サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ「ムショ用語」が使用禁止に!? 一般社会では使われない「モッソウ」「バッカン」「シャリアゲ」を元女囚が解説 コラム 知られざる女子刑務所ライフ190 「ムショ用語」が使用禁止に!? 一般社会では使われない「モッソウ」「バッカン」「シャリアゲ」を元女囚が解説 2024/03/03 17:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) 知られざる女子刑務所ライフ 写真ACより 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。 目次 ・息子のために覚醒剤を一緒に売って逮捕されたおばあさん ・懲役を「さん付け」で呼ぶニュースは、笑うしかない ・刑事施設で使われてきた35の言葉とは? 息子のために覚醒剤を一緒に売って逮捕されたおばあさん 前から注目してる「保護司さん(犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティア)の公募制」ですが、いつ始まるんでしょうかね? 法務省の検討会が「2月21日にも中間報告書の素案を示す(予定)」までしか報道されてないですが、瑠壬も挑戦したいです。 秋葉原事件の元死刑囚のお友だちで保護司の大友秀逸さんは、Twitter(現・X)で「(保護司は)正直なところ誰でも簡単になれますよとは言えない」と書かれてますが、それはそうですよね。 保護司は、元受刑者の支援のほかにも研修を受けたり、地域のお祭りのお手伝いなんかもしたりするそうで、瑠壬もお祭りはめっちゃ得意ですが、本業もあるから、時間との闘いになるのは覚悟してます。 改めて「元・懲役(=受刑者)に寄り添うこと」をきちんと考えたいですね。ほんまは家族や友だちが支えるのが一番で、瑠壬も家族に支えられてここまできましたが、家族や友だちがいてない人のほうが多いです。 家族もいろいろで、「かわいい息子のために覚醒剤を一緒に売ってパクられた(逮捕された)おばあさん」もいてますしね。 気持ちはわかるけど、いろんな意味でアカンです。多分ですが、お子さんが小さい頃に大事にしてあげられへんかったとか、理由があるのとちがいますかね。「ほんまに子どもがかわいいなら悪事をさせるな」とかゆうのは簡単ですが、いろいろ事情ありますよね。瑠壬なら、このおばあさんになんてゆうかなあとか考えちゃいました。 懲役を「さん付け」で呼ぶ意味 「元・懲役」としては笑うしかないんですが、法務省がムショで懲役を「さん付け」で呼ぼうとか、「ムショ用語をやめよう」とか指導する件がニュースになってますね。 これは、どうですかねえ。もちろん言葉は大事ですから、「さん付け」がアカンとは思わないですし、長い目で見ればアリかもですが、「さん付け」されてすぐに懲役の気持ちが変わることはないです。 Vチューバーの懲役太郎さんは、「『さん付け』されただけで更生意欲が増すわけない」「言葉じゃなくて心で接しろ」とコメントされてて、なるほどと思いました。心、大事です。 刑事施設で使われてきた35の言葉とは? でも、それ以上に謎なのが「ムショ用語の禁止」です。最近の「刑務官の(懲役への)暴行事件の再発防止対策」やそうです。 小泉龍司大臣(東大出!)は、「刑事施設で使われてきたが、一般社会では使われない35の俗語や隠語の使用を直ちにやめるよう各施設に通知した。粘り強く改善していく」そうです。 この「35の言葉」が知りたいですが、「官(刑務所側)が使う言葉」と、「もともとの不良用語」があると思うんですよ。懲役太郎さんは「最初は覚えるのが大変だった」そうですが、瑠壬もそうでした。 お風呂に入れない時に体を拭く「シキシン」(拭身)とか、ごはんを入れるお弁当箱みたいな「モッソウ」(物相)、缶切りが凶器になるから刑務官に開けてもらう「カイカン」(開缶)、給食で使うバケツみたいなお鍋「バッカン」とかは不良の言葉とちがいますよね。監獄法が作られた明治時代の言葉かなと。 「シキテン」(見張り)とか食べ物を取り上げる「シャリアゲ」、密告の「チンコロ」とかは普通に「不良用語」と思いますが、いずれにしろ今回の「使用禁止命令」は「刑務官に対して」ですよね。懲役は、むしろムショ用語を残してってほしいです。 「アカオチ」「M浴」「セッケン禁止」……元女囚が教える“役に立たないムショ用語講座” 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所...サイゾーウーマン2018.03.18 人殺しでも「いまだに友達だと思っている」――元犯罪者を支える「保護司」になった人の言葉 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女...サイゾーウーマン2023.10.29 78歳まで働ける国家公務員「保護司」は無給のボランティア! 元女囚が読む漫画『前科者』 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑...サイゾーウーマン2022.02.06 中野瑠美改め瑠壬(作家) 1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。 記事一覧 Instagram:@rumichibi1209 瑠壬公式YouTube 最終更新:2024/03/03 17:00 楽天 Yahoo セブンネット 女子刑務所ライフ! 「35の言葉」ぜひ記録に残しておいてほしい 関連記事 2023年のクスリ押収量は過去2番目! イーロン・マスクのドラッグ使用疑惑を解説刑務所が避難所に!? 近所にあったら困る「迷惑施設」から変わる実態田代まさしの「おくすり手帳」と八代亜紀さんの刑務所慰問――元女囚が語る更生に必要なこと刑務所での「いじめ」手口とは? ぶっちゃけ、どついたろかと思うのが大半です元女囚が振り返る「2023年の刑務所ニュース」! 杉良太郎が刑務作業製品にダメ出しで今後は? 次の記事 認知症のテストに「バカにされている」と激怒! 若年性認知症になった妻との生活 >