「街のケーキ屋さん」倒産が過去最多ペースの中、【銀座コージーコーナー】は? 15年ぶり食べてわかった魅力
街の洋菓子店で倒産が急増しているとか。2000 年以降で過去最多ペースで、洋菓子店の倒産は閑散期の夏以降に増加しやすいことから、今夏からさらに数字が伸びる可能性も。そんななか、洋菓子店大手の「銀座コージーコーナー」の様子は? 実際に商品を購入&実食してみました。
※2024年5月30日公開の記事を再編集しています。
目次
・「街の洋菓子店」で倒産増、過去最多ペース!
・【銀座コージーコーナー】全国で約420店舗を展開
・【銀座コージーコーナー】「ジャンボシュークリーム」は162円
・【銀座コージーコーナー】チョコミントケーキが後引くおいしさ
・【銀座コージーコーナー】食べてわかった魅力4つ
※2024年5月26日時点の情報です
※価格はすべて税込み
※最新情報は公式サイトやSNSをご確認ください
「街の洋菓子店」で倒産増、過去最多ペース!
帝国データバンクが発表した「『洋菓子店』の倒産動向(2024 年1-5 月)」によれば、街の洋菓子店で倒産が急増しているとか。24年の1〜5月の間の件数は2000年以降で過去最多ペースで、洋菓子店の倒産は閑散期にあたる夏以降に増加しやすいことから、これからさらに数字が伸びる可能性もあるとのこと。
背景には、ケーキで主要となる材料が軒並み値上がりしていることが指摘されています。チョコレート価格は、カカオ豆の不作と円安の影響から上昇。フルーツも異常気象から収穫が減少。原材料価格が上昇する一方で、商品を値上げできず、やむなく店を畳んだケースが多いといいます。
そんななか、洋菓子店大手の「銀座コージーコーナー」の様子は? 実際に商品を購入&実食してみました。
【銀座コージーコーナー】全国で約420店舗を展開
ロッテの子会社で、全国で約420店舗を展開する銀座コージーコーナー。名物の「ジャンボシュークリーム」や金色の紙に包まれた「モンブラン」といった定番商品が長年にわたり愛されてきました。
ただ、かつては「不二家」がライバルだった銀座コージーコーナーですが、ここ10年ほどで店舗数・売上高ともに右肩上がりのシャトレーゼに追い抜かれ、その差は開くばかり。
2019年3月期は売上高が253億円だったものの、20年3月期以降はコロナ禍の影響などで数字がダウン。コロナ明けといわれる状況になってからもコロナ前の数字には回復しておらず、好調とは言えません。
なお、洋生菓子に目がない筆者ですが、銀座コージーコーナーで買い物をするのはおよそ15年ぶり。シャトレーゼにはない魅力を探るべく、早速店舗に行ってみたいと思います。
【銀座コージーコーナー】定番「ジャンボシュークリーム」は162円
店舗に着くと、まず感じたのが「昔と変わってない!」。いや、店舗デザインなどはアップデートされているのかもしれませんが、古き良き洋菓子店の雰囲気が今も残っています。
ショーケースには、古くからの定番商品である「ジャンボシュークリーム(ホイップ&カスタード)」や「エクレア」(ともに162円)などがずらり。
茨城県産メロンを使ったフェア商品は、「コージープリンセス(2種メロン)」(734円)、「2種メロンのショートケーキ」(583円)、「2種メロンのタルト」(626円)、ホールケーキの「2種メロンのデコレーション(4号)」(2,700円)の4種類。
スポンジまでメロン色で、華やかな見た目にテンションが上がります。こちらの販売期間は、カットケーキ3種が6月6日、ホールケーキが8月15日頃までとのこと。
ホールケーキなど切り分けるタイプの商品は、「チーズスフレ」(594円)、「ふわふわクリームシフォン」(1,274円)、「チョコレートデコレーション(4号)」(2,160円)といった、フルーツが入っていないケーキがお手頃価格でした。
さらに、『ポケットモンスター』とコラボしたケーキも数量限定で販売中。「<ピカチュウ>チョコバナナケーキ」(745円)と、「イーブイフレンズコレクション(9個入)[プチケーキ]」(3,132円)の2種類がありました。
迷った末に、今回は「<ピカチュウ>チョコバナナケーキ」、ロッテとコラボした期間限定商品「ジャンボシュークリーム(ガーナ)」(216円)、ショーケースで一際異彩を放っていた「チョコミントミルクレープ」(529円)を買って帰ります。
【銀座コージーコーナー】3商品実食、チョコミントが後引くおいしさ!
