3位「百恵さん『毒父でも最後は赦しを』愛嫁に自省の助言」(「女性自身」11月12日・19日合併号)
嵐・大野智“引退”を匂わせる「女性自身」の妙な記事
これは一体どのくらい信憑性があるのか。本当だったら大スクープだ。「女性自身」が放った嵐リーダー・大野智に関するトップ特集記事だが、嵐というグループの今後についてすごい事実を記している。だがしかし、実に妙な記事なのだ。
まず記事には、活動休止中の大野が「活動再開に前向きな姿勢になったといいます」と嵐の活動再開に期待を持たせる。しかし大野は長期的活動には難色を示し、復帰は「単発のライブ限定」で「人生を次のステージ」に進めたいという。奥歯に物が挟まったような言い回しだが、しかし記事は唐突にこんな“まとめ”に入る。
「ファンに別れを告げる“一夜限りの引退ライブ”に向けて再始動した大野」
そう、記事を読むと大野は芸能活動を再開するのではなく、引退に向けて動き出したということだ。大野が引退! これが本当なら一大事だ、大スクープである。さらに“5人で嵐”と常々宣言してきた嵐のこと、大野が引退すれば嵐も解散ということになる。スワッ、大事件!
しかし「自身」は不思議と淡々としている。実際、この2頁の特集記事のなかで“引退”の言葉はこの一度のみ。引退が本当なら“引退決意!!”とかデカデカと謳ってもいいはずだが、しかし、そういう雰囲気も一切ない。
しかも“引退ライブ”としながらも、他メンバーは諦めていないと、こう解説される。
「4年間待ち続けてくれたファンの前に大野さんが立ち、ライブを完遂したときに考えがかわるのではないかと期待しているそうです」(テレビ局関係者のコメント)
いやいや、そんなテキトーなことってある? このように大野が“引退ライブ”を行うとしながら、しかし大野が実際に“引退を決意”したかどうかは曖昧で、さらにそれに伴うはずの嵐というグループの今後や解散などについての言及は一切ない。さらに“引退ライブ”をすれば大野の気持ちは変わり、撤回もあり得ると指摘するなど、クエスチョンだらけの記事なのだ。
なぜ? 思うに「自身」は“引退”とぶち上げることをちゅうちょしている、そんな気がする。加えて「自身」は大野の“完全引退”をある程度キャッチしているのではないか。しかし、それをぶち上げるには時期尚早かつ影響が大きすぎる。だから“引退”を匂わせながら、しかしその撤回もあり得る、という2段論法で何がなんだかよくわからない記事にした。どっちに転んでも間違えないように――。
しかし今回のよくわからない「自身」記事を読むと、逆に大野は本当に引退を決意しているのではないかとさえ思う。この「自身」記事がスクープとなる時は近いのかも。
ピーコ追悼記事の女性週刊誌らしさ
そんな「女性自身」なのだが、今週の同誌には往年の“女性週刊誌らしさ”が光る記事が多くあった。そのひとつが先日亡くなったピーコの追悼記事だ。これまでのピーコの足跡を辿り、その人となりを紹介し、また双子の弟・おすぎとの関係を記す。
そんな追悼記事だが、すごい展開が待っていた。「自身」記者が取材に向かったのは、ピーコが眠る菩提寺。そこで記者は線香をあげる男性に遭遇、ピーコとの関係など、詳細なコメント取材に成功した。
この男性はテレビ局関係の50歳前後の男性で、かつてはピーコとおすぎと3人で食事や酒席を共にしたという。ここ2年は音信不通だったという男性だが、その思い出を無念の表情で語ったそうだ。
そんな男性と遭遇した記者は“もっている”。追悼記事に大きな花を添えた男性の貴重な証言だが、しかしタイトルにある「晩年癒した最愛の人」という表現はいかがなものか。
というのも、記事を読む限り、この男性がピーコの“最愛の人”だったかまったく不明。にもかかわらず、勝手に決め付けてタイトルにまでしてしまうとは。まあ、これも女性週刊誌らしいといえば、らしいのだが――。
百恵さんの実父との確執を振り返る記事
そして、もうひとつが山口百恵ネタ。百恵さんの長男の嫁(声優の牧野由依)の実父が亡くなった。実父は作曲家・編曲家の牧野信博氏だが、しかし10年ほど前から娘の由依とは疎遠になり、連絡も取っていなかったという。
そして記事では、引退直前に出版された百恵さん自身の著書『蒼い時』を引用しながら、百恵さんも同様に実父と確執があった過去を振り返る。あったね、そんなことが。当時は百恵さんの複雑な生い立ちとともに、マスコミでも取り上げられていた。
嫁と逝去した実父との関係から、百恵さん自身の実父との関係を改めて振り返る。これまた女性週刊誌らしい“振り返り記事”だった。