実写映画が大ヒットの『キングダム』、アニメ版声優・森田成一は「稀な人材」? 業界関係者が評判明かす
原泰久氏の漫画を実写映画化したシリーズの第4作『キングダム 大将軍の帰還』。興行通信社の発表によれば、7月12日に全国532館で封切られ、8月4日までに興行収入54億円を突破するなど、大ヒットを遂げている。同時に注目が集まっているテレビアニメ出演声優について、業界関係者に評判を聞いた。
目次
・実写版『キングダム』シリーズの概要
・信役声優・森田成一が「稀な人材」なワケ
・王騎役声優・小山力也を関係者が絶賛
令和ナンバーワンヒットの実写映画『キングダム』シリーズとは?
原氏が「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて2006年から連載中の『キングダム』は、 中国の戦国時代を舞台に、大将軍を目指す主人公・信(しん)と、中華統一を夢としてかかげる嬴政(えいせい・のちの始皇帝)を描く人気コミック。
19年4月に山崎賢人を主演に据えた実写映画第1作が公開されたのを皮切りに、22年7月に『遥かなる大地へ』、23年7月に『運命の炎』と、これまで3作が制作されてきた。そのすべてで興収50億を超え、00年以降にシリーズ化された邦画実写作品で史上初の偉業を達成した。
そして今回の『大将軍の帰還』で新たに記録を更新。邦画の実写版では令和ナンバーワンの大ヒットシリーズとなった。
アニメ『キングダム』信役・森田成一が「稀な人材」なワケ
なお、『キングダム』は実写映画が公開される前の12年6月にNHKでテレビアニメ化を果たしており、今年1月期には全13話の第5シリーズが放送されたばかりだ。『大将軍の帰還』は、第1シリーズの中のエピソードが描かれているため、映画を見る前や鑑賞後にあらためてアニメで物語を振り返ったという人も多いことだろう。
実際、ネット上では、映画を見た人から「役者陣の演技やアクションに圧倒された」「原作とアニメの再現度がすごい」という感想のほか、主演の山崎の声がアニメで信を演じている声優・森田成一と「似ている」との声も上がっている。
その森田は、いったいどんな人物なのだろうか。
「森田は声優として活動を始める前に、俳優として映画やドラマ、舞台で活躍。2001年にゲームソフト『ファイナルファンタジーX』の主人公・ティーダ役を演じたことがきっかけで大手声優事務所・青二プロダクションに移籍すると、トントン拍子で業界トップのに躍り出ました。もともと声優を志していた人とは違う、自然体なアニメ声優っぽくない切り口の演技をするため、声優としてのスキルを磨かずとも、もともとの素質で良い役が取れる稀な人材です」(制作会社関係者)
一方で、収録現場では「扱いづらい」一面もあるとか。
「社交的でトークもうまく、人懐っこい印象がありますが、意外と頑固で自分のポリシーを絶対に曲げないことも。現場では和気あいあいと仕事をこなしますが、仕事の条件面などの主張が激しく、小難しい性格でもあるので、スタッフからは好かれにくいかもしれません。20年をもって青二を退所してからはフリーで活動していますが、今後活動の幅を広げるのは難しいでしょうね」(同)
アニメ『キングダム』王騎役・小山力也、「礼儀正しく謙虚」と関係者絶賛
そのほか、『大将軍の帰還』でも活躍する信があこがれる大将軍で、映画では大沢たかおが演じている王騎役の小山力也については以下のように評価する。
「小山はもともと舞台役者で、アニメよりも外画の吹き替え仕事が多く、01年からドラマ『24 -TWENTY FOUR-』シリーズで主演するジャックバウアーの声を務めるようになったことで、一躍人気になりました。09年には、アニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)の2代目・毛利小五郎役に就任。初代の神谷明をトレースせず、自分なりの小五郎を作り出しました。そもそも小山は役に合わせて声を変えたり寄せたりするタイプではないため、神谷とは違ったオリジナリティのある新たな小五郎を見せるという意味では、良いキャスティングだったのでは」(同)
なお、性格は「礼儀正しく謙虚」だそう。
「まさに、“実直”という言葉がぴったり。劇団出身だからか、上下関係もしっかりしていて、現場でも一人ひとりに挨拶をし、自分より年下の人とも敬語で話をします。仕事に対しての姿勢も真面目です」(同)
俳優として活動していたという共通点がありつつも、現場からの評価は対称的な森田と小山。アニメを視聴の際は、ストーリーだけでなく、2人の演技に注目すると、より楽しめるかもしれない。