「<ピカチュウ>チョコバナナケーキ」(745円)を実食
まずは、黄色が鮮やかな「<ピカチュウ>チョコバナナケーキ」をいただきます。スポンジはかなりふわふわ。バナナクリームとチョコクリームも軽い口当たりで、お子さまでもぺろっと食べきれそうです。
しかし、甘党の筆者でも、このケーキは全体的に「甘すぎる」と感じてしまいました。ただ、ネットの口コミでは「甘すぎなくておいしい」という意見も見られたので、感じ方は人それぞれのようです。
実際、筆者の小学生の子どもたちは「チョコバナナ味が最高すぎる~」と幸せそうにがっついていました。
「ジャンボシュークリーム(ガーナ)」(216円)を実食
続いて、ロッテのチョコレートブランド「ガーナ」とコラボした期間限定商品「ジャンボシュークリーム(ガーナ)」を食べてみます。こちらは5月いっぱいまでの期間限定商品です。
なお、08年にロッテホールディングスに買収され、現在は同社の子会社となっている銀座コージーコーナー。過去にはロッテの洋酒チョコレート「ラミー」とコラボした「ラミーチョコケーキ」が話題を呼ぶなど、親会社とのコラボ商品を積極的に開発しているようです。
中は、食感の異なるチョコカスタードとチョコホイップクリームが2層になっていました。ジャンボというだけあってボリュームがあり、満足度が高いです。
しかし、これも個人的には、チョコの風味以上に砂糖の甘みが前面に出ているなと感じてしまいました。
コンビニや「ビアードパパ」、「ヒロタ」などのシュークリームをわりと頻繁に食べている筆者ですが、シュークリームとしては近年あまり食べたことがのない強い甘さ……。そして、これを食べてつくづく「最近のスイーツは甘さが控えられているんだなあ」と実感した次第です。
とはいえ、この商品もネット上で「甘すぎなくておいしい」という書き込みが見られたので、筆者のような人ばかりではないもよう。
「チョコミントミルクレープ」(529円)を実食
最後に、ネット上のチョコミント好きの間で話題になっていた「チョコミントミルクレープ」をいただきます。
商品説明によると、「ミント風味チョコガナッシュをのせたココアスポンジに、爽やかなミント風味クリームとほんのりビターなココアクレープを重ね、間に4層のパリパリチョコをサンドしました」とのこと。
フォークを入れると、間に挟まれた薄いチョコのパリパリ感が手まで伝わってきます。
口に入れると、パリパリチョコとフワフワのチョコスポンジ、そしてミント風味クリームの食感の違いが楽しい! ミントの清涼感のせいか「甘すぎる」と感じることもなく、後を引くおいしさです。
これは、なかなかほかのお店では食べられない、楽しさが詰まった新感覚のケーキではないでしょうか!
【銀座コージーコーナー】で感じた「懐かしさ」と「新しさ」
今回感じた銀座コージーコーナーの魅力は、主に以下の4つです。
(1)どれもサイズが大きめなのに、良心的な価格
(2)定番商品が並ぶ安心感と懐かしさ
(3)攻めた新感覚ケーキにも挑戦!
(4)ロッテ子会社ならではのコラボ商品
昨今の材料費などの高騰により、銀座コージーコーナーも値上げを余儀なくされており、昨年3月まで151円だった「ジャンボシュークリーム(ホイップ&カスタード)」や「エクレア」は162円に、475円だった「苺のショートケーキ」は496円に値上げされていました。
それでも、「ジャンボシュークリーム(ホイップ&カスタード)」はビアードパパの「カスタードパイシュークリーム」(220円)より69円も安く、「ローソン」の「大きなツインシュー」(138円)と大して変わらない価格で提供しているのは、かなり頑張っている印象です。
また、昔からほぼ変わらないビジュアルでショーケースに並ぶ定番商品を前に、「昔、父親が仕事帰りに買ってきてくれたな」「学生時代、よくジャンボシュークリーム買ったなあ」といった懐かしい記憶がよみがえり、お店にいるだけで幸せな気分に……。個人的には「この気持ちは、シャトレーゼでは味わえない」と感じました。
一方、ヒット商品を次々と生み出しているシャトレーゼほどの勢いはないにせよ、ロッテグループであることをいかした商品や、「チョコミントミルクレープ」のようなオリジナリティあふれるケーキ、人気キャラクターとのコラボ商品なども展開しており、客を飽きさせない工夫も感じられます。
こうしたことから、この先、売上の伸び悩みがしばらく続くことはあっても、大きく下がることはないのでは? と勝手に想像した次第です。
なお、銀座コージーコーナーでは5月31日より「ふわシュワ台湾カステラ」(432円)や「マンゴータルト」(529円)などの期間限定商品が登場するそう。気になる人はチェックしてみては?