[連載]女たちの「煩悩部屋」ビフォーアフター

【シンク下収納ビフォーアフター】プロの「買わない」片付け実例は? 排水管の悩みスッキリ!

2024/07/17 17:00
伊藤まき(収納ライター)

整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、片付けに悩む読者の自宅を使いやすく生まれ変わらせる連載シリーズ【「煩悩部屋」ビフォーアフター】。

連載企画『ビフォーアフター』新シーズンです。第9回目の片付けモニターは、港区・3LDKのマンションで暮らす4人家族のGさん(40歳)。今回は、汚部屋の片付けではなく、収納グッズを買わないで「賃貸暮らし」のキッチンを使いやすく手直しする特別編です。

目次

・【お悩み】「シンク下の収納棚」が使いにくい
・【お悩み①】観音開き&排水管が邪魔になって使いにくい
・【コの字ラック①】既製品より安く、撤去も簡単!
・【解決】お悩み①ビフォーアフター
・【お悩み②】コーナー部分の「デッドスペース」が使いにくい
・【コの字ラック②】カラーボックスの棚板を再利用して作成
・【解決】お悩み②ビフォーアフター

【お悩み】「シンク下の収納棚」が使いにくい

(C)maki_organize

クライアントプロフィール

・Gさん(40歳)
・4人家族
・3LDK
・賃貸マンション
・東京都港区在住

「シンク下収納」に関するお悩み

①排水管が邪魔になって使いにくい
②デッドスペースが使いにくい


 前回は安価で扱いやすい「パーチクルボード」を活用し、吊り戸棚に3枚の棚板を追加しました。今回は余った材料などから「コの字ラック」を作成し、写真①②「シンク下の棚」の収納を使いやすく手直ししていきます。

【お悩み①】観音開き&排水管が邪魔になって使いにくい

中央の扉裏には蝶番を付ける柱があります(C)maki_organize

 写真は全体のビフォー。左側の扉が観音開きで、右側には排水管が。鍋やフライパンが重ね置きされているので、必要なモノが「1回で取り出せない」状態に。奥に入っている道具も埋もれてしまい、使いにくくなっています。

シンク下は「左右を分割」する収納が正解!

(C)maki_organize

 収納スペースを無駄なく使い切りたいので、排水管と観音扉を中心にA側(約70cm)とB側(約40cm)で、空間を「左右分割」することにしました。A側のスペースに「コの字ラック」を作成していきます。

【コの字ラック①】既製品より安く、撤去も簡単!

外側で組み立てるとシンク下に入らない(C)maki_organize

 前回余ったパーチクルボード(H27cm)2枚と合板(W68cm)1枚を組み合わせて、A側のスペースに「コの字ラック」を設置しました。今回の場合、外側で組み立てるとシンク下に入らないので、扉の内側で作業を行っています。

 なお薄い木材を使用したり、より大きなサイズの棚を作成する場合は、写真の「※印」部分に棚受けなどの支えを用意すると良いでしょう。


【ポイント】集成材や合板なら、ネジ止めがやりやすい

ホームセンターに「電動ドリル」の貸出サービスがあります(C)maki_organize

 集成材や合板は材質がやわらかいため、ネジの取り付けが簡単なのもうれしいポイント。「電動ドリル」を使えば、5分程度で組み立てることができます。

【A側(左)のビフォーアフター】道具がひと目で把握できる

(Before)積み重ねていると出し入れが大変(C)maki_organize
(After)出しっぱなしだった「フライヤー」も入りました(C)maki_organize

 A側のスペースに「コの字ラック」を設置するだけで、ひと目で道具が把握できるようになりました。既製品のシンク下ラックもありますが、低予算でちょうど良いサイズを求めるなら「作る」が正解です。

【B側(右)のビフォーアフター】腰を落とす空間は「大きな道具」を収納すると使いやすい

(Before)小物がどっさり詰め込まれていました(C)maki_organize
(After)手前(電気鍋)と奥(水筒)に分けて収納(C)maki_organize

 B側のスペースには、キッチンの作業台に出しっぱなしだった電気鍋を収納しました。腰を落とす空間には、小物よりも「重いモノ」を入れるのがおすすめです。どうしても小物を置きたい場合は、上から見渡せる「引き出しケース」を使うと良いでしょう。

【解決】道具がスッキリ収まって使いやすくなった

道具が取り出しやすく、見た目もスッキリ!(C)maki_organize

【お悩み②】コーナー部分の「デッドスペース」が使いにくい

キッチンの角に当たる部分(C)maki_organize

 写真はL型キッチンのコーナー部分。左奥に約40cm角の空間がありますが、モノが取り出しにくいので「デッドスペース」になりがちです。また今回の場合は片面扉がひとつなので、回転トレーやキャビネットを付けることもできません。

 そこでこちらのスペースにも「コの字ラック」を設置して、収納を手直ししていきます。

【コの字ラック②】カラーボックスの棚板を再利用して作成

赤い点線部分を木工用ボンドで接着(C)maki_organize
脚部分は化粧板の端材を使いました(C)maki_organize

 不要になったカラーボックスの棚板と化粧板の端材を再利用して、材料費0円で「コの字ラック」を作成しました。赤い点線部分を木工用ボンドで接着して、穴の部分でネジ止めをしています。

 カラーボックスはジモティなら0円、リサイクル店なら500円程度で購入可能なので、材料費の負担を抑えたいという場合はおすすめです。

【解決】空間を2分割して収納力アップ!

(Before)(C)maki_organize
(After)(C)maki_organize

 奥のデッドスペースに「コの字ラック」を設置。空間を二分割することで収納力がアップしました。扉はひとつなので、ファイルボックスをズラしながら中の道具を取り出します。

 「コの字ラック」ではなく既製品を使うなら、ダイソーの「ジョイントラック」やIKEA「ヴァリエラシェルフインサート」でも良いでしょう。予算感としては、約600〜800円ほどになります。

伊藤まき(収納ライター)

伊藤まき(収納ライター)

収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。クリンネスト2級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。

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Instagram:@maki_organize

最終更新:2024/07/18 08:16
奥のほうに封印したら最後……