2024年4月期の春ドラマ

木村拓哉『Believe』最終回13.2%で高視聴率も、『アンチヒーロー』下回ったワケ

2024/06/24 08:00
仲宗根由紀子(エンタメライター)
木村拓哉の画像
キャプテン、撮影お疲れ様でした!(写真:サイゾーウーマン)

 木村拓哉が主演を務めるテレビ朝日開局65周年記念ドラマ『Believe-君にかける橋-』(以下、『Believe』)が、6月20日の15分拡大放送で最終回を迎えた。ネット上では「最高のドラマ」「泣いた」と賛辞が相次ぐ一方で、「話が失速した」という声も上がっている。

目次

『Believe』最終回のあらすじ
『Believe』最終回に賛否のワケ
日曜劇場との視聴率対決は?

『Believe』最終回のあらすじは?

 『Believe』は井上由美子氏が脚本を手掛け、『BG~身辺警護人~』(同)チームが再集結して制作された希望と再生のヒューマンエンターテインメント大作。木村の脇を竹内涼真、斎藤工、上川隆也、天海祐希、北大路欣也ら豪華俳優陣が固める。

※以下、『Believe』最終回のネタバレを含みます。

 これまで脱獄犯として逃亡を続けてきた狩山陸(木村拓哉)が、ついに逮捕されてしまった前回。最終回では、弁護士・秋澤良人(斎藤工)の協力により再審のチャンスをつかみ、狩山は服役中に逃走した罪を償い出所する。


 その後、出所祝いとして狩山はがんを患った妻・玲子と2人で碓氷峠の橋を訪れ、幸せなひと時を過ごす。しかし、橋の上で振り向くと玲子の姿はなく、生前の玲子の言葉を胸に前へ進むのだった――。

『Believe』「最高の夫婦の物語」「失速した」と賛否

 もともと離婚寸前だった狩山夫婦が、橋の崩壊事故をきっかけに絆を取り戻していく様子が印象的だった『Believe』。

 最終回放送後、ネット上では「最高の夫婦の物語で号泣した」「木村拓哉と天海祐希に夫婦役を演じさせた人、天才かよ」などと賛辞が相次いだ。

 一方、「結局、夫婦愛の話か」「前半はワクワクしたけど、後半で失速した印象」と落胆する視聴者も散見される。
 
「物語の中盤までは、竹内涼真演じる刑事や、斎藤演じる汗っかきの弁護士のつかみどころのないキャラクターが、『何か起こりそう!』と視聴者の期待を煽っていました。しかし、竹内の第7話以降の出番が少なく、最終回でも物語に大きく絡むことはなかった。加えて、秋澤弁護士も“結局、良い人だった”というオチ。これに、視聴者からは『刑事に勢いがあったのは最初だけだった』『弁護士のキャラとフィーチャーされる意味が最後までよくわからなかった』と肩透かしを訴える声も見られます」(テレビ誌記者)

『アンチヒーロー』との視聴率対決は?

 とはいえ、今期ドラマの中でも注目度は高く、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)と視聴率上位争いを繰り広げていた同作。


 最終回は、自己最高となる平均世帯視聴率13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、『アンチヒーロー』の最終回12.2%を見事に上回った。

「ただ、『Believe』は第3話~第8話まで1ケタが続いたため、全話平均では10.8%の『アンチヒーロー』を0.5ポイント下回り、10.3%でした。『Believe』は『キムタクが、竹内や天海の演技に食われてた』と指摘する声も一部でありますが、そもそも木村の主演作でなければここまで豪華な俳優は集まらなかったでしょう。そういった意味では、あらためて木村の主演俳優としての価値を世に知らしめた作品といえそうです」(同)

 日本中を感動と涙で包んだ『Believe』。木村の代表作がまた一つ増えたようだ。

仲宗根由紀子(エンタメライター)

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2024/06/24 08:17
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