65歳ヤクザがコンビニ店員に「おっぱいをもんでいいか」と言って逮捕――元極妻が考える「実名報道」
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
目次
・コンビニで「おっぱいをもんでいいか」と言って逮捕
・元ヤクザだからメルカリのアカウントが停止
・工藤會トップ2の控訴審判決
コンビニで「おっぱいをもんでいいか」と言って逮捕
コンビニの店員さんに「おっぱいもんでいいか」と言ったヤクザ(65歳)が大分県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたことが報道されましたね。
もういろんな意味でツッコミどころありすぎますが、なんか昭和のオッサンは普通に言ってそうです。とはいえ、さすがに実名報道はどうなんでしょうかね。カタギさんならニュースにもならなかったかなと思います。
先日、元オットの兄弟分から「最近はハトをはねたり、コンビニでコーヒー代をごまかしたりと、しょうもないことで実名報道されてまうからかないませんわ」と言われ、「たしかにそうよねー」みたいな話をしてたところでした。
名前がネットに出て拡散されてしまうと、全部の削除は難しくて、ずっと残ってしまいますよね。いわゆる「デジタルタトゥー」です。
事件を起こすほうが悪いといえばそうなのですが、過去の小さい事件がネットに出たせいで就職が難しくなったという例もあります。建造物侵入容疑で罰金刑を受けた男性がSNSのツイッター(現・X)に削除を求めた裁判では、最高裁が削除を命じる判決を言い渡しましたね。
元ヤクザだからメルカリのアカウントが停止
裁判は個別の判断ですから、統一見解が示されても、また違う判例は出てきます。昭和女子としては、「おっぱい問題」とか性犯罪的なところは実名でもいいかなとは思いますが。皆様はどうですかね。
たとえば、元ヤクザで弁護士の諸橋仁智先生や司法書士の甲村柳市先生は、過去をきちんと明かされていることで不利益もあるようです。
諸橋先生はメルカリのアカウントを停止されたり、クレジットカード会社に事業主として加盟することができなかったりしているそうです。メルカリやクレカで「買う側」としては問題ないけど、「売り手側」になれないんですね。
甲村先生はクルマを買えなかったり、マンションを借りられなかったりと、かなり深刻です。ご著書(『元ヤクザ、司法書士への道』集英社インターナショナル)によりますと、甲村先生はカーディーラーから「ネット検索したら元ヤクザとわかったから」とはっきり言われたそうですが、これはかなり珍しいと思います。断る理由を言わなくてはならない決まりはないからです。
社会復帰支援のために、警察庁は元ヤクザの銀行口座開設を推進していますが、金融側は嫌がっています。
たしかに企業としては面倒ですよね。諸橋先生は、「週刊アサヒ芸能」(徳間書店)での甲村先生との対談で、甲村先生がマンションを借りられないことについて、「今は名前をネットで検索しますからね。『うわっ、元ヤクザじゃん』『しかも、法律家!』『揉めたらダブルで面倒くさそう』ってなりますよ。自分が大家だったとしても、断っちゃうかもしれません(笑)」とおっしゃっていました。
まあ、そういうことなんですけど、「顔が見える関係」であればまた違うと思うんですよね。
お2人は過去を隠して生きるほうが大変だからカミングアウトを選ばれたそうですが、弁護士さんや司法書士さんの資格があってもこんな状態では、資格も何もない人は、もっと大変ですよね。過去のことで更生できず、生活のためにまた犯罪に手を染めてしまうこともあるかもしれません。この問題は引き続き考えたいです。
工藤會トップ2の控訴審判決
あと、もうひとつ気になっているのが、3月12日の工藤會トップのお2人の控訴審判決です。一審では起訴内容を全面否認していた田上文雄会長ですが、控訴審では一部の事件について関与を認めたことで、それが「アリ」かどうか、一審判決での野村悟総裁の死刑判決がどうなるか――が主な焦点です。
個人的には「ヤクザなんだから推認だけで死刑でよし」というのは、これからの裁判にも影響するので、慎重に審理してほしかったですが、警察庁の方針もあるんで、厳しいかと思ってます。