“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第717回】

SnowManが紅白出場!? 旧ジャニーズ復活を図るNHKの変わり身の早さ

2024/10/01 22:00
神林広恵(ライター)
会見での井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子(写真:サイゾーウーマン)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 やはり誰がなっても変わらない。自民党総裁選で石破茂氏が勝利したが、早々に衆院解散総選挙を行うと宣言。これまで言ってきたことと真逆の行動だ。その理由は政権基盤の安定とも言われているが、自己都合、自己保身、利権温存の政治こそ自民党の真骨頂か。

目次

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
旧ジャニーズ復活を図るNHKの責任の重さ
中森明菜の運命を大きく変えたジャニーズの罪
木村拓哉とKōki,、映画のワンシーンのような素敵すぎる記事

今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3

第717回(9/26~10/2発売号より)
1位「旧ジャニとNHKが“雪解け”でSnowMan紅白出場へ」(「週刊女性」10月15日号)
2位「人間ドキュメント 歌姫・中森明菜『たかが恋なんて忘れればいい』」(「週刊女性」10月15日号)
3位「木村拓哉 娘とバイク2人乗り急いだ月夜の宴 スクープ撮!」(「女性セブン」10月10日号)

旧ジャニーズ復活を図るNHKの責任の重さ

 ジャニー喜多川氏の性加害問題をきっかけに“旧ジャニーズ”を排除する方針をとっていたNHKだが、問題勃発から1年半あまりで早々に方針を転換するらしい。「週刊女性」が今年の紅白歌合戦にSnow Manと、もうひとグループが出場する可能性を報じている。

 記事によると、その理由はいくつかあるらしい。まずは昨年の『紅白』が史上最低の視聴率だったこと。これは旧ジャニーズを『紅白』から排除したことも一因だとみられているという。

 さらに性加害問題で「(旧ジャニの)新規の出演依頼は行わない」としていたNHKだが、それが復活される条件として示していた“性被害者への補償”と“同族経営の脱却”が進んでいると判断されたこと、また現場から旧ジャニーズを使いたいという要望が強かったことなどが挙げられている。

 これをもって「週女」では“雪解け”などと表現しているが、ちゃんちゃらおかしい。そもそも旧ジャニーズの性加害問題は、それを見て見ぬ振りをしてきたメディアの問題でもあった。ジャニー氏の性癖を知りながら、それを放置し、一部メディアがそれを指摘しても無視、ジャニーズの影響力に恐れをなし、さまざまな忖度さえ行ってきた。特に旧ジャニーズのタレントを数多く起用し、蜜月関係を長年続けてきたNHKの責任は重い。

 いや、無視してきた道義的責任だけではない。渋谷のNHK放送センターの西館には“魔の7階”と呼ばれるリハーサル室があり、元ジャニーズJr.の二本樹顕理氏が「この部屋でジャニー氏が、小学生のメンバーを膝の上に乗せていた」と証言、またこの階の男性トイレで性加害が行われたとの報道もあった。

 ところが当時、NHKは稲葉延雄会長の定例記者会見で「人権意識が欠如していた」とする一方、しかしNHK内での第三者委員会などでの調査は行わず、『クローズアップ現代』での検証でお茶を濁した。もちろん、誰も責任をとってはいない。

 それどころか“魔の7階”に関しても、リハーサル室の存在は認めたものの「特殊なことではない」と開き直った。そして自分たちの責任や問題には蓋をするように、旧ジャニーズタレントを締め出した。

 しかし「週女」が指摘しているように、NHKは『紅白』が史上最悪の低視聴率という理由から、早々に旧ジャニーズを復活させるという。まさにご都合主義以外の何ものでもないだろう。

 しかも今年9月に行われた稲葉会長の会見では「(旧ジャニ起用を)総括的に判断していい時期を迎えつつある」「さらに確認したうえで新規起用を検討していきたい」などと発言、「週女」はこれを“復活への地ならし”と解説しているが、その変わり身の早さにはあぜんとするしかない。

 きっと全然反省などしていないんだろうな。そして再び視聴率の取れるタレントを数多く擁する大手芸能事務所で何か問題が起きたとしても、報じることはないのだろうな。そんなことを思わせてくれた旧ジャニ紅白復活の「週女」記事だった。

中森明菜の運命を大きく変えたジャニーズの罪

 そんな「週刊女性」で、もうひとつ目を引いたのが中森明菜を取り上げた連載ルポ「人間ドキュメント」だ。7月には6年半ぶりにライブが行われ、『紅白歌合戦』での復帰もささやかれるなか、「週女」のルポ・ドキュメントについに登場! と思ったが、それは叶わなかったらしい。代わりに芸能レポーターの石川敏男氏や元レコード会社宣伝担当者、シンガーソングライターの加藤登紀子などの証言から、明菜の実像に迫っていく。

 なかでも興味深かったのが、明菜の自殺未遂事件と、その原因とされる当時の恋人・近藤真彦(マッチ)に関する石川氏の証言だ。

「(明菜の自殺未遂後)別れたという報道は、当時のジャニーズ事務所がマッチを守るために流したミスリード」
「マッチはその後も献身的に明菜を支えるつもりだった」
「(その理由は)将来、2人が住むマンションの費用という名目で、マッチが明菜から7600万円を借りていたなんていう記事も出ていたけど、実際は違う。
 当時カーレースにのめり込んでいたマッチが、明菜から資金援助してもらっていたというのが事実なのでは」

 マッチのカーレースのために明菜が貢いでいた――、すごい情報だ。さらに自殺未遂後に明菜とマッチが開いた“金屏風会見”の舞台裏についても石川氏は証言している。

 この会見は金屏風の前で2人そろって行われたため、集まった記者たちは結婚や婚約はあるのかとの質問をするも、マッチは「そういうことはない」と否定した芸能史に残る “とんでも会見”のひとつ。

 それについて石川氏は「この会見、ジャニーズサイドから圧力がかかって行われたことは紛れもない事実。何も聞かされていない明菜自身が一番驚き、傷ついたでしょう」と証言している。

 日本を代表する歌姫の運命を大きく変えてしまった、ジャニーズの罪の重さをひしひしと感じさせてくれた。

木村拓哉とKōki,、映画のワンシーンのような素敵すぎる記事

 「女性セブン」に素敵な記事が掲載されている。9月中旬、渋谷のライブ会場からジーパン、ジージャン姿で男性が出てきて、大型バイク・ハーレーダビッドソンにまたがった。後ろからは長身の女性が。女性は運転男性の腰にギュッと手を回し、はにかんだ笑みを浮かべる。それは、まるで映画のワンシーンのようだったという。

 この男女は木村拓哉と、その次女Kōki,。父娘で、母・工藤静香のライブに足を運んだワンシーンだという。記事には、ほかにも木村一家の素敵なセレブ活動ぶりが描かれている。もちろん記事だけでなく、巻頭カラーグラビアにもハーレーダビッドソンにまたがった木村とKōki,の素敵な父娘写真がパチリ。素敵すぎる記事。素敵すぎる写真。素敵なママのプロデュースかな?

神林広恵(ライター)

神林広恵(ライター)

伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」(噂の真相)の元デスク。著書に『噂の女』(幻冬舎)、共著に"『日本を脅かす! 原発の深い闇』『木嶋佳苗 法廷証言』(共に宝島SUGOI文庫)などがある。

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最終更新:2024/10/01 22:22
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