暮らし
30代女子の「煩悩部屋」ビフォーアフター

「汚部屋にジャニーズ・Jリーググッズが埋もれる37歳」片付けを阻む“亡き母の教え”とは?

2024/03/17 13:00
伊藤まき(収納ライター)
(C)サイゾーウーマン

 20代の捨てられない思い出、過去の恋愛、三日坊主のアイテム、蓄積された趣味のコレクション、不安の数だけ溜まるストック商品……。収納ライター・伊藤まきさんが、30代・女性のひとり暮らしにありがちな、モノと煩悩に支配された“汚部屋”を一掃。ゴミという名の過去を捨て、心ごと汚れを洗い流し、願いが叶う“悟り部屋”に変えていきます!

※2019年5月20日公開記事を再編集しています。

目次

37歳、バリキャリのKさん
いつか使うから!? 詰め込みすぎるキッチンラック
油でベッタベタのキッチン!
とりあえず床に「直置き」!
ジャニーズやJリーグのコレクションがどっさり
壁面収納には衣類や帽子が山積み
押入れは家族の思い出と捨てられないモノがギッシリ
母の教えを受け継いだ
片付けの壁とは?

37歳、バリキャリのKさん

 お久しぶりの連載企画『30代女子の「煩悩部屋」ビフォーアフター』がはじまります! 第4回目のクライアントは、東京の中野区に住む女性Kさん(37歳)。家賃8万円の1DKアパートに10年ほど住む、バリキャリお姉さんです。

 1枚の写真に「思い出にとらわれず、スッキリしたい」という言葉を添え応募してくれました。彼女が抱える、片付けられない問題とは……?

[応募写真]とにかく“量”が多いのがわかる1枚

 写真からは、食品ストックの山、レジ袋の山、タオルの山が見えます。ひとり暮らしにしては、多すぎる量ですね。まずは、住人の紹介を兼ねながら部屋全体を覗いてみましょう!

いつか使うから!? 詰め込みすぎるキッチンラック

[キッチン]もったいない精神が誰よりも高め女子!

 玄関を開けると、スチールラックが2つ。ひとりでは多すぎるモノが、ひたすら詰め込んでありました。隙間を見つけては、置いたモノなども目立ちます。とりあえず見えなければ美的と考えて、カーテンで目隠しをしていました。

油コーティングでベッタベタのキッチン!

[キッチン]見える収納で、生活感がたっぷり漂います

 塩がいっぱいありますが、集めているとか? 「友だちからの旅土産です。お酒と塩が定番で、居酒屋かってぐらい(笑)」とKさん。奥に見える、3本の歯ブラシも友だちが使ったモノだそう。

とりあえず「直置き」!

[ソファ周り]コスメ類もまた、無造作に詰め込みまくり!?

 ダイニングキッチンの奥には、赤いソファがありました。壁との隙間20cmに何が良いかわからぬまま、コスメが山積みになってしまったそう。「お金をかけてまで、収納家具を増やしたくないので……。でも何とかしたいです」とKさん。

 よく見ると、部屋全体のインテリアがバラバラです。好みの統一性が見えない件を問うと、「この赤いソファだけ、自分で選んで買ったモノです」とニッコリ。ここでもまた、友だちからの愛の気配が感じられます。

ジャニーズやJリーグのコレクションがどっさり

[趣味のコレクション]熱い記憶が刻み込まれた青春グッズ

 ソファの下からは、ジャニーズやJリーグに夢中になっていた思い出コレクションが登場! 袋の中には、丁寧に集めた新聞紙の切り抜きがどっさり! 今では入手困難の選手サインも大切に持っていました。でも、こういった昭和グッズって、実家に置きっぱなしがほとんどでは? 実はKさん、若くして大変な苦労をされていました。

 「母が入院したので、実家をたたみました。3人兄弟の末っ子ですが、私しか親の世話をできる時間を作れません。そのため、会社の出社日数を減らして、親の介護や書類関係の手続き、実家の片付けまで一人で済ませました。これでもかなりの量を手放したのですが、まだ使える生活雑貨や思い出品が手放せなくて……」と、昭和感漂うモノが多い理由を明かしてくれました。

壁面収納には、衣類や帽子が山積み

[寝室]昭和レトロにタイムトラベルしたかのよう……。

 寝室にも、昭和の名残がありました。部屋の中央に、古い鏡台があります。こちらは、Kさんのお母さんが大切にしていた家具で、プロによる補修がされていました。友だちから譲り受けた壁面収納には、衣類や帽子が山積みです。床に直置きしたモノも多いので、掃除をするにも大変そう。でも比較的、散らかりも少なく掃除を怠っている様子はありません。見える部分は、きちんとしているのです。

押入れは家族の思い出と捨てられないモノがギッシリ

[寝室]実家から持ち帰った思い出のモノがギッシリ

 押入れを開けると、家族の思い出と捨てられないモノがギッシリ詰め込まれていました。ほかにも、来客のために用意している布団が目立ちます。もちろん、Kさんの私物も多めですが、それ以上に、「人の想いを気遣うモノ」に溢れていました。これは、捨てにくいですよね……。

母の教え「使えるモノは最後まで使い切る」を受け継いだ

[昭和グッズの一部]Kさんと腹を抱えて爆笑した昭和グッズ

 シングルマザーとして3人の子どもを育てた母を尊敬しているとKさん。母の教えどおり、「使えるモノは最後まで使い切る」という精神が受け継がれています。そのため、筆者の手も止まるほど懐かしい宝の山が出てきました!

片付けの壁とは?

 さてここで、いきなりの問題です! 手っ取り早く、部屋をスッキリと美しくするには何が必要だと思いますか?

 答えは、「大量に捨てる」「買い揃える」「人力」が多いほど簡単に終わります。

 でも一般的には、これが一番難しい! しかも、相当な予算が必要になります。サイゾーウーマンの企画は、継続できるリアルを追求しているので“材料費”だけは個人負担(平均1万円前後)でお願いしています。

 Kさんは、営業の仕事で海外主張までこなすバリキャリさんですが、勤務日数を減らしているため収入が3割減だそう。部屋の中には、お母さんの病院の領収書の山も出てきました。

 これらの理由から、「お金をかけない片付け法」で挑戦!  次回より、「捨てられないモノの保管方法」、「贈りモノの捨て方」、「ジモティ活用法」などを交えて「悟り部屋」へと片付けていきます。

――続きはこちら

伊藤まき(収納ライター)

収納ライター・兼・整理収納アドバイザー1級。クリンネスト2級。おがくず工場に生まれ、ホテル清掃員、国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出など“家事の土台”を極めた生活を経て、出版社入社ののち独立、現在に至る。モノを手放すほど「幸運」が舞い込むジンクスを何度も体感! 貧乏神と決別した実体験をもって、整理収納の威力をお伝えします。

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Instagram:@maki_organize

最終更新:2024/03/17 13:00
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